うさぎのような形をした苗がかわいらしいウチワサボテン。うちわのように平べったい茎をいくつも連ね、大きくなると2mほどに生長します。また、繁殖力が強く、育てる手間がかからない一方で、水やりのタイミングを間違えてしまうと枯れてしまうことも。そこで今回は、ウチワサボテンの育て方や挿し木での増やし方についてご紹介します。
ウチワサボテンの育て方!種まきの時期と方法は?
5~7月が適期です。赤玉土(小粒)など肥料の含まれない土の上に種をまくと2~3ヶ月ほどで発芽します。ただ、発芽率が高くないことから、確実に育てたい方は苗の購入がおすすめです。
種まき手順
1. 果実から種を取り出し、水洗いして果肉をきれいに落とす
2. 土の上にまき、土を被せない
3. 直射日光に当てないよう50%ほど遮光し、土が乾かないよう水やりをして管理する
4. 発芽し、本葉が2~3枚になったら、浅鉢に植え替える
5. 草丈が15~20cmになったら、鉢や地面に植え替える
ウチワサボテンの育て方!苗植えの時期と方法は?
生育の適温である気温10度前後に安定してくる、3~7月上旬か9~11月上旬が適期です。鉢植えは、苗よりも1回り大きな鉢に植え付けます。地植えは、水はけと風通しのよい場所を選んで苗を植えます。
いずれの場合も、根を2~5cmに切り詰めてから植えましょう。耐寒温度が0~5度ほどなので、冷え込むときは室内に入れたり、防寒対策を施したりしてください。
ウチワサボテンの土作り、水やり、肥料の与え方は?
土作り
水はけと通気性のよい土を好みます。自分で配合するときは、川砂8:腐葉土2に1割ほどくん炭を混ぜたものや、赤玉土(小粒)6:腐葉土2:川砂2の割合で混ぜたものがおすすめです。市販のサボテン用培養土を使うと簡単にすみます。
水やり
株を枯れさせてしまう原因で最も多いのは、水の与えすぎです。鉢植えは、季節によって水やりの回数を調節していきましょう。
5~10月の生育期は、土の表面が白く乾いてから水をたっぷりと与えます。一方、10~3月は生育が衰えるので、1~2ヶ月に1回程度の水やりで十分です。地植えは、特に水やりの必要はなく、雨がたくさん降るようであれば雨除けをしてあげると安心です。
肥料の与え方
植え付けや植え替えのタイミングで、鶏糞や油かすなどの有機肥料を少量土に混ぜ込んでおくだけで十分です。
ウチワサボテンの植え替えの時期と方法は?
同じ土で長く育てていると、粒が崩れて水はけが悪くなります。そのため、鉢植えは2~3年に1回植え替えをして、株をリフレッシュしてあげましょう。時期や手順は、植え付け時と同様です。
ウチワサボテンの増やし方!挿し木の時期と方法は?
ウチワサボテンは繁殖力が強いことから挿し木で簡単に増やすことができます。4~8月頃の寒くない時期が適期です。
平べったい茎を1つ株から切り取り、7~10日ほどかけて切り口を乾燥させたら、植え付け時と同じ土に切り口を差し込んで完了です。その後は発根するまで水を与えずに管理し、根が十分に生えたら通常どおりの管理をしていきます。
また、トゲが2つ以上ついていれば、そこから新芽を生やします。うちわ型の茎を切り、土に乗せておいてみてください。すると、10~14日ほどで新しい芽が出てきますよ。生えてきた根は土に埋め、その後は親株と同じように育てます。
ウチワサボテンの育て方で注意する病気や害虫は?
カイガラムシ
ウチワサボテンは、病気や害虫の被害にあいづらい植物ですが、まれにカイガラムシがつきます。カイガラムシは植物の栄養を吸い取って弱らせる害虫で、幼虫のうちに殺虫剤をまいて退治していきます。成虫は、薬剤が効きづらいのでブラシなどを使って株からこすり落としてください。
ウチワサボテンの育て方のポイントは?
通気性と水はけのよい土に植え、水を与え過ぎないように育てることがポイントです。もともとメキシコから南アメリカにかけての乾燥した場所に自生していることから、水やりを頻繁にする必要はありません。ただ、水が足りないとミイラ化してしまうので注意してください。
ウチワサボテンの挿し木にチャレンジしてみよう
ウチワサボテンは、生命力の強い丈夫なサボテンです。切り裂いた茎であっても、トゲをいくつかつけていれば、簡単に新しい芽を出し、数を増やすことができますよ。どんどん芽が大きくなっていく生長過程を見られるのも、楽しいですよ。
水やりのタイミングにさえ気をつければ、暑さ寒さにも強く育てやすいので、ウチワサボテンの育成にぜひ、挑戦してみてくださいね。
更新日: 2023年05月31日
初回公開日: 2016年01月05日