トマトは、イタリア料理やスペイン料理に欠かせない夏野菜の代表。およそ8,000を超える品種があるとされ、日本では120種類以上が栽培されています。
甘くておいしいものや、普段は食べられないような珍しいものを選べると、育てるのが楽しみになりますね。今回は、トマトの種類や品種を一覧でご紹介します。
トマトの種類や品種は?大きさで分類する?
トマトは、2008年時点で約8,000種があるといわれており、日本には約120種が栽培されています。
日々、品種改良によって新しい品種が生まれ、主に大きさ、色によって生食用と加工用(ケチャップなど)に分けられています。
色
- ピンク(もも)色系:薄い赤やピンク色のトマトで、皮が薄く香りが弱いので、生で食べるのに向いている。
- 赤色系:濃い赤色をしたトマトで、皮が分厚く香りが強いので、加工品(ケチャップ)に向いている。
- 緑色系:白、黄、緑、褐色があり、しま模様をした品種もある。酸味が強く、サラダなどに向いている。
大きさ
- 150g以上 : 大玉トマト
- 40~150g : 中玉トマト(ミディトマト)
- 40g以下 : 小玉トマト(ミニトマト・プチトマト)
トマトの糖度はどれくらい?
トマトの糖度は、4~10%くらいです。野菜やフルーツの甘みは、「糖度」を指標に使います。
糖度とは糖分の量を%で示したもので、糖用屈折計で図ることができ、糖度18というと糖分が18%含まれているという意味です。
ただし、糖度が高いからといって必ずしも甘く感じるとは限りません。実はレモンといちごの糖度は同じくらいですが、レモンは酸度も高いため、甘さが隠れてしまっています。
大玉トマトの種類や品種
桃太郎トマト
1980年台に開発された品種で、市場に出回っているトマトのほとんどはこの品種です。シリーズとして「桃太郎ゴールド」など25品種あります。
1玉が200~230gと大きく、皮が硬くて崩れにくいことが特徴です。実が小さいほど糖度が高くなり、小ぶりに作って糖度を高めたものは「フルーツトマト」という名前で知られます。
病気にかかりにくく、家庭用に品種改良されたものは育てやすいので、初心者でも安心して育てられます。ただ、花が落ちやすいので、雨除けを施しましょう。
ファーストトマト
桃太郎トマトが作られる前によく食べられていた品種です。実は200~250gと大きく、先が尖っているのが特徴です。
皮が薄く、果肉が少なくて甘みがある反面、実が傷みやすく保存性は低くなっています。昔ながらの野菜らしい味がすることから、根強く人気です。
水を少なく栽培するのがポイント。また、病気に弱いことから、連作を避け、株の状態をこまめにチェックすることが大切です。
麗夏トマト
生育旺盛で病気に強く、たくさんの実をつける大玉の品種です。農林水産大臣賞に輝き、「トマトの王様」とも呼ばれます。
酸味と甘みのバランスがよいことから、生で食べるだけでなく、鍋や煮物にして楽しめますよ。
基本的な手順にそって育てれば、裂けることなくちゃんと実をつけます。はじめてトマトを育てる方におすすめの品種です。
中玉トマト(ミディトマト)の種類や品種
フルティカ
2008年に品種登録された新しい品種で、酸味が少なく、糖度が7~8%くらいと高いことが特徴です。
実の重さは40~50gで、皮が薄くて、柔らかな果肉をもちます。味にクセがなく、生のままでも食べやすいですよ。
病気にかかりにくいため育てやすく、オールシーズンで栽培ができます。ただ、生育が旺盛なので、肥料は控えめに。
レッドオーレ
4~5cmのピンポン球ほどのサイズで、重さ40~50gの中玉品種です。酸味があまりなく、高糖度でコクのある味をしており、果肉には粘りがあります。
鮮やかな濃い赤色が特徴的で、1つの枝に8~12個と収穫量が多いことから、家庭菜園で人気です。
病気にかかりにくく、限られたスペースでもプランターで手軽に育てることができますよ。ただ、葉かび病には弱いので、注意してください。
フルーツルビーEX
おいしさにこだわって開発された品種で、糖度が6~8%と高く、しっかりとした歯ごたえが特徴です。実の先端が少し尖った形をしています。
育てている途中で実が裂けることは少なく、日本の気候に合わせて開発されているので、育てやすいですよ。
また、トマトのかかりやすい病気の1つである「キュウリモザイクウィルス」のワクチンを接種してあり、ウイルス病に強いこともポイントです。
シシリアンルージュ
調理用トマトの傑作と称される品種で、イタリアのシシリア島で開発されました。実は楕円形をしており、イタリアントマトといえば本種を指します。
大玉トマトに比べて、リコピンが8倍、グルタミン酸が3倍と栄養価が高いことが特徴です。加熱するとコクが出ることから、ソースや炒めて食べられることが多いです。
トマト本来のおいしさを引き出すため、手をあまり加えずに育てることがポイントです。栽培するときは、茎や葉を伸ばす広いスペースを確保しましょう。
サンマルツァーノ
シシリアントマトと並んで知られるイタリアントマトで、人参のような縦長の形をしています。
重さは100~150gで、加熱しても煮崩れしない肉厚な果肉が特徴です。熱を加えると独特の粘りが出て、旨味が増しますよ。
シシリアンルージュ同様あまり手を加えず、自然に近い状態で育てましょう。病気には強いですが、水を与えすぎると弱って病気や虫の被害にあいやすくなります。水の管理に気をつけましょう。
小玉トマトの種類や品種
アイコ
「ロケットミニ」ともいわれる、卵型のミニトマトです。皮が厚く、ゼリー分が少ないことからしっかりとした歯ごたえ。赤いものの他、黄色い「イエローアイコ」という品種もあります。
実が裂けにくく、病気にも強いので、たくさんの収穫が期待できます。栽培環境によっては、中玉ほどの大きさに育ちますよ。
千果
全国のミニトマトの大半を占めるほどメジャーな品種で、家庭菜園でも定番です。
重さ15~20gほどと実は大粒で、ツヤがあり、真ん丸な形をしています。糖度は8~10%と高く、リコピンが大玉トマトの3~4倍含まれている品種です。
初心者からプロまで幅広く人気の品種で、1つの枝に20~40個以上の実をつけます。生育もおとなしく、わき芽かきなどの作業もゆったり行えますよ。
マイクロトマト
実の直径1cmほどしかない、最も小さな品種です。200年頃から市場に出回るようになりました。実の色はオレンジや黄色、赤と様々で、甘みが強い品種です。
わき芽かきが不要で、管理が楽なことから、気軽に家庭菜園で育てることができます。実の小ささとは裏腹に、枝がよく伸びるので、株同士の間隔はしっかり開けてください。
トマトを家庭菜園で栽培しよう
トマトは、サラダやスープなど色々な料理に利用できる、身近な野菜です。
種類は数え切れないほどあり、加工に適したものやそのまま楽しめるものと、特徴も味も様々。家庭菜園でなら、違う種類のトマトを栽培して、食べ比べてみるのも楽しそうですね。
更新日: 2021年06月16日
初回公開日: 2015年10月02日