柏の葉にそっくりなことから名前がついたカシワバアジサイは、丈夫で育てやすいアジサイです。そんなカシワバアジサイを上手に育てるには、置く位置や水やりのほかに剪定もポイント。今回は剪定から植え付け、増やし方まで、カシワバアジサイの育て方をご紹介します。
カシワバアジサイはどんな花を咲かせる?
アジサイの仲間、カシワバアジサイ(柏葉紫陽花)は白い花を咲かせます。花が咲く時期は5~7月。剪定せずに開花させていると、花色が白からピンクや緑色へ変化していきます。
開花期間としては比較的長めで、その美しさをじっくりと鑑賞可能です。栽培は難しくないので、アジサイを初めて育てる人でも育てられるでしょう。
耐暑性・耐寒性ともに高く、多少の日陰でも育ちます。鉢植えよりも地植えでの栽培が向いている植物です。
名前の由来は、葉の形が柏の形に似ているところから。カシワバアジサイは八重咲き・一重咲きどちらの種類も存在します。
基本情報
- 科名
- アジサイ科
- 属名
- アジサイ属(ハイドランジア属)
- 原産地
- 北アメリカ(東部)
- 耐暑性
- 強い
- 耐寒性
- 強い
- 草丈
- 1~2m
- 花言葉
- 「慈愛」「清純な心」「魅力ある人」
カシワバアジサイをはじめとするアジサイは毒を持っているので、あくまでも観賞用として楽しみましょう。
カシワバアジサイの育て方!土づくりのコツは?
土づくりは、保水性と排水性のバランスがよい配合にすることがコツです。使用する土は赤玉土。鹿沼土、腐葉土など。腐葉土は全体の3割程度にし、赤玉土を鹿沼土よりも多めに加えましょう。
粒の大きさは小粒がおすすめです。市販の花の土やアジサイ専用の土で育てても大丈夫です。
カシワバアジサイの育て方!日当たりや置き場所は?
カシワバアジサイは日当たりのよいところで育てるのがおすすめです。日陰すぎると、綺麗な花が付きません。気をつける点として乾燥しすぎるところは避けたほうが無難。
また、鉢植え・地植えのどちらでも栽培は可能ですが、大きく育ちやすいので、できれば地植えで管理するほうがいいでしょう。
環境的に地植えが難しい場合は、株よりもかなり大きめのプランターで育ててください。小さい鉢だと、あっという間に大きくなってしまい大変だからです。
カシワバアジサイの育て方!水やりのコツは?
水やりは乾燥させすぎないように、適度なペースで与えましょう。アジサイは乾燥を嫌う植物なので、乾燥すると途端に元気がなくなってしまいます。
しかし、地植えの場合は自然の雨だけでも基本的には大丈夫です。夏場など、土の乾きが早いときは涼しい時間帯に水やりしてください。
冬は休眠中なので、水やりは不要です。ただし鉢で育てていて、乾燥が気になる場合だけ様子を見ながら与えるといいでしょう。
カシワバアジサイの育て方!肥料の与え方は?
肥料は、基本的に1~2月と6~8月に緩効性化成肥料を与えます。もし土が痩せている場合は、3回に増やすといいでしょう。その場合の肥料を与える時期は、1~2月、6~8月と9~10月です。
カシワバアジサイの育て方!注意すべき病害虫は?
病気はうどんこ病にかかりやすいです。葉にうどん粉がついたような見た目になり、そのまま放っておくとどんどん広がります。
この白っぽい粉はカビで、風通しが悪いと発生確率が上昇します。適度に剪定したり置き場を変えたりするといいでしょう。
害虫では、ハダニに要注意です。ハダニは葉や茎に付きやすく植物の汁を吸ってしまいます。葉の色が変わったり葉が落ちたりするので、定期的な薬剤散布で予防をしてください。
カシワバアジサイの育て方!植え付けの時期は?
植え付け時期は春の3~4月か、秋の10~11月です。腐葉土や肥料を混ぜた用土に、植え替えましょう。植え付けたあとは、十分に水を与えてください。
鉢植え・地植えどちらでも植え付け時期は同じです。詳しい手順は以下のとおりです。
- 地植え・鉢植えから株を抜く
- 土を軽く落とす
- 株を植える
- 植え付け後に水をかける
カシワバアジサイの育て方!剪定の方法は?
カシワバアジサイの剪定を行うタイミングは2回あります。それぞれ剪定する理由が異なるので、目的に応じて行うといいでしょう。
形を整えるための剪定
1つめの剪定の理由は、形を整えるためです。カシワバアジサイは剪定せずに育てると、枝分かれすることなくどこまでも1本のまま育ってしまいます。
そうなると見た目が少し残念な印象になってしまいます。
そのため、まだあまり育っていないうちに地上から近い部分で剪定しましょう。こうすることにより、次の年はたくさん枝分かれして丸くボリュームのある姿を作ることが可能です。
この剪定を行うタイミングは葉が落ちてから。形が整ったら、あとは花が咲き終わってからの剪定で大丈夫です。
花が咲き終わった後の剪定
2つめは来年の花を咲かせるためです。花が咲き終わってから剪定をしないと、次の年の花芽が作れません。引き続き次の年も花を咲かせたい場合は、花が咲き終わり次第剪定しましょう。
時期では7月までを目安にしてください。剪定する位置は花の2節下です。
休眠期の剪定
休眠期の剪定は、風通しが悪い場合は行ったほうがいいですが、それ以外であれば行わなくても問題ありません。
もし剪定する場合は、すでに花芽がついているはずなので、間違って花芽まで切らないようにしましょう。花芽を取ってしまうと、そこからは次の年に花が咲かなくなってしまいます。
カシワバアジサイの増やし方は?
カシワバアジサイは挿し木で増やせます。行う時期は6~7月です。枝の長さが8cm程度になるようにします。切り方はななめに切って、挿し木用土を入れた容器で管理します。
このときのポイントとして、用土に肥料は加えないでください。肥料は育って本格的に植え付けるときに加えます。
置くところは日陰で、こまめに水を与えて乾燥を防いでください。発根には時間がかかるので、焦らずじっくり待ちましょう。100倍に薄めたメネデールをかけて発根をサポートするのもおすすめです。
カシワバアジサイの育て方で注意すべきポイントは?
カシワバアジサイは、以下のポイントを押さえるとうまく育てられます。
- 日当たりがよく風通しのよいところに置く(地植えがおすすめ)
- 乾燥させないようにこまめに水やりする(地植えなら不要)
- 肥料は1~2月と6~8月に緩効性化成肥料を与える
- 剪定して病気や害虫の付着を予防する
- 剪定は適したタイミングで行う
- 剪定で花芽を取らないようにする
- 増やす場合は挿し木で増やす
カシワバアジサイを育ててみよう
カシワバアジサイは暑さ・寒さどちらも強い植物で、管理も難しくありません。乾燥と風通しに気をつけて、適したタイミングで剪定しましょう。お庭に植えると大きく育ってとても映えるでしょう。カシワバアジサイを育てるなら、鉢植えより地植えで楽しんでみてくださいね。
更新日: 2021年07月07日
初回公開日: 2020年03月10日