庭やエントランスを華やかに飾るバラアーチ。足元から上空までこぼれるように咲く姿は、庭やベランダを一気に魅力的な空間へと変身させてくれます。エレガントでおしゃれなアーチを使って、子どものころに夢見たような、バラの花園を作ってみませんか?
今回は、バラアーチの作り方の手順や注意点などをまとめました。
バラアーチとは?
バラアーチとは、アーチ型に組んだ構造物の両側からバラを沿わせる仕立て方です。「フラワーアーチ」や「ガーデンアーチ」とも呼ばれ、高低差を利用することによって立体的な空間を演出します。
アーチ仕立ての場合、ただ単につるを誘引して固定するのではなく、その下を人が通ることを前提に作る必要があります。アーチの大きさは、バラ回廊に使われるような大型のものから、人一人がくぐれる程度の家庭用の小型タイプまでさまざま。
材質も、価格が手ごろな鉄製、樹脂製のほか、さびにくいステンレス製やアルミ製、雰囲気のよい木製などがあります。
バラアーチに向くバラの種類・品種は?
バラアーチに向くのは、這うように生長していくつる樹形のバラです。具体的には、枝がよく伸びるランブラーローズやイングリッシュローズ、品種名の前に「つる」と付くクライミングローズなどが人気です。
最も重要なのは、アーチの大きさや高さに合わせた品種を選ぶこと。門型の大きなアーチには枝がよく伸びるやわらかいもの、小型のパイプアーチでは自立性が強く樹高の低いものにするなど、バラが根づいて大きくなったときのことも考えておきましょう。
バラアーチの作り方は?
バラアーチを作るときは、必ずアーチを先に設置してからバラ苗を置きましょう。バラを先に植えてしまうと、苗を避けてアーチを立てなくてはならず、作業がとても難しくなります。
バラアーチをもっと手軽に楽しみたいときは、自立可能なアーチと鉢植えのバラを使うのも方法です。その場合は、アーチの足元に重石代わりの鉢を置き、枝を本体に誘引するだけでOK。地面がコンクリート敷きの場所や、穴を深く掘れないときにも便利です。根が伸びるスペースが限られる分、生育も穏やかでコンパクトに仕立てられますよ。
バラアーチに必要なもの
- バラ苗
- バラアーチ
- 誘引用の麻ひも、ビニールタイ
バラアーチの作り方手順
- アーチを設置する場所を決め、脚の位置に深さ50cmほどの穴を掘る
- 掘った穴に1苗につき10ℓ以上の培養土を入れる
- アーチの脚を30cmくらいの深さまで培養土に埋め込む
- バラ苗を容器から土ごと抜き、根鉢を崩さないように脚の外側に入れる
- アーチとバラ苗の隙間に培養土を入れ、周りにドーナツ状の土手を作る
- 根元に水溜りができるくらいたっぷりと水をやる
- アーチ本体に枝を沿わせるように、麻ひもやビニールタイで固定する
バラアーチを作るときの注意点は?
1. 作る場所によってはトゲに注意
バラアーチをベランダや低い位置に作るときは、怪我をしないようにトゲの状態を確認しましょう。トゲもバラの魅力の一つですが、アーチはそもそも人が通り抜けるものです。あまり鋭かったり、たくさんあったりするようでは、服や体にひっかかりやすくなって安全に通行できなくなります。
そこでおすすめしたいのは、枝にトゲがないことで知られる「サマー スノー」の改良品種です。‘つるサマー スノー’や‘つる春風’などは、元親と同じようにほとんどトゲをもたないので、小さな子どもさんのいる家庭でも安心して楽しめます。
2. 手入れの難しい品種を選ばない
特に初心者の方は、剪定や誘引の作業が負担にならない品種を選びましょう。
枝が硬くて曲げにくく、毎年強いシュートが何本も出るようだと、手入れが大変でせっかくのバラアーチを楽しむ余裕がなくなってしまいます。枝がしなやかな品種ほど繊細な表現が可能で、上手に誘引するとすくすく伸びて美しく咲き誇ります。
3. 鉄製のアーチはさびに注意
アーチの材質によっては、定期的なメンテナンスも忘れないようにしましょう
。鉄製のアーチは比較的低価で取り入れやすい反面、長期間使用するとどうしてもサビが出やすくなります。サビを生かしたアンティーク調のガーデンもすてきですが、腐食が進んで落下することのないように、できれば年に1回はサビ止めを塗っておきましょう。
4. 埋め込みタイプのアーチは強風に注意
せっかく作ったバラアーチが、台風などの強風で倒れてしまっては悲しいですよね。なるべく風の当たらない場所に設置するのが理想ですが、できない場合は足元を固定しましょう。
穴あきブロックにアーチの脚を通し、ブロックの穴にモルタルを入れて固める方法が簡単です。培養土を入れる前に、ブロックの周囲に小石を詰めておくと安定感が増しますよ。
バラのアーチを作って庭のガーデニングを楽しもう
バラアーチは、アイディア次第でさまざまな表現ができます。ちょっと上級者向けですが、ひとつのアーチに2種類のバラを這わせ、香りの競演や色合わせを楽しむのも新鮮。同じ時期に一緒に咲かせたい場合は、開花時期の重なる同士を組み合わせましょう。
アーチの下にガーデンチェアやベンチを置き、読書やお茶をたしなむガゼボ風の休憩所を作ってもいいですね。満開のバラの花と豊かな芳香に囲まれながら、ゆったりとしたひとときを過ごせますよ。
更新日: 2018年09月19日
初回公開日: 2016年06月11日