生えぎわからシュッと伸びる細長い葉っぱが涼しげな印象を与えるオリヅルラン。寒さに強く、ベランダや玄関先に飾って楽しんでいる人も多くいますよね。さらに、育て方が簡単なところも人気の秘密。今回は、植え替えや冬越しの方法など、オリヅルランの育て方をご紹介します。
オリヅルランとは?
オリヅルランとは、ヨーロッパからアジアの広い範囲に分布するユリ科の植物です。1年中緑色の葉っぱを生やし、長い間枯れずに育ちます。
ランナーと呼ばれる横に伸びた花の茎の先に、折り鶴のような小さな苗(子株)をつけることが特徴です。
鮮やかな緑色をした品種が広く出回っていますが、中にはまだら模様や真ん中にライムグリーンのラインが入るものもあります。背丈が10cm前後と小型で、鉢に植えられているものが販売されているので、お部屋にも飾りやすいですよ。
オリヅルランの育て方!用意するグッズは?
- 鉢に植えられたオリヅルラン
- ジョウロ
- 霧吹き
- 液体タイプの肥料
- ハサミ
オリヅルランはもともと鉢に植えられているものが販売されているので、買ったらすぐに飾って育てられます。合わせて、上記のグッズも購入しておくと、栽培がスムーズにすすめられますよ。
オリヅルランの日々の育て方は?
オリヅルランは丈夫な観葉植物なので、日々の育て方で特別なことはありません。毎日の成長を見届けながら、長く付き合っていけたらステキですね。ここでは、普段の水やりや肥料の与え方をご紹介します。
水やりの仕方
オリヅルランは生長する春〜秋にかけて水をよく吸い、生長が鈍くなる秋〜冬にかけては水を吸う力が弱まります。このサイクルに合わせた水やりが大切です。
4〜10月は、土が乾いたら水やりをします。特に真夏はよく水を吸うので、ほぼ毎日水やりをするくらいでかまいません。一方11〜3月は、鉢の土が乾いて数日後に水やりをします。
葉っぱの乾燥が気になるときは、霧吹きなどで葉っぱに水を吹きかける「葉水(はみず)」をするときれいな色合いが保てます。
肥料の与え方
よく生長する4〜10月は、水と土の栄養だけではオリヅルランの活力は保てません。肥料を与えて、生長をサポートしてあげましょう。
液体タイプの肥料なら、2〜3週間1回、水やりがわりに施します。固形の化成肥料を使うときは、2ヶ月に1回生えぎわから少し離れた土の上におきます。水やりをしたときに肥料の成分がじわりと土へと伝わります。
オリヅルランの冬を越すための育て方は?
寒さに強いことで知られるオリヅルラン。とはいっても、もともとはあたたかい地域に根付いている植物なので、極端な寒さには耐えられません。
たとえば、霜に当たると葉っぱや根が枯れます。また、0度以下の場所に長く置いていると、葉っぱの先が黒ずみます。真冬は、少なくともひさしの下、できれば室内に置きましょう。
もし外に置き続けるときは、土の上の防寒用の木材(バークチップなど)をかぶせ、根が霜に当たらないようにしてください。葉っぱは枯れてなくなるかもしれませんが、根は生きているので、春にはまた新しい葉っぱが生えてきますよ。
オリヅルランが被害をうけやすい病気や害虫は?
気温が上がる春〜初夏になると、オリヅルランの新しく生えた芽にアブラムシという害虫がつく場合があります。
アブラムシをそのままにするとオリヅルランの栄養を吸って弱らせます。また、排泄物は別の病原菌を招く原因にもなります。
数が少ないようなら、ティッシュなどでつまみとりましょう。数が多いときや触りたくないときは、効果のある殺虫剤を吹きかけて駆除してください。
オリヅルランは植え替えが必要?時期や方法は?
オリヅルランは生長が早い観葉植物で、1〜2年に1回、5〜9月の間に植え替えが必要です。
同じ鉢で育て続けていると根が鉢の中いっぱいに広がってしまいます。その状態が続くと「根づまり」という状態になり、根が呼吸できずに腐って、結果的にオリヅルランが枯れます。
ここでは、オリヅルランの植え替えに必要なグッズと手順をご紹介します。
■ 必要なグッズ
- 今よりも一回り大きな鉢
- 観葉植物用培養土
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 小型のシャベル・スコップ
- 清潔なハサミ
- 割りばし
- ビニールシート
■ 手順
- 水やりを控えてオリヅルランの土を乾燥させる
- 作業する場所にビニールシートを敷く
- 新しい鉢の底穴に鉢底ネットを被せ、鉢底石を敷き詰める
- 土を鉢の1/3ほどまで入れる
- オリヅルランを元の鉢から抜き出す
※抜けづらいときは、鉢の側面を手でトントンとたたき、鉢の縁数カ所にシャベルを突き刺して土をほぐす - オリヅルランの根についた土を手でやさしくもんで落とす
- 黒ずんでいる腐った根をハサミで切る
- 新しい鉢の中心にオリヅルランを置く
- 鉢の縁から下2〜3cmのところまで土を入れる
- 土の表面を割りばしでつつき、根の隙間まで土をなじませる
- 鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをする
オリヅルランは増やせるの?
オリヅルランは他の観葉植物にはない、「子株(こかぶ)」から数を増やせます。早いものだと栽培して1年以内に、オリヅルランの内側からランナーと呼ばれる花の茎が伸びてきます。この先端についている、折り鶴のような小さな苗が子株です。
根が生えている子株を、土に植えるだけと作業は簡単。別の記事で詳しくご紹介しているので、チャレンジしたい方は参考にしてみてくださいね。
お部屋の雰囲気にとらわれず飾れるオリヅルラン
細長い葉っぱが印象的なオリヅルラン。見た目に癖がないことから、鉢の選び方や飾り方によって、和風にも洋風にもアレンジできます。
子株が垂れ下がる姿もユニークなので、高い場所に飾って楽しむというのもステキですよ。管理も簡単なので、自分に合った付き合い方をしていきたいですね。
更新日: 2022年03月16日
初回公開日: 2015年09月11日