梅雨の頃、赤や白色の花を咲かせる夾竹桃(キョウチクトウ)を見たことがある方も多いのではないでしょうか。排気ガスなど公害に強く、公道や高速道路など街中によく植えられています。今回は、そんな夾竹桃について花言葉や育て方をご紹介します。
夾竹桃(キョウチクトウ)の花言葉は?
『油断大敵』『危険な愛』『用心』
強い毒性があることに由来して、「油断大敵」「危険な愛」「用心」という花言葉がつけられました。
夾竹桃(キョウチクトウ)とは?花の色は?
夾竹桃は、18世紀に中国から日本へ伝わってきた、常緑低木(小高木)です。本来は熱帯性ですが、いったん根付くと寒さに強く、東北の南部でも戸外で越冬できる庭木に育ちます。
夾竹桃は、公害に強いという性質があるので、千葉市、尼崎市、広島市、鹿児島市などの市町村の花に指定されています。
また、原爆が落ちたあと、広島で最初に花を咲かせた植物が夾竹桃だったことから、復興のシンボルとされました。
葉が竹に、花が桃に似ていることから、「夾竹桃(キョウチクトウ)」と呼ばれるようになりました。
- 学名
- Nerium oleander L. var. indicum
Nerium indicum
Mill.
- 科・属名
- キョウチクトウ科・キョウチクトウ属
- 英名
- Oleander
- 原産地
- インド
- 開花期
- 6~9月
- 花の色
- 白、赤、ピンク、黄
- 別名
- キョウチクトウ(キョウチクトウ)
夾竹桃(キョウチクトウ)はどんな花を咲かせる?
夾竹桃の樹高は4~5mで、夏になると白や赤、ピンク、黄色の花を咲かせます。花びらは5枚で、フリル状で少しひねった扇風機の羽のような形をしています。
葉は光沢があり、長楕円形で先が尖っているのが特徴で、薄く堅い葉を10~30cmまで生長させます。
シャクナゲと花の形が似ていて見分け方が難しいので、注意してくださいね。
夾竹桃(キョウチクトウ)の花には毒があるの?
花や葉、枝、根や果実などのすべての部分に加え、周辺の土にも毒性があります。青酸カリよりも強いオレアンドリンなどが毒の成分で、体内に入ると心臓発作や下痢、痙攣などを引き起こします。
歴史上でもアレキサンダー大王の軍隊で、夾竹桃の枝を串にして肉を焼いたために兵士が死んだと伝えられています。夾竹桃の枝を箸や串の代わりに使って食事をするだけでも死に至るといわれています。
身近な所に植えられているだけに、野外活動で調理に用いたり、家畜が食べたりしないよう、また子供が触らないように気をつけてください。
夾竹桃(キョウチクトウ)の花が咲く時期や見頃の季節は?
夾竹桃は、6~9月頃が開花時期です。春から夏にかけて、きれいな花を咲かせます。品種改良が進んだ現在では、一重咲きや八重咲き、ピンクや赤色、覆輪の花びらを楽しめるようになりました。
夾竹桃(キョウチクトウ)の種類は?
夾竹桃は種類によって花色や形、香りの有無が違います。今回はいくつか代表品種をご紹介します。
ヤエキョウチクトウ
紅色の八重咲き大輪品種です。日本で最も普及しており、日本で夾竹桃といえば、この種を指すことが一般的です。
セイヨウキョウチクトウ
地中海沿岸原産の品種です。日本で普及している夾竹桃とは違って香りがありません。
キバナキョウチクトウ
キバナキョウチクトウは黄色の花が咲く品種です。
シロバナキョウチクトウ
シロバナキョウチクトウは白い一重咲きの花を咲かせる品種です。
ウスギキョウチクトウ
ウスギキョウチクトウは黄色の一重咲きの品種です。
フイリキョウチクトウ
フイリキョウチクトウは葉に黄色の斑が入っている品種です。
夾竹桃(キョウチクトウ)の毒に注意して
夾竹桃は、夏の風景としてなじみがある花木です。「夾」の字ははさむ、混ぜるという意味があるように、竹や桃が混じりあったようなきれいな花姿ですが、猛毒があることを忘れずに楽しんでみてくださいね。
更新日: 2022年07月27日
初回公開日: 2015年12月13日