山わさびは、ツンとした辛さがローストビーフによく合うスパイスです。味はよく似ていますが、お刺身につけられる本ワサビとはまったく別の植物で、畑やプランターで栽培して楽しめます。今回は、そんな山わさびとはどんな植物なのかと、栽培の方法についてご紹介します。
山わさび(ホースラディッシュ/西洋わさび)の学名・原産国・英語
- 学名
- Armoracia rusticana
- 科・属名
- アブラナ科・セイヨウワサビ属
- 英名
- Horseradish
- 原産地
- 東ヨーロッパ
- 収穫期
- 根:12~3月
葉:3~6月
- 別名
- ホースラディッシュ
西洋山葵(セイヨウワサビ)
レホール
山わさび(ホースラディッシュ/西洋わさび)とは?花や葉っぱの特徴は?
山わさびは、アブラナ科・セイヨウワサビ属に分類される多年草です。日本には明治時代に渡来しました。原産国がフィンランドなど東ヨーロッパということもあり、寒さに強いことが特徴で、国産品のほとんどは北海道で栽培されています。このことから、本ワサビと区別する意味合いも込めて、「蝦夷山ワサビ」「野ワサビ」「根ワサビ」と呼ばれることもあります。山わさびやホースラディッシュと呼ばれているのは根っこの部分です。鼻を刺すような強い辛みがあることから、料理の薬味に利用されるほか、チューブや練りわさびの原料となります。
草丈は30から40cmほどに生長していきます。見た目は同じアブラナ科の植物であるダイコンの葉とよく似ており、シュッと伸びた茎に大きな卵型の葉っぱを茂らせます。この葉っぱも食べられますが、苦味が強いので、アク抜きをして、味噌などと一緒に漬け込むのがおすすめです。そして、春になると、株の中心から花茎を伸ばして、白い小花いくつも咲かせます。
山わさび(ホースラディッシュ/西洋わさび)の栄養や効果・効能は?
山わさびに含まれる辛み成分「アリルイソシオチアネート」には抗菌作用のほか、がん予防効果、血栓防止効果もあります。また、ツンとした香りには食欲増進効果もあるとされていますよ。
そんな体によい西洋わさびですが、食べ方は色々で和食にも洋食にも合う薬味です。刻んで醤油漬けやみそ漬けにすると、ご飯のお供になりますし、すりおろしてソーセージやステーキに添えてもよし。ひと手間かけたい方は、すりおろした西洋わさびにサワークリームを混ぜてホースラディッシュソースを作ってみてください。
山わさび(ホースラディッシュ/西洋わさび)の育て方のポイントは?
水はけのよい中性~アルカリ性の土があり、しっかりと根を張れる深さのある場所で育てていきます。山わさびは、地中深くに張った根を収穫していきます。根が十分育つよう、鉢やプランターは30cm以上深さのあるもの、地植えは地中30cm以上深く耕しておきましょう。
山わさび(ホースラディッシュ/西洋わさび)の苗植えの時期と方法は?
山わさびは、種球と呼ばれる根の部分を植え付けて育てていきます。苗を見つけられるなら、そこから育てはじめてもかまいません。植え付けの適期は、3~5月となっています。
鉢・プランター
株同士の間隔を30cm以上空けるので、10号鉢に1株、60cmプランターに2株が植え付けの目安です。土は市販の野菜用培養土を使います。
- 鉢底石を敷く
- 容器の縁から下2~3cmのところまで土を入れる
- 種球が土に隠れるくらいの深さに植え付ける
- たっぷりと水やりをする
地植え
酸性の土を嫌うので、植え付ける2週間前に1㎡あたり100gの苦土石灰を混ぜ込んで中和しておきます。このとき、土は深30cmほどまで掘り起こしておきましょう。土の水はけが気になるようなら、腐葉土や堆肥を植え付ける前にしっかりと混ぜ込んでおくとよいですよ。そして、株同士の間隔を30~45cm空けて植え付けていきます。
山わさび(ホースラディッシュ/西洋わさび)の水やり、肥料の与え方は?
水やり
水切れを起こすと、葉っぱがしなびて弱ってしまいます。鉢植え、地植えにかかわらず、土が乾いたらしっかりと水やりをしてください。
肥料の与え方
山わさびは、庭の片隅に植えておいたら勝手に育ってしまうほど生命力が強い植物です。家庭菜園で育てるときは、太い根を収穫するために肥料を追加で与えていきます。植え付けから1週間後からに株元に化成肥料をばらまいたら、土と混ぜて株
によせていきます。同じ方法で3~4週間に1回肥料を定期的に与えていきます。
山わさび(ホースラディッシュ/西洋わさび)の収穫の時期と方法は?
山わさびは、根が十分に育ったタイミングで収穫していきます。11~3月頃、地上部の葉っぱが黄色く枯れはじめていきたらちょうどよい時期です。葉が茂りすぎているときは、株元から20cmほどのところで一度葉っぱを刈り取ります。そして株の周りの土を軽く掘り上げたら、茎を引っ張って土から引き抜いてください。根の上のところは3cmほど切り取って、2年目の種球として再び育てていくことができますよ。
山わさび(ホースラディッシュ/西洋わさび)の栽培は簡単
山わさびは、本ワサビと違い、土を使って簡単に栽培できる野菜です。鉢やプランターでも栽培でき、収穫した根っこは色々な料理に合せて楽しめますよ。ローストビーフに添えたり、醤油やだしと一緒に煮詰めてソースにしたりと、アレンジのバリエーションも豊富。自分のオリジナルレシピを考える楽しみもありますね。
更新日: 2021年06月02日
初回公開日: 2016年06月29日