「コール」はドイツ語でキャベツ、「ラビ」はカブを意味する野菜、コールラビ。株からキャベツのような葉っぱが生える不思議な野菜で、見た目がユニークなことから最近栽培される機会が増えてきました。煮崩れしにくいことから、シチューやポトフなどの煮込み料理や炒めものに加えると、ほくほくとした食感が楽しめますよ。今回は、そんなコールラビの栽培について、育て方のポイントや種まきの時期と方法などをご紹介します。
コールラビの学名・原産国・英語
- 学名
- Brassica oleracea var. gongylodes
- 科・属名
- アブラナ科・アブラナ属
- 英名
- Kohlrabi
- 原産地
- 地中海沿岸
- 収穫期
- ・6~7月中旬(春植え)
・10月中旬~11月中旬(秋植え)
- 開花期
- 4~5月上旬
- 花色
- 黄
- 別名
- カブカンラン(蕪甘藍)
カブタマナ(蕪玉菜)
コールラビとは?どんな野菜?
コールラビとは、アブラナ科の多年草です。原産地は地中海で、カブのような見た目をしているのが特徴です。丸く大きく変化した茎が食用として扱われます。種を春か秋にまいて、夏や秋に収穫します。コールラビの名前は、コールがキャベル、ラビがカブという意味をもち、キャベツの仲間でカブのような見た目をしておることにちなみます。
コールラビの育て方のポイントは?
過去にアブラナ科の野菜を育てた土は使わず、乾燥に注意して栽培するのがコツです。土が乾いたらたっぷりと水やりするよう心がけ、球の直径が8~10cmになったら収穫するとよいですよ。また、アブラナ科の野菜は連作障害を起こしやすいので、同じ場所に植えるときは1年~2年以上間隔を空けるようにしてください。
コールラビの種まきの時期と方法は?
コールラビの種まきは、3月中旬~4月または7月下旬~9月が適期です。育苗ポットで必要な分だけ苗を育て、鉢や地面に植え付けていくと生育が揃ってよいですよ。
- 3号の育苗ポットに赤玉土(小粒)など種まき用の土を準備する
- ポットに3~4粒ずつ種をまく
- 薄く土をかぶせ、たっぷりと水を与える
- 土が乾かないよう水やりをして管理する
- 発芽したら葉っぱ同士が触れ合わないくらいに間引く
- 土の表面が乾いたら水やりをする
- 本葉が3~4枚になったら、1つのポットに対して苗1本になるよう生育のよいものを選んで間引く
- 本葉が5~6枚になったら、鉢やプランター、地面に植え替える
コールラビの苗植えの時期と方法は?
コールラビの苗植えは、4~5月か9~10月が適期です。深く植え付けないよう注意していきましょう。
鉢・プランター植え
10号鉢に1~2株、幅60cmのプランターで2~3株が植え付けの目安です。水はけのよい中性~アルカリ性の土であれば、それほど神経質になる必要はありません。赤玉土(小粒)7~8:腐葉土2~3の割合で混ぜた土か、市販の野菜用培養土を使ってください。株同士の間隔を15~25cmくらい空くよう土に植え穴を掘って、植え付けていきます。
地植え
土の酸性度合を中和するよう、植え付ける2週間前に1㎡あたりコップ1杯(100g)の苦土石灰を加えて混ぜあわせておきます。そして、1週間後に堆肥や油かす、化成肥料を混ぜあわせ、幅30cm、高さ10~15cmの畝を立てます。苗は、15~25cm間隔に植え穴を掘って植え付けてください。
コールラビの水やり、肥料の与え方
水やり
鉢・プランター栽培では、土が乾いたら水やりをするようにします。乾燥に弱く、水が足りないと生育が衰えてしまうので注意してください。地植えは、普段の水やりは必要ありませんが、夏など土が乾燥しやすい時期は水やりをするとよいですよ。
肥料の与え方
カブのような球茎が膨らみはじめたら、追加の肥料を与えていきます。1株に大さじ1杯(10gくらい)が適量です。株の周りの土に混ぜ、株元に土ごと寄せるとよいですよ。このとき、株の上に付いている茎は、5~6枚残して他を切り落としてましょう。
コールラビの収穫の時期と方法は?
コールラビの苗を植え付けてから40~50日くらいたち、球茎の大きさが5~6cmほどになったら収穫のタイミングです。株ごと土から引き抜いていきましょう。球茎が直径8~10cm以上になってしまうと、熟しすぎて固くなってしまうので、早めに収穫してください。
コールラビの栽培で注意する病気や害虫は?
コールラビなどアブラナ科の野菜は、害虫が付きやすい性質があります。特にアブラムシやハモグリバエの被害に注意が必要です。いずれも、見つけたら株全体に広がらないうちに、野菜用の薬剤を散布して駆除していきましょう。また、防虫ネットをはるなどして虫の飛来を防ぐのも有効な予防になります。
コールラビの色々な食べ方を楽しもう
コールラビはアクが少なく、カブや大根のような味わいが特徴の野菜です。生のまま薄切りにしてサラダにしてもいいですし、浅漬けなどの漬物やピクルスにも向いています。また、実が荷崩れをしにくいので、スープや炒めものに加えれば、味が染みこんでいきますよ。色々なレシピに加えて、自分なりの食べ方を見つけられたら楽しいですね。
更新日: 2016年05月19日
初回公開日: 2016年05月19日