植物を育てるとき、「多年草」「一年草」「宿根草」という言葉を耳にします。漢字を見ればなんとなく意味はわかりますが、性質の違いや育て方、管理方法までは調べてみないとわかりませんよね。そこで今回は、多年草とはどんな植物か、種類や宿根草との違いについてまとめました。
多年草とは?
多年草とは、種まきや植え付けを行った後、開花・結実(実をつける)というサイクルを2年以上繰り返す植物のことを指します。主に草に対して用いられ、「多年生植物」「多年草植物」とも呼ばれます。植え替えの手間がないことから、ガーデニングでは寄せ植えや花壇の前面などに利用されます。
多年草に対して、種まきや植え付けをしてから1年未満で枯れてしまう植物を「一年草」、2年で枯れてしまう植物を「二年草」と呼びます。また、原産国では多年草ではあっても、日本の気候では1年で枯れてしまう種類は、園芸上では一年草扱いになります。
多年草と宿根草の違いは?
多年草の中には、常に葉っぱを茂らせているものと、生育期が終わると地上に出ている(根より上の)部分が枯れてしまうタイプがあります。園芸では、地上部が枯れてしまうものを「宿根草」、常に葉っぱを茂らせているものを「常緑多年草」と呼びます。
宿根草と分けている場合もあることから、植える前にどんな性質なのかを調べたり、聞いたりしておくと安心です。
多年草の花の種類は?
ハーブ
ミントやセージ、レモングラスなど、ハーブには多年草のものがたくさんあります。いずれのものも繁殖力が強いことから育てやすく、園芸初心者でも安心して楽しめます。また、1年中苗を購入できることもポイントです。ただ、生育が旺盛すぎて他の植物を枯らしてしまう恐れがあるので、地植えにするときは区画を区切るようにすると安心です。相性のよい種類同士で寄せ植えにするのがおすすめですよ。
■ 多年草のハーブ
ミント、セージ、レモングラス、チャイブ、フェンネル、ソレル、ラムズイヤーなど。
球根植物
チューリップやアネモネといった球根植物は、毎年花を楽しめる多年草です。休眠期に球根を掘り上げることで、栄養が消耗や寒さで弱ることを防ぐことが、長く育てるポイントになります。また、植え付ける時期や開花時期も種類によって違うので、育て方を調べたうえで育生にチャレンジしてみてくださいね。
■ 多年草の球根植物
チューリップ、ヒヤシンス、アネモネ、ユリ、ムスカリ、アガパンサス、グラジオラス、ラナンキュラス、ダリア、シクラメンなど
草花
多年草の草花は、一年草のものに比べて地味なものが多くあります。ただ、毎年花を咲かせるというメリットから、花壇の縁取りやボーダーといった役割を果たしてくれます。また、常緑性の多年草は、地面を覆うグランドカバーにぴったりです。
■ 多年草の草花
ギボウシ(ホスタ)、アジュガ、アスチルベ、アメリカンブルー、オミナエシ、ガーベラ、ガイラルディア、菊、桔梗など
多年草と一年草を組み合わせてガーデニングを楽しもう
「一年草は枯れてしまうから嫌だ」「多年草は長持ちさせる手入れが大変」など、多年草や一年草には、それぞれのメリット・デメリットがあります。それぞれの性質を理解し、手入れのしやすい植物同士を組み合わせることが、ガーデニングを楽しむコツです。
多年草は、縁取りやボーダーなど、花壇を区切る名脇役となってくれる種類がたくさんあるので、ぜひ、花壇の仲間に取り入れてみてくださいね。
更新日: 2021年12月01日
初回公開日: 2015年12月03日