庭や室内の鉢に、いろいろな種類の花を集めて植えると、明るく華やかな雰囲気になりますよね。また、可憐なイメージや洗練されたイメージなど、寄せ植えに選ぶ花の組み合わせによってイメージが変わるので、ガーデニングがより楽しくなります。
今回は、そんな寄せ植えの作り方やコツ、おすすめの植物をご紹介します。
寄せ植えとは?初心者でもできる?
寄せ植えとは、1つの場所に複数の植物を植えることをいいます。育つ環境が似ている草花を組み合わせて鉢やプランター、庭などに植え、色や形、高低の違いを楽しみます。
観賞や展示に向いている反面、長期栽培には向きません。中心となる植物を1年草などで囲い、自分の好みに合わせて1つの季節を楽しむのがおすすめです。
プランターや鉢に寄せ植え!必要な道具は?
- 大きな鉢、プランター:10号以上
- 土:花と野菜の培養土、赤玉土7:腐葉土3など
- 肥料:粒状の緩効性肥料など
- 鉢底石、鉢底ネット
- シャベル、スコップ
- 割りばし
- ハサミ
寄せ植えをおしゃれに仕上げるコツとは?
1. 同じ環境で育つものを揃える
植物が好む土には、湿地や乾燥、酸性やアルカリ性といった違いがあります。また、植物の耐陰性・耐寒性・耐暑性といった耐えられる環境も様々です。
違う環境を好む植物を寄せ植えにしても、すぐに枯れてしまいます。性質が似ているかどうかの目安として、同じ属や科、開花前の生育期間が被っていることなどがポイントです。
2. 同系色・反対色で色数は3つ以内にする
色の組み合わせで、寄せ植えの印象は大きく変わります。特に、同系色や反対色でまとめ、色数を3つ以内に抑えると視覚的に調和がとれるといわれています。
赤、ピンク、オレンジなどの暖色系、青、紫などの寒色系でまとめると落ち着いた寄せ植えに。紫と黄、青とオレンジ、赤と緑などの反対色は、互いを際立たせて鮮やかな印象に仕上がりますよ。同系色のグラデーションやパステルカラーを集めるのもおすすめです。
3. 白をうまく活用する
白色は万能色といわれ、色合いをまとめ、上品な印象を与えます。色の選択に迷ったときは、白色を取り入れてみてはいかがでしょうか。
4. 植物の数は奇数がおすすめ
少し大きめの鉢やプランターであれば、2種や4種で植えるより、3種や5種といった奇数で植えた方がまとまって見えます。中心にメインの植物を置き、両サイドに補助役の植物を植えるイメージです。
5. 形や質感が似た花や葉の植物を選ぶ
花姿や葉っぱの形や分厚さ、大きさなどが似ているものを選ぶことで、全体的に調和がとれた雰囲気になりますよ。
6. 高低差と生長の向きに違いをつける
背の高いものを後ろに配置し、背の低いものを前にすることで立体的な寄せ植えになります。また、左右対称や上・横・下向きに伸びる植物をバランスよく植え付けることでより、まとまりがでます。
7. カラーリーフプランツを取り入れる
カラーリーフプランツとは、色のついた葉を楽しむ植物のことです。寄せ植えでは、主役の花をサポートして隙間を埋め、垂れ下がるタイプはふちを隠すなどに利用されます。よりデザイン性の高い寄せ植えを作れるのでおすすめです。
寄せ植えのコツ!寄せ鉢ってなに?
同じ土に直接植物を植え付ける通常の寄せ植えとは別に、鉢のまま植物をまとめる「寄せ鉢」があります。植え替えを嫌う植物など、寄せ鉢の方が向いているものもあるので、寄せ植えをする前に植物の性質を調べておくと安心です。
1. 鉢やプランターの底に、鉢底ネットを敷く
2. 鉢底石を底から2cmほど入れる
3. 1/3程度の高さまで土を入れる
4. 緩効性肥料を土に混ぜ入れる
5. 根を傷めないようポットごと仮置きをしてレイアウト、高さを調節する
6. ポットから苗を出し、根についた土を軽くほぐす
7. 高さのあるものから順に、中心、後側に植え付ける
8. 土を植物の間に足しながら、高さを調節する
9. 隙間ができないように土を足し、鉢の縁から2cm下まで土を入れる
10. 鉢底から流れるくらい、たっぷりと水を与える
寄せ植えにおすすめな人気の植物10選!
初めての寄せ植えは、植物の生長する向きや色、形を想像できないことが多く、どんな完成形にすればよいか困りますよね。そこで、寄せ植えのメインやサブに向いている植物をいくつかご紹介しますので参考にしてみてください。
■ 上向き
1. チューリップ
チューリップは、春を代表する花の1つです。5,000以上の品種があり、開花時期や、色、草丈のバリエーションが豊富なことから、他の花と相性のよいものを選びやすいですよ。
独特の花姿を活かすなら、パンジーやムスカリなど草丈の低い植物と合わせてみてください。
2. 水仙(スイセン)
水仙は、ラッパ状の花姿が特徴の球根植物です。独特の花姿をしているので、寄せ植えのアクセントにぴったり。
鉢の中心に水仙を植えて、周りを斑入りのアイビーで囲むと落ち着いた印象の寄せ植えに仕上がります。
3. ガーデンシクラメン
ガーデンシクラメンは、シクラメンを小型にした寄せ植え向きの品種です。耐寒性が高く、真冬にきれいな花を咲かせてくれます。シルバーリーフと合わせると冬らしい寄せ植えになりますよ。
■ 横向き
4. パンジー/ビオラ
パンジーやビオラは、品種がとても多く、色のバリエーションが豊富なことから、イメージどおりの寄せ植えを作るには欠かせない花となっています。
違う品種のパンジーを、色を合わせていくつかウッドプランターに寄せ植えすると、かわいらしい雰囲気になります。
5. スイート・アリッサム
小さな花が密に咲くスイート・アリッサムは、じゅうたんのように横へ広がって生長します。
寄せ植えに加えると、立体感を出してくれますよ。メインの花を青系にすると、白い花色を活かすことができます。
6. ムスカリ
青や青紫の花色が鮮やかなムスカリは、メインの花を引き立てる寄せ植えの名わき役です。
アネモネや水仙、チューリップなど上向きに生長する花との相性は抜群ですよ。寄せ植えのメインにするなら、周りをビオラやスイート・アリッサムで囲んでみてください。
■ 下向き
7. フィカス・プミラ
フィカス・プミラは、小さな丸い葉に白や黄色の斑が入っている観葉植物です。寄せ植えのアクセントに向いていて、草丈の低い花やコンパクトな株を引き立たせるには最適です。
8. アイビーゼラニウム
アイビーゼラニウムは、アイビーに似た葉下向きに伸ばす植物です。ウォールバスケットやハンギングバスケットの寄せ植えにおすすめです。
9. シュガーバイン
シュガーバインは、手を広げたような形をした5枚の葉っぱが特徴のつる性植物です。前面に配置することで、濃い緑色の葉っぱが落ち着いた雰囲気を演出してくれますよ。
また、観葉植物同士の寄せ植えにも使えます。
10. アイビー(ヘデラ)
アイビーは、別名ヘデラと呼ばれているつる性の観葉植物です。
斑入りの星型の葉っぱが特徴で、寄せ植えに加えると、やわらかい雰囲気になります。葉牡丹やガーデンシクラメンなどと一緒に植えると、冬の寂しくなった庭を明るくしてくれますよ。
寄せ植えを作ってみよう
バランスのよい寄せ植えは、上に向かって伸びる高さのあるもの、左右に広がるもの、下に垂れるものの3つを組み合わせることが基本です。
植物の役割を分担させることで、まとまりを出すことができますよ。それぞれの花の特徴をよくつかんでいきながら、すてきな寄せ植えを作ってみてくださいね。
更新日: 2021年09月15日
初回公開日: 2015年11月26日