育てる手間のかからない丈夫なミルクブッシュ。サンゴのように生える細長い茎が特徴で、窓辺やリビングを飾る観葉植物にピッタリです。今回は、そんなミルクブッシュの育て方について、鉢植で育てる方法や挿し木での増やし方、枯れる原因や対処法などをご紹介します。
ミルクブッシュとは?どんな観葉植物?
ミルクブッシュはサンゴのような見た目をした植物です。丈夫で育てやすいことや1年を通して青々と茂っていることから、観葉植物やインテリアとして親しまれています。
幹や葉っぱのようにも見える細長い部分は全て茎です。その茎を切ると、切り口から出てくる白い樹液がミルクのように見えることや、茎を根元からたくさん生やすことを英語でブッシュと呼ぶことを合わせて、ミルクブッシュと名付けられました。
また、茎が緑色でサンゴによく似た姿をしているため、別名「アオサンゴ」や「ミドリサンゴ」などと呼ばれます。
ミルクブッシュは花よりも茎を楽しむ
ミルクブッシュは茎の先に黄色の小さな花を咲かせます。常に温かい原産地と環境の違う日本では、残念ながらほとんど開花した姿は見られません。
日本で育てている限りミルクブッシュの花は見られないかもしれませんが、これから育てようと思っている方は茎を育てるつもりで栽培を楽しんでみてください。
ミルクブッシュの置き場所は?
ミルクブッシュは日当たりのよいところでよく育ちます。室内で育てるなら日の差し込むリビングや窓辺が置き場所としておすすめです。
また、季節や時期によって適した置き場所がかわります。4〜7月は直射日光がよく当たる場所を、8〜3月はガラスやカーテン越しに日光が当たる場所で管理しましょう。
用意するグッズは?鉢に植えられたミルクブッシュを用意しよう
- 鉢に植えられたミルクブッシュ
- ジョウロ
- 液体タイプの肥料
- 剪定バサミ
初めて観葉植物を育てる方なら、「植木鉢に植えられた状態のミルクブッシュ」を選ぶのがおすすめです。そのまま育て始められるので初心者に向いています。
また、ホームセンターよりもネット通販の方が植木鉢やサイズの種類がたくさんありますよ。
もし、モダンで落ち着いた印象を与えたいなら木製の植木鉢がおすすめです。または、陶器製で縦長な植木鉢を選ぶとスタイリッシュな印象が与えられるので、お部屋の雰囲気作りの参考にしてください。
ミルクブッシュの手入れの仕方は?
鉢に植えたミルクブッシュが用意できたなら、後は定期的な手入れが必要です。手入れには、水やりと肥料の2つがあるのでそれぞれのタイミングや量などをご説明します。
水やりのタイミングと量は?
春から秋にかけての水やりは、鉢の土の表面が乾いたら、鉢の底から水が流れ出るくらいたっぷり与えてください。冬は鉢の土が乾燥してからさらに4〜5日後に同じように水やりをしましょう。
肥料のタイミングと量は?
ミルクブッシュは、5〜10月の間に肥料を与えます。2ヶ月に1回を目安に固形で肥料効果が長続きするタイプを土の上におくか、液体タイプの肥料を2週間に1回水で薄めて与えてください。
ミルクブッシュに植え替えは必要?
育て始めてから1〜2年たったなら植え替えのタイミングです。鉢の底を見たときに根がはみ出ていたり、水の浸透や鉢の底から水が出てくるまでに時間がかかるようになったらそれは植え替えのサイン。
放っておくと鉢の中で根が大きくなりすぎて生長が鈍って枯れてしまうので、新しい鉢と土を用意して次の手順で植え替えてください。
■ 準備するグッズ
- 鉢に植えたミルクブッシュ
- 市販の観葉植物用の培養土
- 今の鉢よりも一回り大きな鉢
- 鉢底ネット
- 鉢底石か軽石
- 割りばし
- ゴム手袋か軍手
- 小型のシャベル・スコップ
- ビニールシートか新聞紙
■ 手順
- 水やりを控えて土を乾燥させる
- 作業する場所にビニールシートか新聞紙を敷く
- 新しい鉢の底穴に鉢底ネット、鉢底石を順に敷く
- 土を鉢の1/3ほどまで入れる
- 鉢からミルクブッシュを引き抜き、植物の根についた土を手でやさしく揉んで落とす
- 黒ずんでいる腐った根を剪定バサミで切る
- 鉢の中心に植物を置き、縁から下4cmのところまで土を入れる
- 土の表面を割りばしでつつき、根の隙間まで土をなじませる
- 鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをする
ミルクブッシュは枯れる?原因や対処法は?
ミルクブッシュは手入れが行き届かないと枯れてしまいます。茎の先っぽから茶色く変色してカリカリに乾燥してきたら枯れ始めている証拠です。
ミルクブッシュが枯れる原因は3つあります。1つは水やりのしすぎ、もう1つは日当たりが悪い、最後の1つが5度よりも気温が低い場合です。
水やりは、土が乾燥したのをしっかり確認してから行いましょう。鉢の底に受け皿を用意しているなら、水やり後に溢れ出た水はすぐに捨ててください。
他にも日当たりが悪い場合や5度未満の室温になった場合でも枯れてしまうので、気温の下がる冬の時期は注意が必要です。
できるだけ室温が高く日光がよくあたる場所で管理しましょう。ただ、暖房を利用するなら温かい風が当たらないように気をつけてください。
ミルクブッシュの育て方で注意する病害虫は?
ミルクブッシュは他の観葉植物に比べて、あまり病気にかかったりはしません。
ただ、日当たりや風通りが悪く土が常に湿った状態ではカイガラムシという虫が寄ってきます。ダンゴムシに似た形をしており、茎や葉っぱを食べてしまうことがあります。
成虫になったカイガラムシは薬剤が効かないので、できるだけ幼虫の間にスプラサイドやカルホスなどの薬剤を散布して退治してください。
もし成虫のカイガラムシを見つけたら手や竹べらなどで直接そぎ落としましょう。
カイガラムシの被害を予防するには水やり後に早く土を乾燥させるのがポイント。場所を移すか、茎を切って風通しをよくしてください。
ミルクブッシュは増やせるの?挿し木での増やし方は?
ミルクブッシュは「挿し木」という方法で増やすことができます。「挿し木」は園芸用語で、植物の一部を切り取って土に植え、そこから根が生えて苗を生み出す方法のことです。
お金をかけずとも数を増やせるので、欲しい方はどんどんチャレンジしてみてください。時期は5〜8月がおすすめですよ。
実施する際、ミルクブッシュの茎の切り口から出てくる樹液に触れると皮膚がカブれる可能性があるので、手袋をするなどして樹液が肌に触れないよう気をつけてくださいね。挿し木の手順は次の通りです。
■ 挿し木の手順
- 軍手と大粒の赤玉土だけを入れた植木鉢を用意する
- 5〜8月頃に内向きな茎を7cmほど切り取る
- 切り口を水で洗い流す
- 観葉植物用の土を入れた植木鉢を用意する
- 1ヶ月ほどで根が出てくるので植え直す
育て方が簡単なミルクブッシュでスタイリッシュなお部屋づくりを
育て方が簡単なミルクブッシュは、植物の栽培に慣れていない方でも安心して栽培にチャレンジできる観葉植物です。白色の細長い植木鉢にミルクブッシュを植えれば、あっという間にお部屋がスタイリッシュな雰囲気に変わりますよ。
更新日: 2023年01月11日
初回公開日: 2016年05月24日