日本人にとって、とてもなじみ深い食事の蕎麦(そば)。穀類の中でも育てやすく、蕎麦の実(種)をひいて粉にすると、おなじみの蕎麦が作れます。
脱穀や粉をひく作業は、家庭でも簡単にできるんですよ。今回はそんな蕎麦の栽培ついて、育て方のポイントや収穫の時期などをご紹介します。
蕎麦(そば)は簡単に栽培できるの?
蕎麦とは、タデ科・ソバ属に分類される一年草です。擬穀類と呼ばれており、日本では種を製粉して蕎麦粉として利用します。
蕎麦の生育適温は0~45度とどんな場所でもよく育ちます。草丈は60~130cmほどに生長し、茎先に直径6mmほどで臭みのある、白やピンクの小さな花をたくさん付けるので見た目にもかわいい植物です。
蕎麦(そば)の種まきの時期と方法は?
蕎麦の種まきは、4月上旬~6月下旬か7~8月頃が適しています。季節に合った品種の種を選ぶと失敗が少なくすみます。
プランター植え
60cm以上のプランターと、市販の野菜用培養土、鹿沼土を準備します。肥料分のある土だと生長の途中で倒れてしまうので、野菜を育てた土を使ってもかまいません。
- 鉢底石を敷く
- 鹿沼土を容器の半分ほど入れる
- 上から野菜用の培養土を入れる
- 種をばらまきにするか、支柱などでスジを作ってまく
- 種が隠れるくらい軽く土を被せる
- たっぷりと水やりをする
- 日当たりと風通しのよい場所で、土が乾かないよう管理する
- 発芽したら、土が乾いたら水やりをする
- 本葉が2~3枚生えたら、株同士の間隔が4~7cm空くように間引く
- 株元に土を寄せて倒れないようにする
地植え
日当たりと水はけのよい場所を選びます。肥料分があまりなくてもよく育つので、前年に他の野菜を育てた場所であれば、耕すだけでよいです。初めて植える場所であれば、1週間前に堆肥をたっぷりと土に混ぜておきます。また、水はけが気になるときは、高さ10~15cm、幅1mほどの畝を立てます。
- 種はばらまきにするか、列の間隔を50cmほどとってすじまきにする
- 軽く土を被せる
- たっぷりと水やりをする
- 本葉が触れ合わないよう、適度に間引く
- 花が咲きはじめたら、株元に土を寄せて倒れないようにする
蕎麦(そば)の水やり、肥料の与え方
水やり
種をまいた後は、土が乾かない程度に水やりをしていきます。プランターは、土が乾いたら水やりをするくらいで十分です。
地植えは雨が少ないようであれば発芽するまでは毎日水やりをしてください。発芽して生長した後は、乾燥気味に育てるのがコツ。湿度が高いと根が腐ってしまいます。
肥料
基本的に肥料の必要はほとんどありません。生育が悪くて与えるときは、窒素分の少ない化成肥料を少し施してください。
蕎麦(そば)の栽培で注意する病気や害虫は?
蕎麦は病気の少ない作物ですが、連作障害による生育不良や立枯病を発生することがあります。他の野菜と輪作などして続けて栽培しないようにします。
また、害虫被害もほとんどありませんが、まれにヨトウムシに葉が食べられることがあるので、見つけたら殺虫剤を使って退治してください。
蕎麦(そば)の人工授粉の時期と方法は?
蕎麦は同じ株では受粉しても実を成しません。そのため、昆虫や人の手によって受粉を行う必要があります。
花が咲いてきたら手で花をそっとなでて他の株へ授粉させていきます。花は午後にしぼんでしまうため、晴れた日の午前中に作業をします。
蕎麦(そば)の収穫の時期と方法は?
蕎麦の収穫は、種をまいてから約2ヶ月半~3ヶ月でできます。一番上の花の実が、70~80%黒くなったら、根元から切って収穫します。
収穫が遅れたり気温が上がったりしてしまうとすぐに実が落ちてしまうので、早朝や曇りの日、雨が降った次の日などに収穫するとよいですよ。
収穫後は雨に当たらないような場所で逆さに吊るして天日干しにし、7~10日ほどかけて十分に乾燥させます。乾燥後は下にビニールシートなどを敷き、棒などで軽くたたいて実を落としていきましょう。
蕎麦(そば)の栽培のポイントは?
水はけのよい土に植え、霜に当てないように育てることがポイントです。蕎麦の生育適温は0~45度とどんな場所でもよく育ちます。
ただ、霜に当たると枯れてしまうので注意してください。また、水はけの悪い場所は、畝を立てるとよいですよ。
蕎麦(そば)を栽培して食べてみよう
蕎麦は生長スピードがとても早く、年に2回ほど収穫を楽しめる作物です。家庭での蕎麦打ちも比較的簡単にできるので家庭で一から蕎麦を育ててみるのも1つの楽しみになりますね。
ただ、蕎麦の花の香りは種類によっても変わりますが、純白の可憐な花姿とは逆に強烈な香りを放ちます。近所に迷惑がかからないように注意すると安心ですよ。
更新日: 2020年01月12日
初回公開日: 2016年07月17日