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黄ニラの育て方!旬な時期や収穫の方法は?

みなさんは、黄ニラという野菜をご存知でしょうか。黄ニラとは、日光を当てないことで黄色くやわらかな歯ごたえに育ったニラのことです。岡山県の特産品として購入できますが、栽培量が少なく高級食材として市場に出ているため、あまり一般のスーパーや八百屋さんで見かけることはありません。ただ、光をしっかり遮って栽培すれば家庭菜園でも育てられるんですよ。今回は、そんな黄ニラの特徴や育て方、旬の時期や収穫の方法などについてご紹介します。

黄ニラとは?ニラとの違いは?

黄ニラは、日光が当たらないように育てたニラです。緑色をした通常のニラに比べて、葉の色が薄黄色で食感がやわらかく、ニラ独特のにおいもそこまで強くないのが特徴です。中国から日本に伝わってきた当初は、薬として利用されていたといいます。また、黄ニラの栽培には時間と手間がかかるため、ニラよりも値段が高く、数倍ほどの価格になることもあります。

黄ニラの花や実の効果効能!どんな栄養があるの?

ニラはニンニクと並ぶスタミナ野菜として知られているように、栄養が豊富な野菜です。以下に主な栄養素とその効果効能をご紹介します。

アリシン

ニラのにおいの元は硫化アリルの一種「アリシン」という物質です。これはビタミンB1の吸収を助け、疲労回復や滋養強壮、免疫力を高め、がんの予防にも効果があるといわれています。さらに、血行促進により、冷え性や動脈硬化、血栓の予防にも効果的とされています。

βカロテン

抗発ガン作用や免疫力を高める効果があるとされるほか、体内でビタミンAに変わり、髪の健康維持、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持などに役立ちます。

ビタミンC、E

ビタミンCは、βカロテンと共に活性酸素を減らし、老化の防止につながる成分です。ビタミンEは、強い抗酸化作用があり、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立ちます。

アホエン

黄ニラだけにある成分で、脳の活性化を促して脳の老化を食い止め、記憶力がアップする効果があるとされています。

黄ニラに種類や園芸品種はある?

黄ニラはニラの種類の1つで、他には「小葉」「大葉」「花ニラ」などがあります。市販で購入できるニラの多くは、大葉になります。小葉は在来種で暑さに強い特徴をもち、花ニラは蕾のついた若い花茎を食べて、葉は食べません。

黄ニラの育て方のポイントは?

1年目で黄ニラを作ると株が弱ってしまうので、1〜2年栽培したニラを育てるのがポイントです。まずは通常のニラと同じように育てます。

黄ニラの種まきや苗植えの時期と方法は?

黄ニラとして栽培できるようになるまでの1年間は、通常のニラと同じように栽培します。

種まき

ニラは15~20度の気温で発芽するので、3~4月頃が種まきの適期です。株の数が少なくてよいなら3号の育苗ポット、たくさん必要ならセルトレイで種から苗を育てていきましょう。

  1. 育苗ポットや鉢に種まき用の培養土か、赤玉土(小粒)などを入れる
  2. 1cmほどの穴を指で空け、1箇所に10~15粒の種をまく
  3. 種に薄く土を被せ、水をたっぷりと静かに与える
  4. 十分に発芽するまで土が乾かないよう水まきをする
  5. 草丈5~6cmになったら間引いて、生長の遅い苗を取り除く
  6. 草丈20cmほどになったらプランターや地面に植え替える

苗植え

ニラの生育適温は約20度なので、5〜6月頃に苗を植え付けます。鉢植えなら、10号鉢に2〜3株、65cm幅のプランターなら4〜5株を用意します。鉢の底に軽石や鉢底石を敷き、市販の野菜用培養土を入れ、苗を植えます。

地植えは、植え付ける4週間前に深さ20cmまで土を耕し、1㎡あたりコップ1杯(100~150g)の苦土石灰を混ぜておきます。2週間土を寝かせたら、堆肥や粒状の野菜用肥料を土に混ぜあわせてさらに耕します。その後、幅60~80cm、高さ10~15cmの畝を作って、10~20cm間隔で苗を植え付けましょう。

黄ニラの水やり、肥料のタイミングと方法は?

水やり

地植えは、植え付けのときの水やり以外不要です。鉢やプランター植えは、土の表面が十分に乾いてからたっぷり水やりをしてください。

肥料

植え付けのときに、野菜用の化成肥料や油かすなどの有機肥料を土に混ぜ込んでください。また、収穫後に同じだけ肥料を追加しましょう。肥料後は、株が倒れないよう株元へ土寄せをしてください。

黄ニラの収穫時期と方法は?

黄ニラを収穫するまでには、2通りの栽培方法があります。1つは夏前の涼しい季節に30cmほどまで生長したニラを、3〜4cmほどを残して一旦収穫し、1ヶ月ほど遮光栽培する方法、もう1つは芽が出はじめた頃から遮光栽培する方法です。

最初にニラを1〜2年育てた方が根に養分がたまり、翌年日光を浴びなくても生長できるともいわれています。刈り取った後や芽が出た後すぐにトンネルを作り、黒色のビニールフィルムや黒い寒冷紗など、遮光フィルムを2〜3重にして完全に光が入らない状態にしておきましょう。

遮光してから1ヶ月ほどたった頃が収穫の目安です。よく晴れた日に収穫をしてください。軟化した黄ニラは手で丁寧に引き抜いて輪ゴムでくくります。さっと水洗いして土を落としたら、日光がよく当たるお昼ごろに天日干しにしていきます。3時間ほど直射日光の当たる場所で陽に当てると、より黄色が鮮やかになりますよ。反対に弱い日光に長時間当てると緑色へどんどん変化していくので気をつけてください。

黄ニラの栽培中に注意する病気や害虫は?

黄ニラの新芽には、アブラムシやネギアザミウマがくっつきやすいので、見つけたら早めに退治します。専用の殺虫剤または、市販の食品成分を使用した殺虫殺菌剤を散布してもかまいません。

また、黄ニラはさび病になることがあります。オレンジ色で少し膨らんだ楕円形の小さな斑点が出たら、有機農産物栽培に使える殺菌剤を散布して、病気にかかった部分は切り取って処分してください。

黄ニラを育てて料理に彩りを

黄ニラは、市販されていることが少なく、普段の生活ではなかなか出会えない野菜かもしれません。そんな黄ニラを自分で育て、収穫して食べることを想像すると、ちょっとワクワクしてきませんか?10束5000円ほどの値段がつけられることもあるので、ちょっと手を出しにくいという方は、ぜひ、家庭菜園で黄ニラを栽培してみてくださいね。

更新日: 2016年06月06日

初回公開日: 2016年06月06日

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