植物の種や苗を探しにホームセンターや園芸店にいくと、「一年草、二年草、多年草」とタグに書かれているのを見かけますよね。なんとなく、それぞれの性質について想像はできますが、特徴や管理方法なのかまではよくわからない方も多いのではないでしょうか。今回は、一年草や二年草とはどんな植物なのか、一年草の春まき、秋まきの花の種類についてご紹介します。
一年草(一年生植物)や二年草(越年草)とは?多年草との違いは?
花壇や園芸などで親しまれる草花は、大きく分けて一年草、二年草、多年草の3つに分けられます。
一年草
一年のうちに発芽から開花・結実までのサイクルが完結する草花のことを一年草といいます。別名、一年生植物、一年生草本と呼ばれます。
生育スピードが早く、花が咲いた後の手入れや休眠期がないため、管理しやすく、ガーデニング初心者でも育てやすいのが特徴です。
二年草
種まきから最初の一年は、茎葉や根を作って冬に休眠し、二年目の春~夏にかけて花を咲かせて枯れる草花を指します。別名、二年生植物、二年生草本と呼ばれます。
一年草や多年草に比べて種類が少なく、環境によっては二年生であっても一年で枯れてしまうものもあれば、一年草であっても二年ほど生育してしまうこともあることから、厳密に区別することがむずかしい分類です。
期間は一年でも、秋にまいて翌春に花を咲かせる植物を二年草と呼ぶこともあります。例えば、パセリやジギタリスなどが二年草にあたります。
多年草
数年にわたって枯れず、同じ株から毎年花を咲かせる草花のことを多年草もしくは、多年生植物といいます。チューリップやクリスマスローズ、スイセン、ムスカリなど様々な種類があります。
ただ、中には日本の気候では育ちづらく、一年で枯れる多年草もあります。こういった草花は、「園芸上は一年草」と呼ぶことがあります。
一年草の春まき、秋まきの花は?どんな種類がある?
一年草には、春に種をまく「春蒔き一年草」と、秋に種をまく「秋蒔き一年草」の2種類があります。以下に、それぞれの特徴と、花の種類をご紹介します。
春蒔き一年草
もともと、熱帯から亜熱帯の暖かい地域に自生しているものが多く、気温20度以上が発芽温度の花が多いです。また、寒さに弱く「非耐寒性一年草」とも呼ばれます。
初夏から秋にかけて花を咲かせ、冬になると種をつけて枯れてしまいます。暖かくないと発芽しないので、気温が十分に上がってから種まきをするのが元気に育てるコツです。
花の名前 | 種まきの時期 | 開花期 |
朝顔 | 5~6月 | 6~10月 |
アスター(エゾギク) | 3~5月 | 6~8月 |
ニチニチソウ | 4~6月 | 6~10月 |
千日紅(センニチコウ) | 5月 | 5~11月 |
コスモス | 3~7月 | 6~11月 |
マリーゴールド | 3~5月 | 4~12月 |
ひまわり | 4~6月 | 6~10月 |
鳳仙花(ホウセンカ) | 4~5月 | 6~9月 |
秋蒔き一年草
冬は温暖で、夏の乾燥が激しい地中海性気候の地域が原産の草花が多く、高温と湿気に弱いことが特徴です。春まき一年草との対比で、「耐寒性一年草」とも呼ばれます。
春になると花を咲かせ、夏になると枯れてしまいます。気温が高いと種は発芽しませんが、気温が低くてもよく育たないので、気候が穏やかな時期から育てはじめましょう。
花の名前 | 種まきの時期 | 開花期 |
ノースポール(クリサンセマム) | 9~10月 | 3~6月 |
デイジー | 8~11月 | 2~5月 |
パンジー | 8~9月 | 10~5月 |
ストック | 8~10月 | 11~5月 |
スイートピー | 9~10月 | 4~6月 |
トルコキキョウ | 9~10月 | 5~9月 |
スイートアリッサム | 9月 | 3~6月 |
勿忘草(ワスレナグサ) | 9~10月 | 3~6月 |
一年草と多年草の植え方でガーデニングの楽しみ方が広がる
「一年草や二年草はすぐに枯れてしまってもったいない」…と思ってしまうことってありますよね。でも、その分種をたくさんつけやすく、毎年、栽培を楽しむことができます。
また、毎年違う花を育てて、寄せ植えを楽しむことができるのも一年草の魅力です。一年草や二年草、多年草それぞれの特徴を活かし、いろんな方法でガーデニングを楽しんでくださいね。
更新日: 2021年12月08日
初回公開日: 2015年10月19日