幹の膨れた様子がかわいらしいガジュマル。同じ樹形のものには出会えないといわれるほど見た目がユニークで、複数の鉢植えを育てて楽しんでいる方も多くいます。増やし方を知っていると、その後の飾り方の幅も広がりますよ。今回は、挿し木でガジュマルを増やす方法をメインに、種まきの方法も合わせてご紹介します。
ガジュマルは増やせるの?挿し木とは?
自然界のガジュマルは、種によって数を増やします。しかし、市販されているほどの大きさに育つまでには、長い年月がかかります。そのため、自宅で増やすときは、枝を使います。
「挿し木(さしき)」とは、ガジュマル本体から切り取った枝を使って新しい苗を生み出す方法です。やり方はシンプルで、枝を土に挿すだけ。必要なグッズも少ないので、はじめての方でも気軽にチャレンジできますよ。
ガジュマルを挿し木するときに準備するものは?
- 鉢に植えられたガジュマル
- ビニール製の小さな鉢
- 挿し木用の土
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- コップなど水をためられる容器
- 割りばし
- 発根促進剤
ガジュマルを挿し木で増やすときは、「挿し木用の土」という名前で販売されている肥料の入っていない土を使います。
いつも使っている観葉植物用培養土には肥料が含まれているので使えません。肥料が、枝の切り口を腐らせて根が生えなくなる可能性があるんですよ。発根促進剤(はっこんそくしんざい)とは、植物が水や栄養を吸収する力を高めてくれる薬剤です。枝の切り口に塗ると光合成をする力が高まり、根が生えやすくなります。
ガジュマルはもともと力強い植物なので、なくてもかまいませんが、使うと挿し木の成功率がグッと上がりますよ。
ガジュマルを挿し木する時期と方法は?
ガジュマルの挿し木はよく生長する5〜7月が適切なタイミングです。秋以降に挿し木をしても、ガジュマルは休眠しており根を生やさないので、時期は間違わないようにしてくださいね。
ガジュマルの挿し木手順
- ガジュマルの枝を8~10cmくらいの長さに切り取る
- 先端の2〜3枚を残し、他の葉っぱは全て摘み取る
- 残した葉っぱが大きければ、半分にカットする
- ガジュマルの枝の切り口から出る白い樹液を水できれいに洗い流す
- 水をためたコップにガジュマルの枝の切り口を数時間つける
- ビニール製の鉢の底穴に鉢底ネットをかぶせ、鉢底石を敷き詰める
- ビニール製の鉢の8割くらいまで土を入れ、水で湿らせる
- 土の中心に割りばしや指で穴を空け、ガジュマルの枝を挿す
- 土が乾かないよう水やりをしながら、直射日光の当たらない明るい場所で管理する
- 根と新しい枝が生えてきたら、苗として新しい鉢へ植え替える
苗になったガジュマルはどう育てていくの?
無事に根を生やし、挿し木が成功したガジュマルの苗は、育てつづけるために新しい鉢へ植え替えます。ここでは、苗を鉢へ植え替えるために必要なグッズと手順をご紹介します。他の植物の苗植えや植え替えにも応用できるので、覚えておいて損はないですよ。
ガジュマルの植え替えに必要なグッズ
- ビニール製の植木鉢よりも一回り大きな新しい鉢
- 観葉植物用の培養土
- 鉢底ネット
- 鉢底石
ガジュマルを植え替える手順
- 新しい鉢の底穴に鉢底ネットをかぶせる
- 鉢底石を鉢の底面に敷き詰め、土を鉢の1/3ほど入れる
- ビニール製の鉢から挿し木したガジュマルの苗を抜き出す
- ガジュマルの根についた土を手でほぐしながら落とす
- 新しい鉢の中心に根を広げながら苗を置く
- 土を新しい鉢の縁から下1〜2cm下まで入れ、たっぷりと水やりをする
- 日光の当たる量が徐々に増えるよう、1週間ごとに場所を移動する
- 普段通りガジュマルを育てる
ガジュマルは他に増やし方があるの?
ガジュマルは、挿し木以外に種まきでも数を増やせます。種を手に入れるためにはまずガジュマルの花を咲かせる必要があります。ただ、花が開花する条件は詳しくわかっておらず、家庭で育てていてもめったに見ることはできません。
種から栽培したい方は、インターネットでたまに販売されているので探してみてください。
■準備するグッズ
- バケツなど水をためられる容器
- 小さめの鉢
- 種まき用培養土
■ 種まきの手順
- バケツに水をためる
- 種を水洗いして発芽抑制物質を落とす
- 水に浮かんでいるゴミや土を落とす
- 底に沈んだ種を数回すくっては水に浸けてを繰り返す
- 種を洗い終えたら、鉢に種まき用培養土を入れる
- 土をジョウロで湿らせ、種をまく
- 種に土はかぶせず、直射日光の当たらない明るい場所で管理する
- 2〜4週間ほどして芽が出てきたら、徐々に日が当たる場所へ移す
- 半年くらい経ってしっかりしてきたら、苗木と同じように鉢や庭に植え替える
ガジュマルの気根は太く成長させられるの?
自然に近い環境で大きくなるので、種まきから育てたガジュマルの苗は気根が太く成長します。栽培がむずかしいにもかかわらず、種が販売され、種まきにチャレンジしたい方が多いのはこのためです。
一方、挿し木は手軽に行えますが、「気根が太く成長しない」とされています。どうして気根が太くならないのか、詳しい理由はわかっていません。
ガジュマルのユニークな形を作り出すのはむずかしいかもしれませんが、大きくはなるので、枝や葉っぱなど気根以外の部分に注目して育ててみましょう。
挿し木で増やしたガジュマルは葉っぱを楽しむ
ガジュマルを挿し木で増やすと、葉っぱや枝の魅力にあらためて気付かされます。青々と茂る葉っぱは涼しげで、枝の生え方は繊細さと力強さを合わせもっています。そんな新しい発見をしてみませんか。
更新日: 2021年08月04日
初回公開日: 2017年01月25日