赤や白、黒色をした果実や、独特の形をした葉っぱで知られている桑。観賞用や食用の果樹として親しまれ、葉っぱは茶葉としても利用することができます。そんな古くから人々に好まれ、栽培されてきた桑には、いくつかの花言葉と言い伝えがあるんですよ。今回は、そんな桑の花言葉の意味や由来についてご紹介します。
桑(クワ/マルベリー)の花言葉!意味や由来は?
『彼女の全てが好き』『ともに死のう』
● 白い実:『知恵』
● 黒い実:『私はあなたを助けません』『あなたより生き延びる』
意味や由来
「彼女の全てが好き」「ともに死のう」という花言葉は、「ロミオとジュリエット」の題材にもなったギリシャ神話の悲しいエピソード「ピュラモスとティスベ」に由来するといわれています。ピュラモスとティスベという愛しあう二人の若者は、両親に結婚を反対されたため駆け落ちを計り、お互いの勘違いからともに死んでしまうというお話です。
桑の実は、最初は白いのですがだんだんと赤くなり、最後には濃い赤黒色へと変化していきます。この果実の色の変化が、若くして亡くなった若者の血で染まったといわれています。
また、血に染まる前の白い実には「知恵」、血で染まった後の実には「私はあなたを助けません」「あなたより生き延びる」といった花言葉がつけられています。
中国での桑(クワ/マルベリー)は聖なる木
ギリシャ神話だけを聞くと、桑は怖い花言葉をもった植物という印象をうけますが、実際は古くから人々の身近な存在だった植物であることがわかっています。例えば、古来中国では、太陽に関わる世界樹のように扱われ、男女の恋を唄う詩の題材にされてきました。
また、日本では雷(災害)を避けために「桑原 桑原(くわばら くわばら)」というおまじないを唱える風習があります。これは、畑に雷が落ちないように桑を植えていたという説や、桑畑(桑原)にふたをかぶせて雷などの防災を祈ったという説に由来するといわれています。
不吉を表す花言葉というよりは、古くから悲しい恋の物語の題材として利用され、縁起のよい樹木として扱われてきたことから、桑は人々から様々な願いや思いを託されてきたこと植物であることがわかります。
桑(クワ/マルベリー)の花言葉には人々の思いが込められている
先に逝った恋人を追いかけたいほど、そこには深い愛があることが伝わる桑の花言葉。悲しい言い伝え以外にも、防災や神の宿る樹木など、昔の人々は桑の木に思い思いの願いを込めていたんですね。もし、庭にスペースがあるなら、願いを込めて植えてみてはいかがでしょうか?
更新日: 2021年08月04日
初回公開日: 2016年02月09日