葉っぱを手のひらのように広げる様子が素敵なカポック。温度や湿度、日当たりなどどんな環境にも負けない、育てやすい観葉植物です。今回はそんなカポックの育て方について、剪定や挿し木、植え替えの方法をご紹介します。
カポック(シェフレラ)とは?育て方は簡単?
カポックとは、ウコギ科・シェフレラ属に分類される観葉植物です。正式名称は、属名の「シェフレラ」です。理由は定かではありませんが、日本では「カポック」という名前でよく出回ります。
生長が早く、どんな環境でも育つため、育てるのはとても簡単。はじめての観葉植物におすすめです。品種も多く、緑の葉っぱに黄色や白の模様が入るものもあるので、お部屋の雰囲気に合ったものを選びやすいですよ。
カポック(シェフレラ)の育て方!準備するものは?
- 鉢に植えられたカポック
- ジョウロ
- 霧吹き
- 液体タイプの肥料
- 剪定バサミ
カポックは高さ15cmほどの小型のものから、150cmほどの大型まで幅広いサイズが販売されています。いずれも、鉢に植えられているので、すぐに育て始められます。
「苗を植える」など最初に大掛かりな作業がない分、育てる前に準備するグッズも少なめです。必ず揃えておく必要はないので、焦らずその都度購入してもかまいませんよ。
カポック(シェフレラ)の置き場所は?
カポックはこれといって苦手な環境がないのですが、本来は日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。大きな窓のそばや、リビングなど明るい場所に飾るのがベストです。
極端に日光が入らず、暗い場所だと、弱々しい枝が伸びて見た目が悪くなります。また、葉っぱが枯れ落ちてしまうことも。光が入り込む、風通しのよい場所なら、ある程度どこでも育つと覚えておきましょう。
カポック(シェフレラ)の日々の育て方は?
カポックは強く元気な観葉植物なので、日々の育て方に特別なものはありません。定期的に水と肥料を与えれば、無理なく栽培を楽しめますよ。ここでは、普段の水やりと肥料の与え方についてご紹介します。
水やりの仕方
4〜10月はカポックがよく生長する時期なので、鉢の土が乾いたらたっぷりと水やりをします。真夏はほぼ毎日与えるくらいたくさんの水を必要とします。
一方、11〜3月は生長が穏やかになるので、水やりを控えます。鉢の土が乾いて2〜3日たってから水を与えるくらいでかまいません。乾燥が気になるときは、葉っぱに霧吹きで水を吹きかける「葉水(はみず)」をするとよいですよ。
肥料の与え方
盛んに枝を伸ばす時期は、肥料を与えてカポックの生長をサポートします。4〜10月は、10〜15日に1回、水やりの代わりに液体タイプの肥料を与えましょう。
固形の緩行性化成肥料を使うときは、2ヶ月に1回生えぎわから少し離れた場所に置きます。水やりをすると肥料の成分がゆっくりと土へと溶け出していきますよ。
カポック(シェフレラ)の育て方で注意する病害虫は?
あたたかい時期になると、葉っぱや新しく生えた芽に「アブラムシ」や「カイガラムシ」という害虫がつく場合があります。いずれもカポックの栄養を吸い取って弱らせるので、見つけ次第駆除しましょう。
アブラムシは1匹だけでなく、大量発生することが多いので、専用の殺虫剤をつかって一気に退治します。カイガラムシは、体の表面が殻で覆われて薬剤が効きにくいため、見つけたらブラシで直接こすり落としましょう。
カポック(シェフレラ)の葉が枯れる原因は?
病気や害虫が付いているわけでもなく、環境も良いはずなのに、カポックの葉っぱが枯れることもあります。これは、「水が多い」「根が生え過ぎている」「気温が足りない」の3つの原因が考えられます。
1. 水が多い
生長が穏やかな冬に与えすぎると、「根腐れ」を引き起こします。根腐れとは、土が常に湿っていて根が呼吸できず、腐っている状態です。
早い段階であれば、しっかりと土を乾燥させると回復するかもしれません。また、乾いた土に植え替えるのも手です。症状が進行していると、根は回復しないので、処分するほかありません。
2. 根が生え過ぎている
鉢の中は根を伸ばすスペースが限られています。そのため、長く同じ鉢で育て続けていると、根の伸びる場所がなくなり、しだいに先端から腐る「根づまり」という状態におちいります。
水の吸い上げが悪い、葉が垂れ下がっている、鉢の底から根が出ている、といったときは根づまりのサイン。一回り大きな鉢に植え替えてください。
3. 気温が低い
いくら寒さに強いカポックとはいえ、氷点下の気温にさらされ続けたり、霜に当たったりすると葉っぱが傷みます。窓からほど近い場所に置いている鉢は、お部屋の内側へ移動させましょう。
カポック(シェフレラ)を剪定する時期と方法は?
カポックはまっすぐ上へと伸びるため、数年もすると枝の伸び方に差が出てきて、全体のバランスが悪くなります。枝をきりそろえる「剪定」という作業で整えてあげましょう。
あたたかさが一定に保てる室内であればいつ剪定をしてもかまいません。左右や上下のバランスを見ながら、伸びすぎた部分を切り揃えます。
コンパクトにしたいときは、生長が盛んな4〜10月頃に、土の生えぎわから10~20cm残して幹や枝を切り落とすとよいですよ。切り口のすぐ上から新しい芽が伸びて、きれいな形にまとまります。
カポック(シェフレラ)の植え替えの時期と方法は?その後の育て方は?
同じ鉢で1〜2年育てたカポックは、根づまりの予防を兼ねて新しい鉢へ植え替えをします。4〜9月の間なら植え替え可能です。ここでは、植え替えのときにあらたに揃えるグッズと、手順をご紹介します。
植え替えに必要なグッズ
- 今よりも一回り大きな鉢
- ピンセット
- 観葉植物用培養土
- 鉢底ネット
- 鉢底石か軽石
- 割りばし
- 支柱
- 麻ひも
- ゴム手袋か軍手
- 小型のシャベル・スコップ
- ビニールシートか新聞紙
植え替えの手順
- 水やりを控えて土を乾燥させる
- 作業する場所にビニールシートを敷く
- 新しい鉢の底穴に鉢底ネット、鉢底石を順に敷く
- 土を鉢の1/3ほどまで入れる
- ポットからカポックを引き抜き、根についた土を手でやさしく揉んで落とす
※硬いときはピンセットをつかって土を砕く - 黒ずんでいる腐った根を剪定バサミで切る
- 鉢の中心に植物を置き、縁から下2〜4cmのところまで土を入れる
- カポックの背丈が1m以上のときは支柱を立てて、麻ひもで結びあわせる
- 土の表面を割りばしでつつき、根の隙間まで土をなじませる
- 鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをする
カポックを同じサイズのまま栽培したいときは、地上に出ている幹や枝と、根を同じ分量に切り落としてサイズを調節します。枝と幹を1/2切ったら、根も1/2切るといった具合です。
カポック(シェフレラ)は増やせるの?挿し木の方法は?
カポックは、枝を使って行う「挿し木(さしき)」で数を増やすことができます。聞き慣れない言葉かもしれませんが、枝を切り取って土に挿しておくだけと方法は簡単ですよ。
もっとカポックを色々なところに飾りたい!というときは、新しい鉢を購入する前にぜひ試してみてください。
挿し木で新たにそろえるグッズ
- コップかボウル
- 挿し木用の土
- 3号鉢
- 割りばし
- 発根促進剤
挿し木の手順
- 枝を先端から10cm前後に切る
- 切り口がとがるようにV字に切って、吸水面を増やす
- 先端の葉っぱを2〜3枚残し、ほかを全て取り除く
- 葉っぱが大きければ半分に切る
- 水を入れたコップにカポックの切り口を数時間つける
- 植え替えと同じく、鉢に鉢底ネット、軽石を入れ、挿し木用の土を入れる
- 土に割りばしか指で穴をあけ、枝を挿す
- たっぷりと水やりをする
土が乾かないよう日陰で管理すると、4~6週間後に根が生えてきます。その後は一回り大きな鉢に植え替えましょう。
カポック(シェフレラ)の育て方を楽しもう
複数の葉っぱを放射状に広げる様子がかわいらしいカポック。涼やかで飽きのこない見た目が、どんなインテリアとも相性抜群です。鉢の色やデザインによっても雰囲気が変わるところも、日々のお手入れを楽しくしてくれるポイントになりますよ。
自分の好きな見た目にアレンジして飾れば、癒しの空間を作り出してくれそうですね。
更新日: 2023年04月05日
初回公開日: 2015年09月04日