オレンジや黄色の花がかわいいマリーゴールド。園芸初心者でも育てやすく春から秋まで長い間、花壇を彩ってくれるお花です。また、虫除け効果をもっているので、花壇に1つあれば虫嫌いの方にとっては重宝する存在になるかもしれませんよ。今回は、そんなマリーゴールドの育て方について、種まきや寄せ植え、虫除け効果の使い方などをご紹介します。
マリーゴールドってどんな花?
マリーゴールドは、キク科に分類される一年草です。細長い葉っぱと、黄色やオレンジ色などの花色をした筒状の花びらをもちます。独特の香りや根の周りにいる菌によって害虫を遠ざける効果があるので、花壇に植えると虫を遠ざける「コンパニオンプランツ」として知られています。
マリーゴールドの育て方の手順は?まずは土作りからはじめよう!
マリーゴールドを育てるなら、苗植えの1〜2週間前から土を作っておく必要があります。鉢植えなら、赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜた土に化成肥料を少し混ぜて1週間寝かせておきましょう。ただ、肥料も適量入っている市販の草花用培養土を買うと土作りをする必要はありません。
- 1〜2週間かけて土作り
- 苗を植える
- 花が咲く
- 枯れるまで花を放っておく
- 種をとる
マリーゴールドの苗を鉢で育てる方法!地植えとの違いは?
土作りが終わったら苗を購入するか、種や挿し木から育てた苗を用意します。マリーゴールドの苗を植えるなら4~6月が適期です。種と挿し木の詳しい方法は「増やし方」の章でご紹介しているので、合せてご覧ください。
- 4~6月に苗より一回り大きな鉢を用意する。
- 鉢底に軽石を入れて、土を2/3ほど入れる。
- ポットから苗を取り出して根の1/3ほどをも手でもみほぐす。
- 鉢の中心に苗を置く。
- 周りを土で固めて水やりをする。
※地植えにしたい場合、掘りあげた庭の土に腐葉土や堆肥を3割ほどと、化成肥料を混ぜて1週間ほど寝かせた土を使いましょう。
長年放っておいたり、酸性を好む植物を育てたりした土を使うときは、苦土石灰を1㎡あたりコップ1杯分(100g)混ぜて、肥料を入れる前に2週間ほど寝かせると酸性度合を調節できます。
鉢植えと同じ時期と手順で苗を植えます。ただ、その前に苗同士の距離を20~30cm空けて植え穴を掘るようにしてくださいね。苗同士が近いと蒸れやすく、病害虫が発生する原因になるので注意してください。
マリーゴールドの育て方!水やり、追加の肥料の与え方は?
水やりはどれくらい必要なの?
マリーゴールドは過湿が苦手なので、乾燥気味に育てるのがポイントです。鉢植えは、土の表面が白く乾いたら鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。地植えは、基本的に水やりは不要です。ただ、乾燥した日が続いて萎れてきた時は、朝方か夕方の涼しい時間に水やりをしてください。
追加で与える肥料の量は?
4~10月のよく成長する時期は、月に2~3回薄めた液体肥料を与えます。ただ、茎や葉を成長させる窒素成分が多く含まれる肥料は花つきが悪くなるので、花芽ができる前に与えないよう注意してください。
マリーゴールドの剪定!切り戻しや花がら摘みのタイミングは?
マリーゴールドは、風通しを良くする。発育を促す。2回目の開花をさせるなどの目的から花や茎を切り落とします。種を採るなら、咲き終えた花がカラカラに枯れるまで待ち、花の中にできた種を採取してください。
本来は一度しか花を咲かせませんが、早い段階で咲き終えた花を切り落とせば、初夏と秋の2回に花を咲かせることがあります。2回目の花を咲かせたいなら、8月頃に咲き終えた花を摘んで、茎を半分まで切り取ってしまいましょう。
種から育てて本葉が10枚程度になったら、頂点から2節下のところで切り取ってあげると、次の脇芽が育って花をたくさん咲かせてくれますよ。また、茎や葉っぱが増えてきたら、内向きの茎や葉を根本から切り取って風通しを良くしましょう。
マリーゴールドの育て方で注意する病害虫は?
他の草花に比べれば少ない方ですが、虫除け効果のあるマリーゴールドも病害虫の被害にあいます。立枯れ病と灰色カビ病、ハダニなどには注意が必要です。
立枯病
立枯れ病は、株や葉っぱが弱って黄色くなり枯れていく病気です。病原菌が土の中に潜んでいたり、胞子となって空気中で感染したりします。病気になったらすぐにその部分を取り除き、同じ用土で他の株を栽培しないようにしましょう。オーソサイド水和剤などの殺菌剤を土に散布して予防します。
灰色カビ病
灰色カビ病は、葉っぱや茎、花に灰色のカビが発生する病気です。梅雨や水のやり過ぎなど多湿が原因なので、風通しを良くして病気を防ぎましょう。発症してしまった後は、初期に殺菌剤で治すか、切り取って二次災害を防ぎます。
ハダニ
ハダニは高温乾燥時に発生する害虫です。葉にクモの巣状の巣を作ります。水やりのときに霧吹きで葉っぱの表裏に水を吹きかけると防虫することができます。発生したときは早めに殺虫剤で駆除しましょう。
マリーゴールドを種から育てるには?種まきの方法は?
マリーゴールドの種は、枯れた花の中に詰まっているものを取り出すか、市販のものを買いましょう。採取した種は茶封筒などに入れて春まで涼しい日陰で管理すると良いですよ。3〜5月が種まきの適期で、よく晴れた日の午前中に行いましょう。15〜25度で育てれば1週間ほどで発芽します。
種を育てるには、水もちの良い弱酸性の土を使います。市販の種まき用の土を購入しておくか、赤玉土5:バーミキュライト5の割合で混ぜた土を作って植えてください。
- 種を一晩水につけておく。
- 土をセルトレーに入れて湿らせておく。
- 1区画に一粒種をまいていく。
- 日陰の涼しいところに置く。
- 発芽するまで土が乾燥しないよう水やりをする。
- 発芽したら「土が乾いてから」水やりをする。
- 本葉が2〜4枚ほど出てきたらプランターや鉢、庭に植え替える。
- 苗植えと同じ手順で育てる。
マリーゴールドの増やし方!挿し木の時期や方法は?
マリーゴールドは、切り落とした枝を土に植える「挿し木」でも、新しい苗を育てられます。挿し木のポイントは、芽が出るまで土を乾燥させないことです。植えてから2週間ほどで根が生えてくるので、日当たりの良い場所へ1週間ごとに移動させてください。
挿し木で育った苗は、プランター1個に対して小輪系が5〜6本、大輪系は2〜3本を目安に植え替えます。
- 花のついてない茎を6〜7cm切り取る。
- 下半分の葉を取り除く。
- 切り口を2〜3時間水につける。
- 苗植えと同じ土を育苗ポットに入れて湿らせておく。
- 土に2cmほどの穴を指や割り箸で空ける。
- 枝を土に挿し込む。
- 土を乾かさないように日陰で水やりをして管理する。
- 根が生えてきたら、日当たりのよい場所へ徐々に移動させる。
- 本葉が2〜4枚出てきたら一回り大きな鉢や庭に植え替える。
- 苗植えと同じ手順で育てる。
マリーゴールドの虫除け効果を使った寄せ植え!相性がよい植物は?
マリーゴールドには、根の周りに住む菌と、花の香りによって一部の害虫を退治したり、遠ざけたりする効果があります。農薬ほどの強い殺傷力はありませんが、農薬の量を減らすには有効です。
具体的は、害虫のセンチュウをエサにする線虫捕食菌がマリーゴールドの根と共生していて、花の香りがコナジラミやアブラムシという害虫を遠ざける効果が確認されています。これらの害虫の被害にあいやすい以下の植物の近くに植えると、被害を抑えることができますよ。
- 野菜:トマト、豆類、ダイコン、カリフラワー、キャベツ、キュウリ、ピーマンなど
- 草花:サルビアやベゴニア、デージー、アイビーなど
マリーゴールドの育て方のポイント!植え替えはいらない?
水はけのよい土と、日当たりのよい場所に植える
マリーゴールドを上手に育てるポイントは、水はけと日当たりの良い環境で育てることです。過湿を苦手とするので水のあげすぎにさえ注意していれば、元気に育ってくれます。
大型品種は鉢植えに向かない
大輪をつけるアフリカン種は、茎が倒れやすいので鉢植えにあまり向いていません。2mを超える品種もあるので、鉢植えで育てるなら支柱を立て忘れないよう気をつけましょう。
植え替えはしない
マリーゴールドは一年草なので植え替えの必要がありません。その代わり、毎年種や苗から育てる必要があります。
マリーゴールドは育て方が簡単なコンパニオンプランツ
マリーゴールドは種類が豊富なので、色々な姿で庭や花壇、プランターを彩ってくれる植物です。丈夫で手間がかからず、ハーブとして香りを楽しむこともできますよ。ただ、花の香りが苦手な方もいるので、育てる場所には気をつかうようにしたいですね。できるだけ農薬を使わずにガーデニングを楽しみたい方は、ぜひマリーゴールドを育ててみてください。
更新日: 2021年09月27日
初回公開日: 2015年06月15日