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線虫(センチュウ)とは?駆除方法や対策、大きさや種類は?

植物に被害を及ぼす虫たちの中で、線虫は農家が最も嫌がる虫とされています。ときには農作物に大きな被害を及ぼすことがありますが、実はたった1ミリほどの小さな虫なんですよ。今回はそんな線虫とはどんな虫なのか、駆除方法や対策、種類や大きさについてまとめました。

線虫(センチュウ)とは?大きさは?

線虫 センチュウ 害虫

線虫とは、線形動物の総称で、細長い糸状の見た目をしています。無色透明で骨はないのですが、器官はあるので食事や消化といった行動はできます。体長は、0.3~1mmと小さく、無色なため、目で確認することはできません。

深海や高い山など地球上の様々な場所に生息しています。細菌やカビなどを食べて生活し、中には動物や植物に寄生し、栄養を吸い取るものもいます。

線虫(センチュウ)の種類や大きさは?

線虫はとても種類が多く、その数ははっきりとはしていません。そのため、2万種いるとする説や、一億種を超えるという説まで様々です。

農業に関わる種類の線虫は、「植物寄生性センチュウ」と「自活性センチュウ」で、土の中に生息しています。特に「植物寄生性センチュウ」は植物の栄養を奪うため、農業に大きな被害を与えます。今回はその中でも、植物への被害が多い種類の生態と大きさをいくつかご紹介します。

ジャガイモシロシストセンチュウ

じゃがいもに寄生する線虫で、株を弱らせて枯れさせてしまいます。卵を大量に産んで増殖し、10年ほど土に潜伏するともいわれるほど寿命が長いことが特徴です。付着したじゃがいもを食べても無害なことから、寄生されていても数年気づかれないことが多く、被害が広がってしまいます。

マツノザイセンチュウ

マツ属の樹木に寄生する種類で、株を枯れさせてしまいます。しかし、なぜマツノザイセンチュウに寄生されると枯れるのかについて、詳しくは解明されていません。感染すると、秋以降に急速に葉っぱが枯れていき、松ヤニが減少します。

ネコブセンチュウ

植物の根に寄生するとコブができ、生育が悪くなります。多くの植物に寄生するものや、サツマイモネコブセンチュウなど、特定の植物にのみ寄生する種類もいます。

ネグサレセンチュウ

体長0.5~0.8mmで、根の内部に寄生して腐らせる種類です。涼しい地域に多いキタネグサレセンチュウと、温暖な地域に多いミナミネグサレセンチュウの被害が最も多く、約20種が全国各地に分布しています。

ダイズシストセンチュウ

大豆や小豆、生目に寄生する種類で、卵からかえった幼虫が、根に侵入して養分を吸い取り、株を枯れさせます。被害にあった株は、生育が止まって草丈が低く、黄色く変色します。

イネシンガレセンチュウ

体長0.5~0.9mmで、稲や粟、吉備などの植物のほか、いちごやエノコログサなどに寄生する線虫です。もみに潜み、発芽した後に株に侵入して栄養を吸い取ります。被害にあうと、葉っぱの色が濃くなり、先端が白く変色します。

線虫(センチュウ)の発生時期や条件は?

3~10月に発生しやすい害虫です。土の温度が10度以上で活動をはじめ、15度以上になると卵が付加するので、春から秋の間が活動期間です。

線虫(センチュウ)を駆除する方法は?

線虫は農薬や太陽熱で土を消毒し、駆除することができます。

農薬

農薬による駆除は、専用の殺線虫剤を用います。ただ、線虫は土の中を移動することから、薬剤の届かない深さに潜んでいると、駆除することはできません。

太陽熱

太陽熱で駆除するときは、プランターや鉢植えと、畑で方法が異なります。プランターや鉢植えの場合は、土を容器から新聞紙などのシートの上に取り出し、半日以上太陽光に当てて線虫を死滅させます。

畑の場合は、稲や麦わらなどと石灰窒素を使って深く耕した土を高く盛り、ビニールで覆って20~30日密封することで消毒します。

線虫(センチュウ)の予防対策は?

マリーゴールド

一度発生すると対処が大変なので、植え付け前に土壌をきちんと消毒しておくことと、線虫が住み着かない土壌を作っておくことが大切です。

連作をしない

まず、同じ植物を何度も同じ土地に植える「連作」をしないこと。線虫が土に住み着いてしまう可能性が高まるので、マトなどのナス科やきゅうりなどのウリ科のほか、アブラナ科、マメ科の植物を育てる際は特に注意してください。

虫除け植物を植える

また、抵抗性植物と呼ばれる線虫が苦手な植物を植え付けると予防になります。特に効果が高いのはマリーゴールドで、ほかにもネコブセンチュウには「ラッカセイ」、キタネコブセンチュウにはスイカ・メロン・きゅうり・とうもろこしなどが有効です。

線虫(センチュウ)の対策をしてガーデニングを楽しもう

センチュウはとても小さく、目にすることはできません。そのため、被害を受けても、線虫が原因であること気づくのが遅れることも多くあります。

ただ、連作をしないことで、その被害を防ぐことができます。自宅で高度な対策を行うのはむずかしいですが、被害を最小限に抑える努力をして、植物を守ってあげてくださいね。

更新日: 2021年11月17日

初回公開日: 2015年10月28日

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