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アジサイ(紫陽花)に毒があるって本当?成分や症状、対処法まとめ

梅雨の季節になると庭や町中を鮮やかに彩るアジサイ。雨に濡れた花姿は風情があり、ジメジメとした梅雨の空気をさわやかなものに変えてくれます。

そんなアジサイに「毒がある」と聞くと少し怖く感じるかもしれませんね。今回は、アジサイの毒について、成分や症状、対処法などをまとめました。

アジサイ(紫陽花)とは?どんな植物?

アジサイは、日本や中国、台湾、北アメリカが原産国の落葉低木です。樹高は1〜2mほどで、はっきりと葉脈が浮き上がり、光沢のある葉っぱをつけます。

5〜7月にかけてピンクや青色の花を咲かせ、雨にぬれても元気なことから、梅雨の代名詞ともいわれています。

梅雨の時期に花を咲かせることから、雨に濡れるアジサイなど梅雨の風物詩として古くから親しまれてきました。また、お寺の周りによく植えられていたことから、アジサイの名所にはよく寺院が知られています。

アジサイ(紫陽花)の毒の成分ってなに?

アジサイが体内に毒をもっているかどうかは、まだ完全に実態は把握されていません。ただ、一部毒がある個体は確認されています。

京都薬大の調査によると、中国四川省産アジサイからは毒が検出されたのに対し、京都産のアジサイからは毒が検出されませんでした。

つまり現状では、「品種や個体によって毒の有無や成分、含有量が違うのではないか」と考えられています。

これまで、見つかったと報告されている毒成分は、「青酸配糖体」という植物由来の有毒成分と、「抗マラリア成分」、「嘔吐性アルカロイド」です。

「青酸配糖体」は他にアジサイを調査した方々の報告によって確認され、「抗マラリア成分」や「嘔吐性アルカロイド」は、常山アジサイという山野草含に含まれていと報告をされています。

アジサイ(紫陽花)の毒による症状や被害は?

毒を含んだアジサイの葉っぱや茎、花を食べた場合の中毒の症状は、嘔吐や痙攣、めまい、顔面の紅潮、歩行のふらつき、呼吸麻痺、昏睡などが挙げられます。

特に死亡例は報告されていませんが、いくつか大人や子供が体調を崩した症例が報告されているので注意が必要です。

症例

2008年に茨城県の飲食店の料理に添えられていたアジサイの葉を食べた客10人のうち8人が、食後30分ほどで吐き気やめまい、嘔吐などの中毒症状を訴えました。

同年、大阪の居酒屋でだし巻き卵の下に敷かれていた葉を食べた客が、40分ほど経った後に嘔吐や顔面の紅潮といった中毒症状を起こしています。

さらには、2011年にも、秋田県の仕出し弁当に添えられたアジサイが原因の食中毒が引き起こされました。いずれも重篤までには至らずに2~3日以内に全回復しています。

また、2009〜2010年には、ガクアジサイの変種であるアマチャという植物の葉っぱを利用した「甘茶」を飲んだ小学生45/99人と、園児28/119人が嘔吐症状を訴えています。

こちらは1日で全員快方に向かったようです。

アジサイ(紫陽花)の近縁種であるアマチャ(甘茶)は大丈夫?

アマチャとは、ガクアジサイの変種にあたるユキノシタ科の植物です。仏教ではお釈迦様の誕生を祝う「花祭り」で、若い葉を乾燥させたものがお茶として振る舞われます。

古くから薬用として利用され、抗アレルギー作用や内臓機能の改善、アンチエイジング効果など、美容と健康によいお茶として注目されています。特に花粉症やアトピーに対する効果は、市販薬に匹敵するといわれるほどです。

ただ、2009年に花祭りでアマチャを飲んだ保育園の園児119人のうち28人が30分~1時間のうちに嘔吐の症状を訴えたほか、2010年には同じく花祭りでアマチャを飲んだ小学生99人のうち45人もの児童が気分を悪くし10~30分後に嘔吐した事例があります。

いずれも1日以内に快方へ向かう軽症とされていますが、体質によって合う合わないがあるほか、子供が飲むときは注意が必要かもしれません。

また、濃すぎるのもよくないとされてるので、アマチャを作るときは使用量をちゃんと守りましょう。

アジサイ(紫陽花)の毒で注意することは?対処方法は?

アジサイに含まれる有毒成分は、口に含まないかぎり危害を及ぼすことはありません。

葉に含まれる毒の含有量は少ないため、よほど大量に食べないと致死量に達することはないとされていますが、料理として出されたアジサイの葉っぱは食べないよう気をつけましょう。

2008年に厚生労働省から発表された「アジサイの喫食による食中毒について」の内容を確認してみるのもいいかもしれません。

犬や猫などのペットが食べてしまうと最悪の場合、数日後で死に至るケースもあり注意が必要です。散歩の途中や部屋に飾っているとかじってしまうことがあります。

食べてしまったときは、すぐに引き離して念のために病院に行くことをおすすめします。

アジサイ(紫陽花)の毒はまだまだ解明されていない

アジサイの毒はこれだけ事例や症状が出ていますが、詳しい毒性の成分についてはいまだに明らかにされていません。

ビニールで作られたアジサイの葉に、季節の茶菓子や水羊羹を乗せたものは涼しそうですが、本物が使われているときは口にしないように気をつけてください。

口にさえ入れなければ、ガーデニングを楽しむすてきな存在になってくれますよ。

参考文献: 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:アジサイ(厚生労働省)参考文献: アジサイの喫食による食中毒について

初回公開日: 2016年08月04日