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冬瓜(トウガン)とは?旬の時期や栽培の方法は?

名前に冬とありますが、冬瓜は夏に収穫される野菜です。あまりなじみはないかもしれませんが、古くから栽培されており、むくみを取ったり、熱を下げたりと暑い夏の健康に役立つ食物として親しまれてきました。今回は、旬の時期や栽培方法など、冬瓜とはどんな野菜なのかについてご紹介します。

冬瓜(トウガン)の花言葉とは?

『困難に勝つ』『勝利』『静かなる愛』

夏野菜の保存期間は、冷蔵庫でも1~2週間くらいが一般的です。冬瓜は、夏野菜でありながら、貯蔵期間が長く、そのまま畑の隅や家の中に置くだけでも3ヶ月以上品質を保つことができます。この性質から「困難に勝つ」「勝利」という花言葉が付けられました。

冬瓜(トウガン)の学名・原産国・英語

学名
Benincasa hispida
科・属名
ウリ科・トウガン属
英名
winter melon
wax gourd
原産地
インド、熱帯アジア
開花期
5~8月
収穫期
6~10月初旬
別名
トウガ
カモウリ
カモリ
シブイ

冬瓜(トウガン)とは?どんな野菜?

冬瓜とは、ウリ科・トウガン属に分類されるつる性一年草です。インドが原産国とされ、3世紀頃に中国に伝わったのち、5世紀頃に日本にも渡来しました。奈良時代には「冬瓜」「鴨瓜」といわれ、平安時代で「加毛宇利(カモウリ)」といわれるなど、古くから人々に親しまれてきました。冬の野菜でも無いのに冬瓜という名づけられたのは、果実を冷涼な場所に置いておくことで、冬まで保存できることにちなみます。

太く丈夫なつるをどんどん伸ばして生長し、手のひらのような葉っぱを互い違いに生やします。葉っぱは5~7つに浅く裂け、くっきりと葉脈が浮き上がり、表面に毛が生えていることが特徴です。花期になると、葉の脇に黄色の花を1つ咲かせます。冬瓜の花は、「咲いても百に一つ」といわれるほど結実するものが少なく、無数の花を咲かせても実を成すのはほんの数個なんですよ。果実は楕円形で長さ30~80cmほどの大きさに生長し、重さは3~10kgほどになります。

冬瓜(トウガン)の効果・効能は?

冬瓜は、実の95%以上が水分で構成され、低カロリーでヘルシーな食材とされています。また、利尿作用があり、むくみの改善が期待できるほか、カリウムを多く含んでいるので高血圧の予防にも効果的です。さらに、ビタミンCが豊富なので、風邪などに対する抵抗力を高め、肌の状態をよくします。

冬瓜(トウガン)の種類や品種は?

冬瓜

緑色の皮をしており、完熟すると皮全体に白い粉がふきます。2~3kgの小さなタイプから、15kgほどもある大きなタイプまでバリエーションが豊富。円筒形の「長とうがん」、丸形の「大丸とうがん」、沖縄の「琉球種」などに分類されます。

ミニとうがん

1~2kgくらいの小さなタイプです。「小冬瓜」「姫とうがん」などがこの部類に入ります。特に「姫とうがん」は、濃い緑色の皮をしており、白い粉はあまり付きません。やわらかで肉質な果肉なので、ふつうの冬瓜と同じように利用できます。

冬瓜(トウガン)の育て方のポイントは?

暖かい気温を保ち、摘心と剪定をこまめに行うことがポイントです。冬瓜は高温性で、寒さに弱いことから、気温が低いときはトンネル支柱に寒冷紗を張って保温します。また、剪定をしてつるを伸ばしやすくすることで花付きをよくし、収穫量を増やせます。

冬瓜(トウガン)の種まきの時期と方法は?

種から苗に育てた冬瓜を、プランターや畑に植え付けていきます。発芽適温は25~30度なので、種まきは4月上旬~中旬が適期です。種は1日ほど水に浸けておくと発芽率が上がります。

  1. 3号の育苗ポットに種秋用培養土を入れる
  2. 指先で1cmほどのくぼみを2ヶ所作る
  3. それぞれの穴に種を1粒ずつまく
  4. たっぷりと水やりする
  5. 気温が低いようなら周りにビニールフィルムを張って保温する
  6. 本葉が2~3枚生えたら、ポット1つにつき1株になるよう間引く
  7. 本葉が4~5枚になったらプランターや地面に植え替える

冬瓜(トウガン)の苗植えの時期と方法は?

冬瓜の種から育てた苗は、5月初旬~中旬に植え付けの適期を向かます。深植えにならないよう注意し、植え付けたらホットキャップを被せるか、ビニールで覆うと生育が促されます。

鉢・プランター

9~10号鉢に1株、深型の60cmプランターに1~2株が植え付けの目安です。土は市販の野菜用培養土を使います。容器の縁から下2~3cmのところまで土を入れ、スコップで植え穴を掘ったら、根に付いた土は崩さずに苗を植え付けていきます。

地植え

  1. 植え付ける2週間前に1㎡あたり100~150g(コップ1杯くらい)の苦土石灰を土に混ぜ込む
  2. 植え付ける1週間前に2~3kgの堆肥と、100~120gの化成肥料を土に混ぜ込む
  3. 幅70~80cm、高さ10~15cmの畝を作る
  4. 植え穴を80~90cm間隔に堀り、浅く植え付ける
  5. 植え付け後、たっぷりと水をやる

冬瓜(トウガン)の水やり、肥料の与え方

水やり

乾燥を嫌うので、水切れに注意します。鉢やプランター植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。地植えは、乾燥が続くようなら水やりをするくらいで大丈夫です。また、つるが伸びてきたら株元にワラを敷いて乾燥を防ぎます。

肥料の与え方

植え付けてから2週間後と実がピンポン球くらいになった6~7月に肥料を与えます。1株あたり25g(粉洗剤用のスプーン1杯くらい)が適量です。基本的に肥料を好むので、足りないようなら半月後にもう1回同量の肥料を与えます。ただ、肥料が多すぎるとつるばかりが伸びて実が付かなくなるので適度にとどめることが大切です。

冬瓜(トウガン)の剪定!摘心や整枝の時期と方法は?

摘心

苗植えからすぐの5月中旬~下旬、本葉が6枚以上になったら、親つるは本葉4~5枚のところで摘み取ります。これによって、子づるが伸びていきます。また、子づるも生育のよいものを4本残して他を摘み取ります。

整枝

4本の子づるが長く伸びていくと、孫づるがどんどん生えていきます。この子づるの先に花が咲いて、実を付けます。実よりも株元に近い孫づるは全て摘み取ってしまいます。実よりも先にある孫づるは伸ばしっぱなしでかまいません。

冬瓜(トウガン)の収穫の時期と方法は?

冬瓜は、8月下旬~10月下旬頃に収穫できます。花が咲いてから45日ほどたって表面の産毛が少なくなり、白っぽい粉が付き出したら収穫の適期です。実がソフトボールくらいの大きさになったら、傷まないよう発泡トレイを下に敷いてやるとよいですよ。

冬瓜(トウガン)の栽培で注意する病気や害虫は?

冬瓜は、比較的に病害虫に強い傾向にあります。ただ、気温が高くなって株が蒸れると、ウドンコ病やアブラムシ、ハダニの被害にあうことがあります。連作を避け、アブラムシなどには食品成分の殺虫剤を使って駆除してください。

冬瓜(トウガン)は保存のきく野菜

トウガン

冬瓜は、薬膳料理の材料として親しまれています。夏は、体にたまった余分な熱を冷ましてくれるうえ、汗で失われた水分の補給やむくんだ体に効果的です。保存もきき、収穫した実は風通しのよい冷暗所であれば数ヶ月はもちます。暑い夏を乗り切るために、収穫したたくさんの冬瓜を活用してみてくださいね。

更新日: 2016年06月23日

初回公開日: 2016年06月23日

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