塩で炒めて、シャキシャキの食感を楽しむクウシンサイ。茎の中が空洞になっていることから名付けられた野菜です。高温多湿の環境を好むことから、家庭菜園でも育てやすいんですよ。今回は、そんなクウシンサイの栽培について、育て方のポイントや種まきの時期などをご紹介します。
クウシンサイ(エンサイ)の学名・原産国・英語
- 学名
- Ipomoea aquatica
- 科・属名
- ヒルガオ科・サツマイモ属
- 英名
- Water Morning Glory
water spinach
kang kong
- 原産地
- 東南アジア
- 収穫期
- 6~11月
- 別名
- エンサイ
エンツァイ
夏サラダ
ヨウサイ
ウンチェーバー
朝顔菜(アサガオナ)
クウシンサイ(エンサイ)とは?どんな野菜?
クウシンサイとは、ヒルガオ科・サツマイモ属に分類される野菜です。クウシンサイという名称は商標登録されていることから、「エンサイ」「朝顔菜」などの名前で野菜売り場に並ぶことも多いです。東南アジアを原産とし、沖縄を経由して日本全国へ広がっていきました。近年の研究で、根が塩分を吸い上げることがわかり、塩害にあった土地でも栽培できるとして注目を集めています。また、水上でも栽培ができる性質を活かして、湖沼の水質浄化材としても役立っています。
サツマイモの中もツル性多年草ですが、野菜としては一年草扱いで、葉っぱと茎を収穫します葉っぱは長い卵型で、9~10月頃になると朝顔に似たラッパ状の白や薄紫色の花を咲かせます。この花が咲くと茎葉が硬くなり、収穫の適期を迎えます。
クウシンサイ(エンサイ)の栄養素と効果・効能は?
クウシンサイにはカルシウム、ビタミンB・C・E、β-カロテン、鉄分、ポリフェノール、食物繊維、カリウム、葉酸などが多く含まれています。よくほうれん草と比較されますが、クウシンサイに含まれるそれぞれの栄養素はほうれん草の2倍から4倍もあるとされています。しかもほうれん草と違ってエグミがないので食べやすく、炒めものやおひたしなど幅広いレシピに利用して楽しめますよ。
クウシンサイ(エンサイ)の育て方のポイントは?
日当たりのよい場所で育てる
クウシンサイは、日当たりのよい場所で育てるのがポイントです。ただ、生育が旺盛で、あっという間に畑を覆い尽くし、隣接する土地まで茎を伸ばしてしまうことがあります。そのため、茎は誘引し、早めに収穫してください。
また、生育温度は25~30度で、真夏の日差しにも強い丈夫な野菜です。ただ、日光が少ないと生育不良を起こしたり、病害虫に掛かりやすくなったりします。
クウシンサイ(エンサイ)の種まきの時期と方法は?
クウシンサイの種まきは、5~8月上旬が適期です。ツルが伸びる品種とそうでないものがあるので、自分が育てるスペースに合った種をまず選んでください。スペースが狭いときは、ツルの伸びないものを選びます。丈夫な野菜なので、その後の栽培はとても簡単ですよ。また、種は地面に直接まいても育てられますが、植えられる数が決まっている家庭菜園では、苗まで育ててからプランターや畑に植えた方が無駄なく栽培を楽しめます。
- 種を一晩水に浸けておく
- セルトレーに種まき用の培養土を入れて、湿らせる
- 指で穴を開け、種を3~4粒まく
- 軽く土を被せる
- 土が乾かないよう水やりをして管理する
- 1週間ほどで発芽したら、土が乾いてから水やりをする
- 本葉が2~3枚生えたら、生育のよい株を選んでプランターや地面に植え替える
クウシンサイ(エンサイ)の苗植えの時期と方法は?
種まきから1週間ほどたち、本葉が2~3枚生えたら、苗をプランターや地面に植え替えます。地植えは、植え付ける2週間前から土作りをはじめるので、種まきをしたタイミングで行うと安心です。
プランター
深さ30cm、横幅60cmプランターに2~3株が植え付けの目安です。株同士の間隔は、最低20cmは空けるようにしてください。また、野菜用培養土を使うと土作りも簡単です。
- プランターの底に鉢底石や軽石を敷く
- 土をプランターの縁から2~3cmほど下のところまで入れる
- スコップで苗よりも一回り大きな穴を空ける
- 苗を穴に入れ、周りに土を入れて安定させる
- たっぷりと水やりをする
地植え
- 苗を植える2週間前に土作りを始める
- 1㎡あたり150g(コップ1.5杯くらい)の苦土石灰をまいて耕す
- 1週間後に堆肥を1㎡あたり2kgと、野菜用化成肥料を200g土に混ぜ込む
- さらに1週間後、幅60cm高さ10~15cmのうねを立てる
- 株同士の間隔が30~50cmほど空くよう植え穴を掘る
- 苗を植えて株元に土を寄せる
- たっぷりと水やりをする
クウシンサイ(エンサイ)の水やり、肥料の与え方
水やり
クウシンサイは、高温多湿の環境を好みます。鉢植えは、いつも土が湿っているくらいでかまいません。地植えは、乾燥が激しいときだけ水やりをするくらいで大丈夫です。株元にビニールを張ったり、ワラで覆ったりすると乾燥が防げますよ。
肥料の与え方
クウシンサイにたくさんの肥料を与えると、茎葉が茂って収穫量も増えます。苗植えをした後は、収穫が終わるまでの11月頃まで、毎月1回固形の肥料を施します。もしくは、1週間に1回液体肥料を水やり代わりに与えてください。
クウシンサイ(エンサイ)の収穫の時期と方法は?病気や害虫の心配は?
苗植えから30~40日ほどたち、草丈が20cmほどになってきたら、1回目の収穫を兼ねて摘心します。先端から15cmほどのところを、ハサミでカットしていきます。そこから新たにわき芽が生えて、株がこんもりと茂っていきますよ。その後は、草丈20~30cmほどになったらその都度収穫していきます。11月頃まで収穫を楽しめます。
クウシンサイは、丈夫な野菜で、苗植えから収穫までの間隔が狭いことから、病害虫の心配はほとんどありません。
クウシンサイ(エンサイ)は栽培が簡単な野菜
夏の高温にも強く丈夫なクウシンサイは、家庭菜園にはじめて取り組む方でも失敗なく育てられる野菜です。畑がなくても、プランターに植えてベランダで育てられるところもおすすめのポイント。ただ、丈夫すぎて、思ってもいないところまで広がってしまうこともあります。ツルありとツルなしの種類があるので、種を買うときにチェックしておくと安心です。
更新日: 2016年07月18日
初回公開日: 2016年07月18日