アイビーは観葉植物として有名なだけではなく、その茎(ツル)を生かして屋外のフェンスや壁面などの緑化によく利用されています。どうしてそんなにも色々な場面で活躍できるのでしょうか。実は、アイビーが色々な場面で活躍できる理由の1つに繁殖力の高さがあります。今回はそんな観葉植物として楽しむアイビーの増やし方について、挿し木や水挿しの時期や方法に焦点をあててご紹介します。
アイビー(ヘデラ)とは?どういう増やし方があるの?
アイビーとは1年中緑の葉っぱをつける常緑性の観葉植物です。地をはうように茎を伸ばすツル性の植物なので、生長するほど横へどんどん広がります。
そんなアイビーの栽培に慣れてきた頃に挑戦したくなるのが「繁殖(数を増やす行為)」ですよね。アイビーは切りとったツルを育てて根を生やさせ(発根させ)、そのツルを新しい苗として栽培し、数を増やしていきます。
アイビーを増やす1番簡単な方法は「挿し木」です。他にも「水挿し」や「株分け」という繁殖方法もあります。
ただ、初めてアイビーを増やす人は手軽で、かつ、根の生える確率の高い「挿し木」や「水挿し」に挑戦するのがおすすめです。今回はその2つの方法にしぼってご紹介します。
アイビーの増やし方!挿し木・水挿しとは?
アイビーを増やす「挿し木」と「水挿し」の仕組みは単純です。
どちらも「切りとったツルを発根させて苗にするだけ」で、何を土壌とするのかが違います。挿し木は切ったツルを「土」へ挿し、水挿しは「水」に挿して根を生やさせます。
次からは、それぞれの繁殖方法について、用意するグッズや作業手順などを細かくご紹介します。
アイビー(ヘデラ)の増やし方!挿し木の時期や方法は?
挿し木はアイビーの一般的な増やし方の1つです。一度経験してしまえば誰でも簡単にができますよ。
挿し木をするなら、4~10月の生長が盛んな時期に発根させるのがポイントです。早ければ2~3週間、遅くとも1ヶ月くらいで根が出てきますよ。
挿し木に必要なグッズ
- 鉢植えのアイビー
- 鉢
- 土(挿し木用の土、赤玉土、鹿沼土など)
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- コップなど水をためられる容器
- 割りばし
- 発根促進剤
挿し木の手順
- アイビーのツルを10cmくらいの長さに切る
- 切り口側の葉っぱを切り落とし、反対側は何枚か葉っぱを残す
- 水を入れたコップに切り口を1時間ほど浸ける
- 水気をきり、切り口に発根促進剤をつける
- 鉢の底に鉢底ネット、鉢底石、土の順に入れる
- 水やりをして土を湿らせる
- 割りばしや指で鉢の縁の土に穴を空けてツルを挿し込む
- ビニールの袋で鉢を覆って根が出るまで土が乾かないよう水やりをする
- 直射日光の当たらない所で管理する
- 根が生えて新しい葉っぱが出たりツルが伸びてきたら植え替える
挿し木にしたアイビー(ヘデラ)の育て方は?
根が生えたあとのアイビーは少し育て方が変わります。まずは養分のある土に植え替え、水やりは土が乾燥してから与えるようにしましょう。
植え替えに必要なグッズ
- 挿し木にしたアイビー(挿し穂)
- 一回り大きな鉢
- 観葉植物用の培養土
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- ブルーシートや新聞紙
植え替えの手順
- 水やりを控えて挿し木の鉢の土を乾燥させておく
- 床やテーブルにブルーシートか新聞紙を敷く
- 新しい鉢の底に鉢底ネット、鉢底石、土の順に入れる
- アイビーを土から引き抜く
- 指か割りばしで土に穴を空ける
- 穴にアイビーを挿し込む
- 周りに土を入れる
- 水やりをして1週間ほど涼しくて明るい日陰で管理する
- 徐々に日当たりのよい場所に移動させる
アイビー(ヘデラ)の増やし方!水挿しの時期や方法は?
アイビーの挿し木がうまくいったら「水挿し」にチャレンジしてみてはいかがでしょう。やり方は簡単で、「水を入れたコップに切り口を1時間ほど浸ける」の部分を「水を入れたコップに挿し込む」へ変更するだけです。
「1週間ほど涼しくて明るい日陰で管理したら徐々に午前中に日のあたる場所に移すこと」「毎日水を入れ替えること」の2点を守ると、根が出てきて生花のようなインテリアとして飾って楽しめますよ。
4〜10月はこの状態で楽しめますが、気温が下がってくると水温も下がってアイビーが枯れてしまうので、10月中には土へ植え替えてください。
植え替えの方法は、挿し木の根が出てから鉢に植え替える方法と同じです。
アイビー(ヘデラ)の挿し木で根が出ない原因は?
アイビーの挿し木や水挿しに挑戦して根が出てこなかったことはありませんか?気温の低い時期に行うと失敗する確率が高くなります。
根が出てこない原因は、気温が低いこと、ツルに生命力がなかったことが考えられます。また、寒い時期だと根の生長が鈍くなるので、根が生えていても枯れてしまうことがあります。
「根が生える前後はできるだけ気温が高い時期を選ぶ」ことや、そもそも「挿し木のに使うツルの本数を増やす」ことが挿し木を成功させるコツです。
アイビー(ヘデラ)の増やし方を覚えて部屋に飾ろう
アイビーは、育成や増やすことに手間のかからない、初心者にやさしい植物です。また、建物にツルを絡ませたり、寄せ植えやフラワーアレンジメントにしたりと、楽しみ方にも幅があります。アイビーを挿し木や水挿しで増やして、自宅に飾ってみてくださいね。
更新日: 2023年04月18日
初回公開日: 2015年08月12日