コゴミは、畑や庭のちょっとしたスペースで育てられる山菜です。わらびやゼンマイのようにアクが強く下ごしらえが面倒な山菜もありますが、コゴミはアクがなく使いやすいのが特徴。今回は、そんなコゴミについて、栽培方法や食べ方、保存方法などをご紹介します。
コゴミ(クサソテツ)とは?どんな山菜?
コゴミとは、イワデンダ科・クサソテツ属に分類されるクサソテツという植物の新芽のことをいいます。クサソテツは、緑の葉っぱを羽のように茂らせながら、1mほどの大きさに生長する植物です。秋を過ぎると地上の葉は枯れて地下茎が地中に広がり、翌年の春にはゼンマイに似た新芽(コゴミ)が出てきます。コゴミは、春に取れる山菜として知られ、天ぷらやおひたし、サラダなどの料理に利用されます。
コゴミ(クサソテツ)の図鑑!学名・原産国・英語
- 学名
- Matteuccia struthiopteris
- 科・属名
- イワデンダ科・クサソテツ属
- 英名
- Ostrich fern
Fiddleheads
- 原産地
- 日本
- 収穫期
- 3~6月
- 別名
- クサソテツ
コゴミ(クサソテツ)の食べ方や保存方法は?
コゴミは新芽についたワタを取った後、塩を入れたお湯でさっと茹でて食べます。そのままおひたしや和えものに調理されるほか、天ぷらや味噌汁の具にしても美味しいですよ。茹でて余ったものは、密閉できるポリ袋に入れて冷凍保存できます。次に調理するとき、他の山菜と違ってアク抜きはしなくても大丈夫です。
コゴミ(クサソテツ)の育て方のポイントは?
コゴミは直射日光の当たらない場所を選び、水もちのよい土で育てるのが栽培ポイントです。河川敷など湿り気の多い場所を好み、乾燥させすぎると弱ってしまいます。特に春と夏は、土の湿度に注意してください。株元をワラや腐葉土で覆うと保湿性が高まり、気温の上昇による急激な乾燥が防げます。
コゴミ(クサソテツ)の苗植えの時期と方法は?
3~4月か10~11月がコゴミの苗植えの適期です。地下茎を地中に広げて生長するので、広い場所に植えると元気に育ちます。
鉢・プランター植え
幅60cmプランターに1~2株が植え付けの目安です。土は、赤玉土(小粒)6~7:腐葉土3~4の割合で混ぜた土を用意してください。水もちが悪いようであれば、けと土やミズゴケ、堆肥、ピートモスなどを少し混ぜてみてください。
- 鉢底石を敷いた後、容器の8割くらいまで土を入れる
- 中心に苗がすっぽりと入る植え穴を掘る
- 苗を置き、回りに土を入れて安定させる
- たっぷりと水やりをする
地植え
3週間前から土作りをはじめていきます。1㎡あたり堆肥2kg、苦土石灰100g(コップ1杯)、化成肥料40g(一握り)くらいを混ぜ込んでよく耕しておきます。3週間ほど土を寝かせたら、幅70cm、高さ10cmほどの畝を作り、株同士の間隔が30~50cm空くように苗を植えていきます。苗植えが終わったら、水やりをして株元にワラやもみ殻を被せます。
コゴミ(クサソテツ)の水やり、肥料の与え方
水やり
乾燥が苦手なので、土の乾き具合には気を配ります。プランター植えは、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水やりをしてください。地植えも、土が乾燥しているようなら水やりをします。
肥料
肥料がなくてもコゴミは育ちます。ただ、長年放置して痩せこけた庭などは土作りのときに堆肥や化成肥料を土に混ぜ込みます。あとは、株がよく育つ3月頃に化成肥料を1回与えてください。
コゴミ(クサソテツ)の収穫の時期と方法は?
苗植えから2年後の春に収穫をします。草丈が10~15cmくらいになったら、先端がくるりと巻いた新芽を根元から手で摘み取っていきます。1つの株から5~10本から新芽が生えているので、全部取らずに1~2本残しておくと翌年も元気に育ちます。
コゴミ(クサソテツ)の増やし方!株分けやランナー植えの時期と方法は?
コゴミは株分けとランナー植えの2通りの方法で数を増やします。どちらも3月頃が適期で、1ヶ月もすれば収穫できるようになります。
株分け
クサソテツの株元からは、1年に2~4本の枝(ランナー)が伸びてきます。その先端につける子株を切り分けて、新しい苗として育てるのが株分けです。子株の先端が土から少しだけ顔を覗かせるくらいの深さに植えるのがポイントです。
ランナー植え
クサソテツの株元近くから生えてくる枝をランナーと呼びます。ランナーは、地中で親株とつながっているので、掘りあげて切り分け、植え直すことで新しい苗として育てられます。
- 株を傷つけないように掘り上げる
- 株とランナーを手で分ける
- ランナーを7~8cmほどの長さにハサミやナイフで切る
- 深さ10cm以上の育苗箱に、5cm間隔で深さ3cmくらい垂直にランナーを挿す
- 土が乾かないようこまめに水やりをする
コゴミ(クサソテツ)は栽培や食べ方が簡単
コゴミの苗は、ホームセンターやネットショップなどで手軽に購入できる山菜です。山菜を育てるなんて大変そう…と感じるかもしれませんが、乾燥に気をつけていれば育て方もそれほどむずかしいものでもありません。クサソテツの羽のような葉っぱは、観賞価値が高く、観葉植物として育てられることもあるんですよ。
クサソテツをシェードガーデンやインテリアグリーンとして栽培したり、コゴミを料理に使ったり、自分のライフスタイルに合った方法で楽しんでみてくださいね。
更新日: 2022年07月06日
初回公開日: 2016年07月28日