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ビオトープとは?作り方やメダカの飼い方、育てる植物のおすすめは?

ビオトープは、自然の生態系を身近に感じられる空間です。水鉢を使った小型のものなら、広いスペースや池がなくても誰でも簡単にはじめられます。

庭やベランダの片隅で、水辺の植物と生き物が暮らす小さな楽園を作ってみませんか?今回は、ビオトープとは何か、作り方やメダカの飼い方、育てる植物のおすすめのものなどをご紹介します。

ベランダでメダカが飼える?ビオトープとは?

ビオトープ めだか

まずビオトープとは、ギリシャ語の「bios(生物)」と「topos(場所)」の合成語で、生物が自然な状態で生息している空間のことを意味します。

自然保護のあり方を示すドイツの言葉で、環境保全や野生生物保護を目的として、森林や池などを整備したのがはじまりです。

日本では主にガーデニングの分野において水辺の生態系を人工的に再現した場所のことを意味しています。広い庭や周りに自然が無くてもベランダなどのスペースを利用して身近に小さな自然生体系を作ることができ、メダカなども飼うことができるのです。

定番のメダカ以外にも、金魚やエビ、タニシなども飼うことができます。

ビオトープの作り方!準備するものは?

  • トロ船、水鉢などの容れ物
  • 底床材
  • カルキ抜きした水道水
  • 石やレンガ
  • 植物(水草)
  • メダカ(他の生物でも可)

トロ舟をつかったビオトープの作り方!どうやって作るの?

作り方(トロ舟の場合)

  1. 底床材やトロ舟を水洗いし、熱湯をかけて殺菌する
  2. トロ舟に底床材を均一に敷き詰める
  3. ポット苗の植物は、石やレンガで高さを調節してセットする
  4. 植物の根元から水面まで5cm程度を目安に水を入れる
  5. 濁りが沈殿したら、ほかの植物をセットする
  6. 2週間以上置いてからメダカを投入する

水道水をためるときは、バケツに汲んで1~2日ほど直射日光に当て、十分にカルキ抜きをしたものを使います。急いでいるときは、塩素中和剤(カルキ抜き剤)を使ってください。

底床材は植物の植え込み材であり、バクテリアや微生物のすみかにもなります。通常、荒木田土、赤玉土、睡蓮用の土などを使いますが、手軽なところではビオトープ専用の土もあります。

ろ過装置や水中ポンプを設置するときは、土の代わりに小石を敷き、目詰まりを起こさないように気をつけます。戸外に置くときは、睡蓮鉢やビオトープ用の鉢など水生植物用の育成容器がおすすめです。

ほかにも水鉢、ポリ容器、バケツ、ひょうたん池も使えます。室内に置く場合は、ガラスボウルやプラントグラスを使うと、上からも横からも観察できるインテリア性の高いビオトープになります。

水深の条件は植物によって異なるため、容器の底に石やレンガを敷いて高さを調節しましょう。市販のポット苗を利用すると、石やレンガの上にそのままセットするだけでよく、レイアウトの変更も簡単です。

ビオトープでのメダカの飼い方は?

様々な種類の生物を育てられるビオトープですが、小型で環境への適応能力が高いメダカは、初心者の方でもチャレンジしやすいビオトープ向きの魚です。

メダカの健康状態は、水量に大きく左右されるので1匹に対して1Lくらい用意しましょう。環境が整うまでは1日1~2回程度のエサやりが必要ですが、徐々に量と回数を減らしていきます。

多すぎるエサは、水質の悪化を招くので、ある程度は自然のサイクルにまかせてあまりエサを与えないことも大切なんですよ。

ビオトープで育てるのにおすすめの水草や植物は?

ビオトープを作るときも、寄せ植えと同じように「主役」と「脇役」を決めて配置することで美しく見えます。

空間に立体感を出すために中心や奥を高く、外周や手前を低くして高低差を意識すれば小さな水鉢でもバランスよくまとまります。下記にビオトープにおすすめの植物を主役と脇役に分けてご紹介します。

■ 主役

茶碗蓮

蓮は、“水辺のバラ”とも呼ばれるビオトープの花形です。茶碗蓮は、草丈50cm前後の小型種で、洗面器くらいの大きさの容器でも栽培できます。

花は八重咲きで紅色や白があり、7月~8月頃に開花します。寒さに強いので特に防寒の必要もなく、戸外でそのまま越冬できるところも魅力です。

姫睡蓮

姫睡蓮は、小さめの水鉢でも育てられる小型の温帯性睡蓮です。4~9月にかけて、直径2~3cmほどのかわいらしい花を1株に4~5輪ずつ咲かせます。

半日以上日が当たる場所なら室内でも育てられ、耐寒性が強く丈夫なことから、睡蓮の入門におすすめです。

カキツバタ

カキツバタは、花の美しい水生植物の代表です。アヤメ科の中でも特に水辺に適した種類で、いつも水のある日当たりのよい場所を好みます。

草丈は50~80cmほどで二季咲き種や四季咲き種があり、5月中旬頃に濃青色や白の花を咲かせます。

黄菖蒲

黄菖蒲は、「イエローアイリス」とも呼ばれるアヤメ科の湿地性植物です。草丈は60~100cmと大型で、5~6月頃に鮮黄色の花を咲かせます。

斑入りや八重咲きの園芸種もあり、日当たりがよければ簡単に育ちます。

ウォーターポピー

ウォーターポピーは、「水雛芥子(ミズヒナゲシ)」とも呼ばれる浮葉植物です。葉は肉厚の楕円形で、6~10月頃にポピーに似た薄黄色の花を咲かせます。

水面に葉を浮かべて横に広がるため、メダカの暑さ対策や隠れ家として重宝します。

アサザ

アサザは、「ハナジュンサイ」の別名をもつ夏緑性浮葉植物です。葉は、直径5~10cmほどの卵円形で、冬は根だけの状態で越冬します。

日当たりのよい肥沃な場所を好み、5~9月にかけて鮮黄色の花を咲かせます。

シラサギカヤツリ

シラサギカヤツリは、普通の鉢植えでも水鉢でも育つ水生植物です。5~10月頃に咲く白い星型の花は、鷺(サギ)が飛んでいるように見えることから、「シューティングスター」「シラサギノマイ」とも呼ばれます。

草丈は30~60cmほどで、日当たりのよい場所を好みます。暖地では一年中戸外で育てられ、寒冷地でも鉢植えにして室内に取り込めば大丈夫です。

ミニシペラス

ミニシペラスは、マダガスカル原産の抽水植物で、「シュロガヤツリ(棕櫚蚊帳吊)」の矮性品種です。草丈は30~60cm程度、スッとした茎に傘を開いたような葉をつけます。

根に植物性プランクトンの増殖を抑える物質を含むため、水質浄化作用が期待できます。耐陰性があるので明るい室内でも育ち、7~9月頃に緑がかった小さな花を咲かせます。

■ 脇役

マツモ

マツモは、金魚藻として有名な沈水性の浮遊植物です。環境適応能力が高く、容器のサイズに合わせて大きさや形が変化します。

房状に広がる葉はメダカの産卵場所になり、養分吸収率が高いので水質浄化に役立ちます。低光量にも比較的強いことから、室内での栽培に広く利用されています。

ホテイアオイ

7~9月頃に薄紫色の花を咲かせ、メダカの産卵場所にもなるホテイアオイ。繁殖力旺盛で条件が合うと増えすぎるため、小さな水鉢では小型の「ミニホテイアオイ」がおすすめです。

ただし、寒さに弱いので、冬は室内の明るい場所で管理します。

ロタラの仲間

ロタラの仲間は、水草や湿生植物など多岐にわたります。生長が早く葉色の美しいものが多いことから、レイアウト水槽の後景にぴったり。

赤い水中葉が特徴の「ロタラインディカ」や、明るい緑色が人気の「グリーンロタラ」などは、丈夫で育てやすく戸外の栽培にも適しています。

ウォーターバコパ

ウォーターバコパは、常緑性の沈水~湿生植物です。草体にレモンのような香りがあり、葉は2~3cmの楕円形で厚く丸みを帯びています。開花時期は7~9月頃で、青紫色の小さな花が水面に揺れるように咲き続けます。

ヘラオモダカ

ヘラオモダカは、水田雑草としてもお馴染みの抽水植物です。ヘラのような形の葉をもち、8~10月頃に直径6cmくらいの淡桃色の花をつけます。草丈は40~120cmと幅広く、戸外の日当たりのよい場所でよく育ちます。

ビオトープ管理士?資格があるほど奥深い!

ビオトープ管理士という、自然と伝統が共存した美しいまちづくり・くにづくりを行う資格もあるそうです。そんな奥深いビオトープですが、意外と自分で簡単に作ることもできるのです。

都会のマンションでも、ビオトープをつくって自然に近い形の池で生き物を飼育して楽しんでみてくださいね。

更新日: 2021年06月23日

初回公開日: 2016年06月30日

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