ホルティ by GreenSnap 生活を彩ろう。花、植物、ガーデニング情報をお届け

ヨトウムシ(夜盗虫)の効果的な駆除や予防の方法、幼虫や成虫の生態

植物を育てるときの邪魔者、ヨトウムシ。雑食性の昆虫で、野菜・花・果樹などあらゆる植物に寄生し、食害します。今回は、そんなヨトウムシの生態や効果的な対策、駆除方法をご紹介します。

ヨトウムシ(夜盗虫)とは?成虫や卵、幼虫の時はどんな生態?

ヨトウムシ

ヨトウムシとは、ヨトウガという蛾の幼虫のことです。シロイチモジヨトウやハスモンヨトウもまとめてヨトウムシと呼びます。夜に活動し、植物の葉や実を食害することから「夜盗虫(ヨトウムシ)」という呼び名がつきました。

成虫の体長は15~20mmで、黒や灰色をしているのが特徴です。若緑色の幼虫は体長30~50mmほどで、頭の後ろに黒いまだら模様がある種類や、体の両側にピンク色の斑点を持つものもいます。

日本各地に生息し、成虫が飛んできて植物の葉に卵を産み付けていくことで発生します。1匹当たり1,000~3,000粒ほどの卵を産むため、ふ化すると大量発生します。

卵は直径0.6mmほどで、まんじゅうのような形をしています。卵から生まれた幼虫は、昼間は土中に隠れ、夜になると集団で這い出てきて、植物の葉脈以外を食害します。

幼虫は1ヶ月ほどで蛹になると、土の中で休眠し、ふ化して成虫になります。

ヨトウムシ(夜盗虫)の被害は?発生しやすい時期はいつ?

ヨトウムシ 被害

家庭菜園の野菜や庭で育てているバラなど、100種類以上の植物に害を及ぼします。

雑食なうえに食欲旺盛で、集団で活動するため、野菜の食用部分がなくなる、表皮や葉脈を残して葉が食べ尽されるなどの被害がでます。

新芽を好んで食べるため、芽を全て食い尽されて野菜や植物は全く育たなくなり、枯れてしまいます。

ヨトウムシは、春から初夏と秋に卵を産み付けます。春に産卵した卵は夏になると蛹になって夏を越し、秋に成虫になります。

秋に産み付けられた卵は、蛹の状態で冬を越し、春には成虫になって他の場所に飛んでいきます。

ヨトウムシ(夜盗虫)の殺虫剤や米ぬかを使った駆除方法は?

ヨトウムシ 食害

ヨトウムシは密集して産卵するので、葉をよく観察することで卵を発見し、駆除できます。卵の段階が最も駆除しやすいので、できるだけ早期に発見するようにしましょう。

以下に、卵や幼虫、蛹の駆除方法をいくつか紹介します。

1. 葉を切り取るか、手作業で取り除く

葉裏に卵を見つけたら、葉ごと切り取り処分します。葉の表皮が白くなっているものを見つけたら葉裏を確認します。

幼虫のときは集団で活動しているので、発見したら葉ごと処分するか、手袋をしてそのまま手ですりつぶしまいましょう。

2. 殺虫剤

ヨトウムシに効果のある、オルトラン水和剤などの殺虫剤をまいて駆除していきます。薬剤によっては益虫も減ってしまうので、ヨトウムシにだけ効果のある殺虫剤を使用してください。

また、土中に潜んでいる幼虫を駆除するために、誘殺剤を株元にまくのも効果的です。

3. 米ぬかでおびきよせる

ヨトウムシは米ぬかが好物なので、風で飛んだり雨で濡れたりしない場所に米ぬかを置き、ヨトウムシをおびき寄せて殺虫剤や手作業で退治します。植物に薬剤を使用したくない方におすすめです。

ヨトウムシ(夜盗虫)の対策!効果的な予防方法は?

例年、ヨトウムシの被害に悩まされる方は、畑やプランターであればネットで囲う、トンネル掛けをするなど、成虫が卵を産み付けるのを防ぐようにしましょう。

また、真夏を過ぎた春と秋が発生時期なので、春と秋にオルトラン粒剤・水和剤、マラソン乳剤などの殺虫剤や防虫効果のある薬剤を散布しておくと効果的です。

あえて、好物の米ぬかを部分的に置いておびき寄せ、一気に駆除するのもおすすめですよ。

ヨトウムシ(夜盗虫)は見つけらた葉ごと退治しよう

ヨトウムシは、放っておくと植物全体を食い尽してしまう可能性があります。見つけたらすぐに退治して、侵食された部分の葉っぱは処分しょうましょう。

日頃から葉水などで葉っぱを見る習慣をつけて、植物たちの健康をサポートしてあげてくださいね。

更新日: 2022年01月23日

初回公開日: 2015年08月25日

関連コンテンツ