世界で最も有名なハーブの王様、スイートバジル。イタリアでは「バジリコ」と呼ばれ、パスタやピザ、サラダ、ソーセージなど、様々な料理に利用されています。とても丈夫な性質で、キッチンやベランダでもたくさん収穫できることから、初めてのハーブ栽培におすすめですよ。今回は、そんなスイートバジルとはどんな植物か、効果・効能や花言葉についてご紹介します。
スイートバジル(スウィートバジル)の花言葉とは?
『好意』『何という好運』『良い望み』『神聖』など
「好意」「何という好運」「良い望み」という花言葉は、イタリアで「小さな愛」と呼ばれ、バジルを手渡すことが愛の告白を意味するところからつけられました。「神聖」は、インドで古くから神の化身と信じられ、大切にされてきたことにちなみます。
スイートバジル(スウィートバジル)の学名・原産国・英語
- 学名
- Ocimum basilicum
- 科・属名
- シソ科・メボウキ属
- 英名
- Basil
Sweet basil
Garden basil
- 原産地
- 熱帯アジア
- 開花期
- 7~10月
- 花の色
- 白、ピンク
- 別名
- 目箒(メボウキ)
バジリコ
スイートバジル(スウィートバジル)とは?どんな花を咲かせる?
スイートバジルとは、シソ科・メボウキ属に分類されるハーブです。 寒さに弱く、本来は多年草ですが、日本では一年草として扱われます。バジルにはたくさんの種類がありますが、その中でも特に食用にされることが多く、単に「バジル」というと本種を指します。
熱帯アジアが原産とされ、日本へは中国を経由して江戸時代に渡来しました。バジルシードと呼ばれる黒い種は、水に漬けるとゼラチン状の粘液に包まれという特徴があります。この粘液を活用して、目に入ったゴミをとっていたことから、渡来した当時は「メボウキ(目箒)」と呼ばれていました。
草丈は、60~100cmほどに生長し、葉っぱを適宜収穫して楽しみます。そして、夏から秋にかけて、茎の先に長い穂を伸ばし、白やピンクがかった小さな花を次々に咲かせます。ピザなどのイタリア料理に使われて楽しまれるだけでなく、トマトを害虫から守るコンパニオンプランツとしても活用されますよ。
スイートバジル(スウィートバジル)の効果・効能、栄養は?
スイートバジルは、数種のビタミン類や、カリウム・ナトリウムといったミネラル類などの栄養を豊富に含んでいます。中でもβカロテン、カルシウム、ビタミンKの含有量が多いことが特徴です。
βカロテンは、体内でビタミンAに変換される物質で、100g当たり6300μgとホウレンソウの約1.5倍含まれています。抗酸化作用によって病気の予防や免疫力を高める作用があるほか、目の伝達物質となり、視力低下を防いでくれます。
また、骨を強くするカルシウムと、カルシウムを骨に定着させるビタミンKの相互作用によって、骨粗しょう症の予防に効果的です。さらに、香り成分のテルペンにはリラックス作用があるので、精神的な安定を求めるときにも頼れるハーブとなっています。
スイートバジル(スウィートバジル)の種類や品種は?
シソ科の植物は他の品種と交雑しやすいことから、バジルの種類は150以上あるとされています。以下に、その中でもよく知られているものをいくつかご紹介します。
ブッシュバジル
小さい葉っぱがびっしりと生える、草丈30cmと小さな株の品種です。スイートバジルと同じように葉っぱを利用しますが、やや寒さに弱いところがあります。
マイクロバジル
草丈20cmほど、葉っぱも1~1.5cmしかない、バジルの中でも最も小さい品種です。ブッシュバジルよりも樹形がコンパクトにまとまります。
ホーリーバジル(トゥルシー)
「神目箒(カミメボウキ)」とも呼ばれる品種です。インドの伝統医学アーユルヴェーダでは「不老不死の霊薬」とされるほどの強い薬効を持っており、不安やストレスを解消する効果があります。また、タイ料理でも刻んだ葉っぱが炒めものに使われます。
レモンバジル
レモンに似た柑橘系の香りがする細葉の品種です。鶏肉との相性がよく、飾りとして散らすだけでもさっぱりとした風味が食欲をそそります。
シナモンバジル
草丈30~60cmほどに生長するメキシコ原産の栽培品種で、白~薄桃色の花を咲かせます。シナモンのような香りを生かして、お菓子やスパイシーな料理に活用するのがおすすめです。
ジェノババジル
「イタリアンクラシコ」と呼ばれる、イタリア原産の品種です。花が咲いても風味が落ちず、本場イタリアのジェノバでは、伝統的なバジルペーストになくてはならない存在となっています。
スイートバジル(スウィートバジル)は気楽に栽培できるハーブ
サラダや煮込み料理、パスタと様々な料理に利用して楽しめるスイートバジル。寒さには弱いですが、それ以外は丈夫な性質で、ベランダやキッチンなどちょっとしたスペースでも栽培しやすいハーブとなっています。日当たりのよい場所であれば、水耕栽培にも気軽にチャレンジできますよ。ハーブ栽培の入門編にぴったりです。
更新日: 2016年02月07日
初回公開日: 2016年02月07日