おひたしや和え物、天ぷらなど、いろいろな料理に使われるつるむらさき。薬草として使われる一方、アクが強く独特のにおいがするので苦手だという方も多いようです。実は、栄養価が高く、美容や健康にもよい野菜なんですよ。今回は、そんなつるむらさきについて、栄養や効能、開花時期、種類、花言葉などをご紹介します。
つるむらさき(ツルムラサキ)の花言葉は?意味や由来は?
『頼りにします』『頼りにしすぎ』
栄養価が高く、薬草として利用価値が高いことや1度根をはるとこぼれ種で新しい芽を出すほど生命力が強いことが、「頼りにします」という花言葉の由来になりました。
つるむらさき(ツルムラサキ)の学名・原産地・英語は?
- 学名
- Basella rubra
- 科・属名
- ツルムラサキ科・ツルムラサキ属
- 英名
- malabar nightshade
- 原産地
- 熱帯アジア
- 開花期
- 7~10月
- 花の色
- 白、ピンク、藤色
- 別名
- セイロンホウレンソウ
インデアンホウレンソウ
つるむらさき(ツルムラサキ)とは?どんな花を咲かせる植物?
つるむらさきは、ツルムラサキ科・ツルムラサキ属のつる性植物の総称です。名前の通り、茎やつるが紫色をしているのが特徴です。
江戸時代の書物によれば、元は観葉植物、あるいは、紫色の染料として使われた植物でした。ただ、近年の健康食ブームに乗って、野菜として広く栽培されるようになり、私たちの食卓にのぼるようになりました。
つるむらさきの花は、金平糖に似た甘さがあり、花弁はなく、5枚の萼片(がくへん)が薄いピンク色や薄い藤色をしています。濃い紫色の果実1つにつき、種が1粒入っています。
夏から秋にかけて、丸みのある白やピンクの花を咲かせ、葉やつる、花の全てが食用にできます。中国では、臙脂菜(イエンジーツァイ)と呼ばれ、日本では主に沖縄県で島野菜の1つとして栽培されてきました。
名前の由来
つる性で、紫色の果実が染料に使われたところから、「つるむらさき」と名付けられました。学名の 「Basella」 はインドのマラバー地方での現地名からきています。 「rubra」 は「赤色の」という意味です。
また、ホウレンソウと似た味がすることから、セイロンホウレンソウやインデアンホウレンソウという別名で呼ばれることもあります。
つるむらさき(ツルムラサキ)の栄養は?効果・効能は?
ビタミンCやカロチン、鉄分やカルシウムなどの栄養素が豊富な野菜です。ホウレンソウと比較すると、カルシウムは約3~4倍、ビタミンCは約1.2倍多く含まれています。
風邪予防、美肌、貧血防止効果
ビタミンCは風邪の予防や美容に効果があります。また、カロチンは抗酸化作用があるので、がんの予防に効果があると期待されている栄養素です。カルシウムは、骨や歯を丈夫にし、鉄分は貧血の予防に欠かせません。
免疫強化
つるむらさきの独特の粘りは、胃壁の保護や強化、免疫強化などの効果が期待できます。また、整腸効果や少量で満腹感を得る効果があるので、ダイエットの強い味方です。美容や健康によく、ダイエット中の方にもおすすめの野菜なので、積極的に食べるようにしたいですね。
つるむらさき(ツルムラサキ)の種類や品種は?
つるむらさきは大きく分けて、つるが紫色と緑色の2種類があります。つるが緑色の種類は、緑茎種(青茎種)と呼ばれ、紫色は紫茎種(赤茎種)と呼ばれます。
緑茎種の方が味がよいため、市販されているのは、主に緑茎種です。紫茎種は、紫のつるをいかして料理のポイントとして使われたり、観賞用としてよく栽培されたりしています。
つるむらさき(ツルムラサキ)はどんな臭い?実の利用法は?
つるむらさきには、独特の青臭さや土臭さがあります。茹でて食べるおひたしや和え物にすると、特に青臭さが強く感じられますよ。においを消すには、炒め物や天ぷらにして食べるのがおすすめです。
オイスターソースや、カレー粉で味付けをすれば、臭みが苦手な子供でも食べやすくなりますよ。また、炒めるときにごま油を使ったり、にんにくのみじん切りと一緒に炒めたりすると、酒の肴にもぴったりです。
実の利用法
濃い紫色のぷっくりとした果実は、食用紅としても使えます。お菓子やゼリーの色付けに使ってみると、きれいなピンク色に染まりますよ。
つるむらさき(ツルムラサキ)は栄養価の高い野菜
日本では、比較的最近食べられるようになったつるむらさきですが、もともとは、約2,000年も昔から中国南部から東南アジアにかけて広く栽培されてきました。
世界三大伝統医学の1つ、アーユルベーダにも出てくるほど歴史は古く、栄養価の高さやその効能は広く認められてきた証拠といえますね。こぼれ種でも芽を出すほど生命力が高いため、家庭菜園の野菜としておすすめですよ。
更新日: 2018年10月17日
初回公開日: 2015年12月22日