福寿草(フクジュソウ)は、古くから福を招き、長寿を意味する花として日本人に親しまれてきたおめでたい花です。小さな黄色い花が集まるように咲き、見た目もかわいらしいことから、鉢植えや庭植えとしても人気がありますよ。今回は、福寿草の花言葉や花の種類などについてまとめました。
福寿草(フクジュソウ)の花言葉
『幸せを招く』『永久の幸福』『悲しい思い出』
名前の通り、日本では古くから福を招く植物として知られていました。そのため、「幸せを招く」「永久の幸福」という花言葉をもつようになりました。江戸時代、春を一番に伝える花ということで、「福告ぐ草(フクツグソウ)」という名前で呼ばれていました。
しかし、学名の由来がギリシア神話でイノシシに殺された美少年アドニスであることから、西洋では「悲しい思い出」という花言葉で知られています。
福寿草(フクジュソウ)の花の色は?別名は元日草?
- 学名
- Adonis remosa
- 科・属名
- キンポウゲ科フクジュソウ属
- 英名
- Adonis
Pheasant’s-eye
- 原産地
- 日本
- 開花期
- 1~4月
- 花の色
- 赤、黄、白、緑
- 別名
- アドニス
元日草(ガンジツソウ)
朔日草(ツイタチソウ)
福寿草(フクジュソウ)とはどんな花?
フクジュソウは北海道から本州の山野に多く見られる日本原産の多年草で、冬から春にかけてかわいらしいお椀型の花を咲かせます。山野の落葉樹の下などに自生しています。
和名は、幸福と長寿を意味しており、新春を祝う花としてつけられました。また、旧正月の頃に花を咲かせることから、「元日草」「朔日草」とも呼ばれています。
江戸時代から多数の園芸品種が作られるようになり、一般的な黄色以外に、赤や緑色の花を咲かせる品種もあります。
福寿草(フクジュソウ)の開花時期と見頃の季節は?
福寿草は1~4月に花を咲かせる植物で、3月に見頃を迎えます。特に新年には南天と一緒に寄せ植えにした正月飾りがよく飾られます。これは、南天の音が「難を転ずる」ということを表しており、福寿草と合わさって「難を転じて福となす」という意味になるからです。
他にも、万両や松竹梅とともに飾られることもあります。
福寿草(フクジュソウ)の花の種類は?
日本に自生する福寿草は4種とされ、その仲間は北半球の暖かい地方を中心に30種ほどあるとされています。今回は日本で見られる種類をいくつかご紹介します。
福寿海
江戸時代から親しまれる品種で、福寿草といえば一般的に本種のことを指します。丈夫で育てやすく、鉢植えや庭植えで楽しむことができます。
キタミフクジュソウ(Adonis amurensis)
シベリア東部から北海道の一部に自生する品種です。通常の福寿草は、1本の茎に2つ以上の花をつけますが、キタミフクジュソウは1本の茎に花が1つしかつきません。また、花びらよりも萼の方が長いことが特徴です。
エダウチフクジュソウ(Adonis ramosa)
北海道から九州の広い範囲に自生している福寿草の1種で、萼片が花びらと同じ長さのもの指します。
ミチノクフクジュソウ(Adonis multiflora)
中国北部・朝鮮半島および東北から九州の一部に分布する種類です。萼片が花びらよりも短いことが特徴です。
シコクフクジュソウ(Adonis shikokuensis)
四国と九州の一部に自生している、2001年に発見された新しい品種です。萼片が花びらの長さと同等かやや短く、葉の両面が無毛なことが特徴です。
中国白花フクジュソウ(Adonis brevistyla)
草丈が15~30cmに生長する大型種で、日セリのような葉を広げ、真っ白な小花を咲かせます。中国の高山にある草原などに自生しています。
秩父紅(Adonis Chichibubeni)
朱橙色の美しい花を咲かせる園芸品種で、別名「紅花」とも呼ばれます。
福寿草(フクジュソウ)には毒がある?
福寿草の根に含まれるアドニトキシンには強心作用があり、古くから民間療法として利用されてきました。しかし、その致死量は0.7mg/kgと、55kgの方で38gの摂取で死に至るほど少量でも効果が強いです。少しでも用法・用量を間違えると死に至る危険があることから、毒草に指定されています。
誤って食べてしまうと、嘔吐や呼吸困難、心臓麻痺などの症状が引き起こされます。新芽がフキノトウと似ていることから誤食しやすく、食べて死亡した例もいくつか報告されているので注意が必要です。
福寿草(フクジュソウ)の花は、春の季節を知らせてくれる
福寿草は、雪が溶けると黄色い花を咲かせ、私たちに春を知らせてくれます。自宅の庭や鉢に植えて楽しむことができるので、育てて季節の移ろいを身近に感じられたらすてきですね。
更新日: 2023年01月04日
初回公開日: 2015年08月06日