雨が降り続く梅雨の時期になると、真っ赤で甘酸っぱい実をたくさん付けるヤマモモ。日本人にとってなじみ深い樹木で、庭木や街路樹として見かける機会も多いですよね。今回は、そんなヤマモモの育て方について、剪定の時期と方法などをご紹介します。
ヤマモモの木の育て方のポイントは?
強い剪定を避けることが、ヤマモモの実を収穫して楽しむポイントです。もともと温かい地域に自生する樹木なので、関東より北の地域では、地植えは避けた方がよいですよ。
あとは、日当たりと水はけのよい場所で育てれば、手間をかけずに栽培を楽しむことができます。また、オスとメスの性別があって、ある程度近くに植えないと自然受粉がしにくくなるので気をつけましょう。
ヤマモモの木の苗植えの時期と方法は?
3~4月の間に、ヤマモモの苗木を鉢や地面に植え付けていきます。根に放線菌という大気中の窒素を取り込める菌が付いているので、痩せた土地でもよく育ちますよ。
鉢植え
7~8号の鉢に植え付けて生きます。土は、赤玉土(小粒)7~8:腐葉土2~3の割合で混ぜた、有機質たっぷりのものがおすすめです。やや粘土質で水持ちのよい土を好むので、水はけがよすぎるときは、1割ほど黒土を混ぜ込みましょう。植え付けるときに、苗木は鉢と同じ高さの芽の上で切り落とします。また、倒れないよう支柱を立てて支えると安心です。
地植え
日当たりがよい場所を選び、水はけのよい土に植え付けていきます。直径と深さが40cmほどの植え穴を掘ったら、植え穴を掘った土には、腐葉土や牛糞堆肥、油かすなどを混ぜあわせたものを下半分に入れていきます。
そして、高さ50~60cmほどで切り詰めた苗木を植え付けていきましょう。風の強いところなら、支柱を立てて株を支えます。
ヤマモモの木の水やり、肥料の与え方
水やり
丈夫な果樹なので、神経質になる必要はありません。鉢植えは土の表面が乾いたら水を与えます。地植えは、植え付け時と乾燥した日が続いたとき、ホースなどで長時間かけてゆっくり水を地中まで浸透させます。数ヶ月ほどたって根付いてしまえば、特に水やりの必要はありません。
肥料の与え方
窒素を取り込んでくれる放線菌と共存しているので、たくさんの肥料がなくてもよく育ちます。果実を収穫した後の7月上旬と、2~3月に1回ずつ、油かすと骨粉を混ぜあわせた有機質肥料を与えれば十分です。
ヤマモモの剪定の時期と方法は?
ヤマモモは、春に伸びた枝の先端に花芽を作り、それが翌春に咲いて実を付ける性質があります。そのため、3~4月に軽く剪定することが実付きをよくしながら樹形をきれいにとどめておくポイントになります。
木全体のバランスを見て、伸びすぎている枝や混み合っている部分の枝、内向きの枝といった余計な枝だけを間引いていきましょう。全ての枝の先端だけを短くする剪定は、花芽を全て切り落とすことになるので注意してください。
ヤマモモの実の収穫の時期と方法は?
花が咲き終わった5月頃、未熟な実は自然と木から落ちてしまうので、摘果の必要はありません。もし、多く実が付いているなと感じたら、葉っぱ5枚に対して1個の果実が付くよう、数を調節していきましょう。
その後、6~7月に真っ赤に完熟した実を収穫していきます。雨に当たると実の味が落ちてしまうので、梅雨の合間に素早く収穫してしまうのがおいしいヤマモモの実を堪能するコツです。
ヤマモモの植え替えの時期と方法は?
鉢植えは、1~2年に1回、3~4月に1回り大きな鉢に植え替えていきます。ただ、最終的には15m以上に生長する高木なので、ある程度の大きさになったら地植えに切り替える必要があるので注意してください。植え替えの手順は、植え付け時と同じです。
ヤマモモの木は育て方が簡単な果樹
ヤマモモは、病気や害虫の心配の少ない丈夫な果樹です。むずかしい剪定は不要で、初心者でも安心して管理できることも魅力の1つ。真っ赤な実は、ジャムや果実酒にして楽しめますよ。はじめて果樹を栽培する方にはおすすめです。
更新日: 2023年06月07日
初回公開日: 2016年05月24日