青々と葉っぱを茂らせる観葉植物。元気に長く育てるために大切になってくるのが土です。ただ、ホームセンターを見てみると、たくさんの土が販売されており、どれを購入すればよいのか迷ってしまうもの。そこで今回は、観葉植物の土の入れ替えについて、簡単な土の作り方と注意するポイントをご紹介します。
観葉植物にあった土とは?
一般的な観葉植物が好む土って?
観葉植物の多くは、弱酸性~中性の水はけがよい土を好みます。水はけがよいとは、土の排水する力が高いこと。
土の水はけがよいと根が吸収する適度な水分だけが残り、余分な水は外に出ていきます。余計な水が出ることで酸素が入り、観葉植物が水と空気を吸収して生長できます。
観葉植物の土の作り方は?配合があるの?
土を自分で配合するのは、種類を多く揃える必要があってハードルが高いですよね。そんなときは市販の観葉植物用培養土を使ってみてください。すでに観葉植物にあった配合に調節されているうえ、肥料も入っているので、たくさんの土や肥料を買う手間が省けますよ。
もし自分で配合して作りたい場合は、それぞれの観葉植物と、育てる場所にあった作り方をする必要があります。
たとえば、屋外で育てるために保水性を高くしたいときは、赤玉土5、ピートモス4、バーミキュライト1の配合になります。また、室内で育てるために水はけの良い土を作りたいときは、赤玉土6、腐葉土3、パーライト1の配合に。
種類、日当たりや置く場所などによっても配合は異なるため、基本的には、市販の観葉植物用の培養土がおすすめです。
観葉植物の土を入れ替える理由は?
たとえ観葉植物が元気に育っていても、「鉢植えの観葉植物は、毎年から数年に1回は土の入れ替えをする必要がある」といわれています。なぜ土を入れ替えるか疑問に思ったことはありませんか?観葉植物の土を入れ替える理由は2つあります。
1. 長年使うと土が細かくなって水はけが悪くなる
観葉植物を育てている土は、もともと小石のようにゴロゴロしています。土が粒状になっていることで、間に空気が入り込んで根が呼吸をすることができ、根の生えるスペースを確保できます。
ただ、年月がたつにつれて土は沼のような粘土状の土へと変化します。これによって水はけがとても悪くなり、植物の根を生やすスペースが減ります。そして結果的に根腐れを引き起こしやすくなって、観葉植物を枯れさせてしまうのです。
2. だんだん土質が酸性に近づく
植物によって適切な酸性度合いは違います。そのため、植物を栽培するうえで、好む土の性質を知ることは大切なことです。
土質は、肥料や土壌改良材などによって酸性またはアルカリ性へと徐々に変化し、屋外なら雨が降ることで酸性度合いが強くなります。観葉植物を健康に育てるためには、定期的に土質を調節する必要があるのです。
観葉植物の土の入れ替えの時期は?
生育期の前に行う
生育期とは、植物がよく育つ時期のことです。観葉植物は熱帯地域を原産とするものが多いことから、生育期は春〜秋にあたることが多いです。
植え替えは、生育期を迎えたばかりの春に行います。ただ、まれに秋〜冬が生育の観葉植物もあるので事前に確認してから行うようにしてください。
植え替えに合わせて/鉢を交換するとき
鉢植えの観葉植物は、数年に一度植え替えをします。その植え替えに合わせて、土も入れ替えてしまいます。
また、水栽培で根を生やしてから鉢に植え替えるとき、鉢を新調するときなど、苗を取り出す機会があれば土を入れ替えてしまうのがおすすめです。
観葉植物の土を入れ替える方法は?
観葉植物の土を入れ替えるときに大切なのが鉢のサイズ。大きく育てたいなら一回り大きなものを選び、生長しやすい環境をつくってあげましょう。
ただ、お部屋のスペースの関係上、そのままの大きさで育てたいときもありますよね。そんなときは、伸びすぎている根や枝、葉っぱをハサミやナイフでカットしてから植え替えるとよいです。
- 生育期になったら、軽石や鉢底石、発泡スチロールの細切れなどを底に敷く
- 土を鉢の1/3ほど入れる
- 苗がまだ若いときは、土を崩さずそのまま容器に入れる
- 立派に生長しているときは、土や根っこを1/3ほど手で揉みほぐし、腐った根は切り取る
- 植物を容器に入れ、隙間を土で埋めてから手で押し固める
- 最後に水やりをして土の入れ替えは完了
観葉植物の土にカビが発生したときの対策は?
観葉植物を育てていると、土の表面に白い綿ボコリのようなカビが生えていた…というトラブルに見舞われることも。これは、カビの原因となる菌がなにかしらかの原因っで土の中に潜んでいることで引き起こされます。
カビは、あたたかく湿度の高い環境になると急激に増えていきます。そのため、お部屋の中で育てている観葉植物は要注意。また、観葉植物が病気にかかっている可能性もあるので、土を入れ替えたうえで殺菌剤を散布し駆除していきましょう。
カビの予防には、日当たりと風通しの良い環境を整えてあげることが何より大切です。さらに薬剤を散布すればカビを寄せ付けずにすみます。
観葉植物の土に虫が寄りつかないための対策は?
観葉植物の土に発生する害虫とは?
観葉植物を育てていると、土の上にコバエやハダニといった小さな虫がわいていることがあります。これらの害虫は、植物に直接危害を加えるだけでなく、すす病などの病気を引き寄せるので、カビ同様早めの対処が肝心です。
発生した害虫の駆除・予防方法は?
害虫に対して即効性のある駆除方法はなんといっても殺虫剤。種類を特定し、効果のある薬剤を散布すれば、すぐに害虫たちは姿を消します。
ただ、小さなお子さんやペットに配慮して薬剤を使いたくないという方もいます。そんなときは、土の表面を少し入れ替えたり、水に観葉植物を鉢ごと沈めて虫を浮き上がらせたりして駆除します。
予防策としては、普段から殺虫剤をまいておくことです。また、風通しや日当たりのよい場所に観葉植物を置きましょう。防虫ネットや虫が嫌う反射テープを垂らしておくことも有効です。
観葉植物に合った土を用意しよう
園芸のプロでも、土の質が悪いと観葉植物を健康に育てることはできません。土作りは、植物を育てる上での基礎といっても過言ではありません。まずは観葉植物の好きな土質を調べてあった土に植えてあげてください。
少し弱っている観葉植物であっても、適切な環境を作り出してあげることで、元気を取り戻してくれるかもしれませんよ。
更新日: 2021年05月28日
初回公開日: 2015年08月18日