梅の木は、枝を切らずに伸ばしっぱなしにしていると、枝ばかりが生えて実があまりつかなくなるので剪定が大切です。ただ、剪定は、庭木を美しく育てる作業ですが、木を傷めてしまう恐れもあるので、正しい方法で行いたいですよね。今回は、梅の木を剪定する時期や方法、夏と冬の剪定の違い、樹形の整え方などについてご紹介します。梅の木で現れやすい徒長枝(とちょうし)という枝の剪定時期についても、合わせて参考にしてくださいね。
梅の木を剪定するポイントは?
梅の木は生長が早いので、剪定のタイミングが大切です。放置して枝が茂りすぎると、病気や害虫の被害にあいやすくなり、実もつきにくくなってしまいます。適期に思いきって切り、あとは生長を待ちましょう。
梅の木は枝が太いので、剪定バサミやのこぎりを使って枝を切っていきましょう。切り揃えるときに、少し枝数が少ないかな・・・と感じるくらい刈り込んだ方が、趣きのある樹形に仕上がりますよ。
梅の木の剪定時期と方法!1年目から3年目までの剪定はどうする?
1年目
9~11月に地面から30~60cmの高さに幹をカットします。これによって苗木の生長を促すことができます。
2年目
12~1月に剪定を行い、美しい樹形の基礎を作っていきます。
1. 幹から出ている枝で上に伸びているものを3本だけ残し、他の枝は切り落とす
2. 残した枝からは3本ほど細い枝を生やすように、多い分は切り落とす
3. 残した細い枝は1/3くらいにカットする
3年目
12~1月に樹形を整えます。残した枝から伸びてきた枝で、交差しているもの、下に伸びているもの、伸びすぎているものは枝元から切り落としましょう。上へ伸びるような枝を残すのがコツです。
梅の木の剪定時期と方法!4年目以降は?夏と冬で違う?
4年目以降の夏
6~7月に枝を軽く剪定し、樹形を整えます。内側に伸びている枝や混み合っている枝を、枝元からカットします。また、その年に1m以上伸びた枝は、翌年実をつけないので、枝元から切り取りましょう。
4年目以降の冬
10~1月は、樹形を整えるだけでなく、翌年の花つきや実つきをよくするための重要な剪定です。剪定バサミで切りづらい太い枝は、のこぎりを使って切り取ってください。
1. 混み合っているものや内側に向かっているものなど、余分な枝や弱い枝は元から取り除く
2. 花芽を確認する(葉芽は細く尖り、花芽はふっくらと丸みがある)
3. 残った枝は、枝元から5~6個花芽を残して、その先を切り落とす
4. 太い枝を切り落としたときは、切り口に癒合剤や墨汁を塗って雑菌の侵入を予防する
どの枝を切るか迷ったときは、幹の外側にある枝を切り取りましょう。反対に内側の枝を切ると、切り口から太く長い枝が生えてきてしまうので注意してください。
また、幹や太い枝から上方に向かって伸びる「徒長枝」は、樹形を乱すだけでなく、花芽もつきにくいので、冬の間に剪定しましょう。
梅の木の剪定は、枝だけでなく摘果も大切
実がつきすぎると、全体に栄養が行き渡らず、粒の大きさが不揃いで小さくなってしまいます。実がつきはじめる4月頃に、5~6cm間隔に実がつくように間引いていきましょう。
小さい実や形の悪い実、傷や病害虫の被害のある実を取り除いてください。
梅の木の剪定は時期によって仕方が違う
梅の木は、苗を植え付けてから4年目まで、時期に合った剪定をする必要があります。剪定を怠ると、枝が伸びすぎて樹形が崩れます。
ただ、「桜切るバカ、梅切らぬバカ」という言葉もある通り、梅は生長が早く、どんどん枝を伸ばしていく樹木です。
ちょっと失敗したとしても、翌年にまたチャレンジできるので、神経質になりすぎずに、剪定に取り組んでみてくださいね。
更新日: 2021年08月18日
初回公開日: 2015年09月17日