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アイビー(ヘデラ)の育て方|植え替えや剪定、枯れる原因は?

アイビーは、学名「ヘデラ(Hedera)」、和名「セイヨウキヅタ」と呼ばれる観葉植物です。暑さや寒さに強く、枯れにくい面や、長い茎(ツル)を伸ばす見た目から棚の上や本棚などに置けば「垂らすインテリア」になることから人気を集めています。

今回は、観葉植物として親しまれるアイビーの育て方について、水やりや植え替えの方法などをご紹介します。

アイビー(ヘデラ)とは?どんな観葉植物?

アイビー ヘデラ

アイビーは地をはうようにツルを伸ばす植物です。英名の「ヘデラ」とよばれることもあります。枯れにくく1年中可愛らしい葉っぱをつけることから、観葉植物として高い人気を誇ります。

水やりや霧吹きなどメンテナンスが手軽で、日当たりの悪い場所でも蛍光灯の光があれば生長する育てやすさが特徴です。

また、バスケットなどに植えて天井から吊り下げるなど、ツルを生かした飾り方ができるのでグリーンのインテリアアイテムとしてもよく利用されます。

アイビー(ヘデラ)を鉢植えで育てよう!必要なグッズは?

アイビー ヘデラ
  • 鉢に植えられたアイビー
  • ジョウロ
  • 液体タイプの肥料
  • ツルを切るハサミ(剪定バサミ)

アイビーの栽培が初めてなら、最初から鉢に植えられた状態(鉢植え)のアイビーを購入するのがおすすめです。

ビニールに入った苗を用意してしまうと、購入後に別途用意した鉢へ植え替えなければいけないので、一手間かかってしまいます。鉢植えのアイビーなら時期に関係なく購入してすぐに育てられますよ。

アイビー(ヘデラ)の置き場所や飾り方は?

ヘデラフェザー アイビー

アイビーを鉢植えで育てるグッズを用意できたら、早速アイビーを飾ってみましょう。アイビーは日光や風通しのよい環境でよく生長します。11〜3月はガラス越しに日光の当たる場所へ、4〜10月は午前中に日光がよく当たる窓辺などに置いておくのが理想です。

日光が当たらない場所しかスペースがないときは、週に何度か午前中だけ移動させて日光浴をさせてあげましょう。注意点としてエアコンの風が直接当たるところや西日が当たり続けるところは避けてくださいね。

アイビー(ヘデラ)の育て方!水やりの仕方や肥料の与え方は?

アイビー ヘデラ

アイビーはよく水を吸う植物です。定期的に水やりをすると元気に生長してくれますよ。ただ、簡単には枯れないものの、水が不足した状態が長く続くと、葉っぱがしおれて枯れはじめるので注意してください。

水やりの仕方

4〜10月は鉢の土の表面が乾いたら、鉢の底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えてくだい。11〜3月は鉢の土が乾いたかな?と思ってからさらに数日あけて水やりをしましょう。

また、真冬は日が昇ってきた午前中に水やりをしましょう。気温の低い朝方や夕方では水の温度が低く、根を傷つけて枯らせてしまう可能性があります。

肥料の与え方

アイビーは基本的に肥料を与えなくても枯れにくい植物です。鉢植えの土が養分を含んでいるか、培養土を使っている場合は肥料を与えなくても構いません。

もっといっぱい葉っぱを出させたい、どんどんツルを生長させて大きくしたいと思うなら、5〜9月の間に肥料を与えてあげると生長が促されますよ。

10日に1回を目安に、薄めた液体タイプの肥料を水やりの代わりに行いましょう。

アイビー(ヘデラ)が伸びすぎたら剪定しよう!タイミングや方法は?

アイビー ヘデラ

栽培環境がよいとアイビーはどんどんツルを伸ばします。放っておくと思っていた以上にツルが伸びてしまい、見た目が悪くなることも。そんなときはツルを切ってあげましょう。

ツルを切る行為を「剪定(せんてい)」と呼びます。ツルの生えぎわでなければ、どこを切っても問題のない植物なので、4〜10月の間に好きな形に剪定してみてください。

ただし、茶色くなって固く変化したツルだけを残してはいけません。この変化を「木質化(もくしつか)」といい、木質化が進んだ部分からは新しいツルや葉っぱがほとんど生えてこないので、注意してくださいね。

アイビー(ヘデラ)の育て方で注意したい病害虫は?

基本的に病気や害虫の被害にあいにくいアイビーではありますが、栽培環境によっては「立枯病(たちかれびょう)」や「灰色カビ病」「炭疽病(たんそびょう)」などの病気にかかって枯れることがあります。

次にそれぞれの病気の特徴と対処法をご紹介するので「もしかして?」と思ったら早めの対処を心がけて枯れるのを防ぎましょう。

立枯病

立枯病は、地面と接している部分の根が腐ることで水分が吸水ができず、少しずつツルの元気がなくなりやがて全体が枯れてしまう病気です。カビの菌が繁殖して発症する病気で、感染した部分を見つけたら抜き取って処分してください。その後、新しい土を用意して、後ほど紹介する植え替えと同じ手順で土を入れ替えましょう。

灰色カビ病

灰色カビ病は、葉っぱや茎が灰色のカビに覆われたようになる病気です。放っておくと見た目が悪くなるだけではなく全体が枯れてしまいます。

葉っぱに水泡のようなにじみができて黒や茶色に変色してきたら注意してください。症状の出ている葉っぱやツルを切って処分し殺菌剤を散布しましょう。風通しをよくすることで予防できますよ。

炭疽病

炭疽病は葉っぱやツルに灰色や褐色、黒の斑点ができる病気です。進行すると斑(まだら)模様が拡大し、発病した部分は枯れてしまいます。斑点を見つけたら葉っぱやツルを早めに切り捨てて殺菌剤を散布してください。

以上、3つの病気(立枯病、灰色カビ病、炭疽病)の菌は風通しが悪い環境で増殖しやすいので、風通しのよい置き場所に変更すると予防につながりますよ。

ハダニ

室内の風通しの悪いところで発生します。お部屋の乾燥が続いたり、葉水を与えていなかったりすると発生しやすくなります。ハダニは水が苦手ですので発生初期に気づいたらマメに葉水を与えて洗い落としましょう。葉の表裏に勢いよく霧吹きか流水で洗い流すと効果的です。

カイガラムシ類

ハダニと同じく風通しの悪い環境下で発生します。白い綿状のコナカイガラムシ、うろこ状のロウカイガラムシなどどちらとも発生することがあります。葉の表面が透明のべたべたする粘液で汚れっていたらカイガラムシが付いています。

コナカイガラムシは流水で洗い流します。硬いタイプのカイガラムシはブラシでこそぎ落とすか薬剤散布で殺虫しないと駆除できません。予防は風通しの良い場所に置くことと、マメに葉の表裏を洗浄すると効果的です。

アイビー(ヘデラ)の枯れる原因や対処法は?

観葉植物 アイビー(ヘデラ)  家

アイビーは病気以外にも育て方を間違えると葉っぱが枯れることがあります。アイビーが枯れる原因の多くは、水や日光が不足した場合か水を与えすぎた場合です。以下で詳しくご紹介します。

水や日光が不足していた場合

水が不足するとアイビーが細く弱いツルやツルの先端から枯れはじめます。水不足を解消するには水やりをして、枯れた部分を切り取ることです。また日光が不足していても同じように枯れていきます。1週間単位で少しずつ日当たりのよい場所に移動させてください。

水を与えすぎた場合

水を与えすぎたアイビーは根が腐って根元付近から枯れていきます。この状態を「根腐れ」といい、対処方としてはできるだけ早く植え替えをするしかありません。水やりを控えて土を乾燥させたあと植え替えを行い、腐った部分の根を切り捨てることが大切です。

猛暑にさらされた場合

暑さ寒さにとても強いアイビーですが、和名の『セイヨウキヅタ』という名の通り、西洋原産の植物です。ヨーロッパ地方などが原産なので、日本の湿度を伴う猛烈な暑さは苦手です。これはアイビーに限らず、シェフレラなどウコギ科植物全般に言えることですが、ウコギ科の植物は暑さが苦手な種が多いです。

もちろんシェフレラ属も日本の猛烈な暑さは嫌います。日中の気温が30℃を超えるような時はなるべく日陰か室内の冷房の効いたお部屋に避難してあげると弱ることもありません。

戸外の場合はコンクリートなどの上に置くと暑さで焼けて枯れてしまうこともありますので、打ち水をするなど対策をしてあげてください。高温による蒸れで水を吸い上げられなくなったり、葉が焼けてしまったりしますので夏は室内管理の方がおすすめです。

アイビー(ヘデラ)に植え替えは必要?

アイビー へデラ

鉢植えでアイビーを育てて1~2年がたったら植え替えのタイミングです。4〜10月の間に鉢の底をのぞいて根が出ていたら、植え替えのサインです。

水やりをしても土に浸透するまで時間がかかるようになっても植え替え時です。日々、水やりのときに水のしみこみ具合を観察しておくと、植え替えのタイミングがつかめるようになりますよ。

植え替えに必要なグッズ

  • 鉢植えのアイビー
  • 一回り大きな鉢
  • 観葉植物用の培養土
  • 鉢底ネット
  • 鉢底石
  • 割りばし
  • ブルーシートや新聞紙

植え替えの手順

  1. 水やりを控えてアイビーの鉢の土を乾燥させておく
  2. 床やテーブルにブルーシートか新聞紙を敷く
  3. 新しい鉢の底穴に鉢底ネットを敷いて鉢底石をおく
  4. 新しい鉢の1/3ほどまで土を入れる
  5. アイビーを鉢から抜き出す
  6. 根についた土を手でもみ崩す
  7. 新しい鉢の中心にアイビーをおいて鉢の縁から4cm下まで土を入れる
  8. 根の隙間まで土が入るよう割りばしなどで土をつつく
  9. 水やりをして1週間ほど涼しい日陰で管理する

アイビー(ヘデラ)は増やせるの?挿し木のタイミングや手順は?

アイビー ヘデラ

アイビーのツルを切ると新しいツルが他のツルから生えてきます。また、切りとったツルを育てると根が出てやがては大きなアイビーへと生長します。このように剪定などで切ったツルから根を生やして繁殖させる方法を園芸では「挿し木」といいます。

アイビーは挿し木で簡単かつ手軽に数を増やせるので、剪定したツルが余っているならチャンスですよ。ツルから根が出るにはある程度の気温が必要なので4〜10月の間を狙って挿し木に挑戦してみてください。

アイビー(ヘデラ)の育て方に慣れたら寄せ植えにして楽しもう!

観葉植物 アイビー(ヘデラ)  寄せ植え

寄せ植えとは気温や土などの栽培環境が似た複数の植物を1つの鉢やプランターなどに植えることです。寄せ植えはまるで花壇のように、複数の植物を1つの鉢で管理できるため栽培の手間が少ない特徴があります。

アイビーはツル性で横に広がって伸びていくので、背丈の高い植物と相性がよく寄せ植えの素材として人気があります。サボテン、サンスベリア、多肉植物など、アイビーと同じような乾燥や日陰に耐えられる植物と相性がよいですよ。新しい栽培に挑戦してみたい人はぜひ寄せ植えにチャレンジしてみてくださいね。

アイビー(ヘデラ)の育て方を覚えて部屋に飾ろう

アイビー ヘデラ

育てやすさと他の植物との寄せ植えがしやすいことで人気のある観葉植物、アイビー。鉢から下に垂れ下がる緑の葉をさまざまな花や植物に組み合わせ、オリジナルの飾り方を探してみるのも楽しそうですね。

葉っぱの色や模様入りの品種など、種類のバリエーションが豊富なのでお部屋の雰囲気に合ったアイビーを飾って毎日を彩ってみてはいかがでしょうか。

更新日: 2022年07月20日

初回公開日: 2015年08月11日

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