アナベルはアジサイと同じく手間はあまりかかりませんが、育て方には少し違いがあります。そこで今回は、挿し木や剪定、鉢植えや植え替えの時期と方法など、アナベルの育て方をご紹介します。
アナベルはアジサイの一種?
アナベルはアジサイの種類の一つで白い花を咲かせます。こんもりとした花姿が美しく、花壇にやさしい印象を加えてくれますよ。
アナベルの苗植え!鉢植えや地植えの時期と方法は?
アナベルは、葉っぱが出る前の3~4月か生長が止まる10~11月が苗植えの適期です。鉢植えと地植えのどちらでも育てられるので、スペースに合った育て方を選びます。
鉢植え
- 苗よりも一回りから二回り大きな鉢かプランターを用意する
- 鉢底に鉢底石を敷き、1/2ほど土を入れる
- 苗を中心に植える
- 水やりをする
- 日当たりのよい場所で管理する
地植え
- 西日が当たらず、午前の日当たりがよい場所を選んで土作りをする
- 苗よりも二回以上大きな植え穴を掘る
- 苗を植える
- たっぷりと水やりをする
- 西日が当たるときは、株元に腐葉土などを被せてマルチングする
アナベルの土作り、水やり、肥料の与え方は?
土作り
アジサイのように土の酸性度合いを調節する必要はなく、水はけのよい土であれば元気に育ちます。鉢植えは、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の土か、市販の草花用培養土を利用しましょう。
地植えは植え穴を掘った土に2~3割ほど腐葉土を混ぜ、水はけをよくしておきます。土を耕して2週間ほど寝かせると、土が肥えて生育もよくなりますよ。
水やり
地植えは特に水やりの必要はありません。日照りが続き、葉に元気がないときだけ水やりをします。鉢植えは土が乾いたらたっぷりと水を与えます。
肥料の与え方
苗を植え付けるときに、牛糞堆肥か、ゆっくりと効く緩効性肥料を土に混ぜておきます。そして、1~2月と、花が咲き終わった7~8月に1回ずつ油かすか植え付け時と同じ緩効性肥料を与えましょう。
アナベルの剪定の時期と方法は?
放っておいてもアナベルは樹形がきれいにまとまります。ただ、スペースが足りない、不要な枝が多い、樹高を調節したいといったときは、剪定をしていきます。適期は2~3月です。新しくできた枝に花を咲かせることから、アジサイと同じように7月に剪定をしてしまうと、花が咲かなくなってしまうので注意してください。
剪定方法はアジサイ同様に株のバランスを見ながら、花が咲いた枝を切り取っていきます。全ての枝を同じくらいの長さに切りそろえていくのがポイントです。
アナベルの植え替えの時期と方法は?
鉢植えでアナベルを育てているなら1~2年に1回は植え替えをします。生育が旺盛で丈夫なため、神経質にならなくても大丈夫ですよ。
- 11~6月頃に一回り大きな鉢を用意する
- 鉢から株を取り出して、軽く根をもみほぐす
- 植え付けと同じ手順で植え替える
アナベルの増やし方!挿し木の時期と方法は?
- 6~7月頃、その年生えた新しい枝を10~15cmほどの長さに切る
- 切り口をナイフやカッターで斜めに切る
- 全体の長さが7~8cmほどになるように調節する
- 育苗ポットに赤玉土(小粒)に入れ、枝が2~3cmほど埋まるように挿す
- 日陰で、土が乾かないよう水やりをして管理する
- 1ヶ月ほどで発根し、十分に根が生えたら鉢や地面に植え替える
アナベルの栽培で注意する病気や害虫は?
うどんこ病
うどんこ病は、葉に白い粉が吹いたようにカビが生え、葉が枯れる原因となります。湿度が低かったり、枝が茂りすぎたりすると発生しやすくなります。
病気にかかった部分はすぐに切り落とし、剪定して風通しをよくしましょう。
モザイク病
モザイク病は、葉の変形、色の濃淡が出るウイルス性の病気です。一度感染すると治療ができないことから、病気にかかっている部分は切り取って処分します。
株全体に発生したときは、他への感染を防ぐため、株ごと抜き取って廃棄しましょう。
カミキリムシ
カミキリムシは、幼虫が幹に入り込み、株を枯らす害虫です。株元に木くずのようなものが落ちていたら、幼虫がいる証拠です。
幼虫が幹に開けた穴へ針金や薬剤のノズルを差し込んで駆除してください。
ハダニ
ハダニは、乾燥した環境で発生しやすい害虫で、葉の裏に寄生してかすり状の傷をつけます。葉の表裏に霧吹きで水を吹きかけて予防しましょう。
ハダニを見つけたら、殺虫剤を散布して駆除してください。
アナベルの育て方のポイントは?
アナベルは、日当たりがよいところで乾燥させすぎないことが上手に育てるポイントです。また、剪定の時期が通常のアジサイよりも遅く、11~12月と2~3月頃なのも気をつけましょう。
アナベルは、花になる芽が作られる時期が4月と遅く、剪定は芽が作られる前にすませてください。通常のアジサイと同様6〜9月頃に剪定をすると、翌年の花数が少なくなります。
アナベルは秋色アジサイとしても有名
アナベルは、園芸用に品種改良されて誕生したため、初心者でも育てやすいと評判です。また、時間とともに緑から白へと変化していく花色が美しく、「秋色アジサイ」としても知られています。何日もきれいな花を咲かせているので、自分で育てたアナベルを、切り花にしてお部屋に飾るのもすてきですね。
更新日: 2021年06月30日
初回公開日: 2015年11月20日