グロリオサは、英語で「Glory lily(栄光のユリ)」「Fire lily(炎のユリ)」と呼ばれるユリ科の花です。真っ赤な花びらは、力強い生命力を感じさせますね。ユリというと女性的なイメージがありますが、グロリオサは独特の花姿から、男性への花束にもよく使われます。今回は、グロリオサの花言葉や品種、球根からの栽培方法といった育て方についてご紹介します。
グロリオサの花言葉は?
『栄光』『勇敢』『燃える情熱』『頑強』
「栄光」「燃える情熱」は炎のような赤に黄色の縁取りがある冠のような花姿に由来しています。
グロリオサの花の色や別名は?
- 学名
- Gloriosa
- 科・属名
- ユリ科・グロリオサ属
※イヌサフラン科・グロリオサ属
- 英名
- Gloriosa
Glory lily
Flame lily
Fire lily
Climbing lily
- 原産地
- アフリカ、熱帯アジア
- 開花期
- 7~9月
- 花の色
- 赤、白、ピンク、オレンジ、黄、複色
- 別名
- 百合車(ユリグルマ)
狐百合(キツネユリ)
つるユリ
グロリオーサ
グロリオサとはどんな花?名前の由来は?
グロリオサは、アフリカや熱帯アジアに自生するユリ科の植物です。つるを伸ばして生長し、草丈は80~150cmになります。細長い花びらの縁が波うち、上向きに花を咲かせます。
学名は、ラテン語で「光栄:gloriosus(グロリオサス)」が語源で、火が燃えているかのような花姿に由来しています。和名のキツネユリは、花の形が狐の顔のように見えることにちなんで付けられました。
毒性
株全体にコルヒチンという有毒成分を含んでいます。誤って食べると、吐き気や下痢、発熱が引き起こされ、臓器不全によって死に至る場合があります。特に球根が山芋と似ており、誤って食べて死亡した例も厚生労働省から報告されているので注意してください。
グロリオサの種類や品種は?
原産国のアフリカ、熱帯アジアに5~10種類が分布しています。以下に、代表的な品種をいくつかご紹介します。
グロリアス・ロスチャイルディアナ
最も多く流通している品種で、アフリカのコンゴが原産です。花びらは10cmほどと大きく、赤に黄色の縁取りが入ります。イギリス園芸界の後援者だった、ロスチャイルド男爵の名にちなんで名付けられました。
グロリオサ・ルテア
黄色の細い花びらが特徴の品種です。草丈が高く、150~200cmにまで生長します。
ミサトレッド
グロリオサの育種が盛んな高知県三里で生み出された品種です。他の品種とくらべて花びらの赤色部分が多く、葉色が濃いことが特徴です。草丈が長く、茎は細くて弾力があります。
グロリオサ・サザンウィンド
ミサトレッドとトロピカルレッドを掛けあわせ、草丈が15~20cmと短くなるように開発された品種です。花の色や大きさはミサトレッドと同じです。茎が太く、切り花や生花に使いやすいです。
グロリオサの育て方のポイントは?
グロリオサは、放っておくとつるを伸ばして倒れてしまうので、フェンスの付近に植えてるか、朝顔用のあんどん支柱を鉢に立てて、誘引しながら育てるのがポイントです。また、球根は湿気に弱いので、雨をよけられる場所に植え付けましょう。
グロリオサの球根の植え付け時期と方法は?
球根を4~6月に植えて育てていきます。地植えもできますが、湿気が苦手なので、場所を移動させやすい鉢植えがおすすめです。
鉢植え
水はけのいい土を準備し、深さ5cmほどのところに球根を水平に置きます。根が下に向かって伸びるので、深さのある6号以上の鉢に、2~3球植えるのが適当です。
地植え
植え付ける前に、10~15cm土を耕しておきます。そして、5~10cmの深さに球根を水平に置きます。球根どうしの間隔は10~15cmとり、植え付けた後は水をたっぷり与えてください。
グロリオサの土作り、水やり、肥料の与え方
土作り
水はけがよく、栄養の多い土を好みます。鉢植えは、赤玉土(小~中粒)6:腐葉土4の割合で混ぜたものか、市販の草花用培養土を使いましょう。地植えは、耕した土に2割ほど腐葉土を混ぜ込んでおくとよいですよ。
水やり
地植えは、植え付け時に水を与えた後は、水やりの必要はありません。ただ、雨に濡れて湿気が多くなると、球根が腐ってしまうので、梅雨は雨よけをすると安心です。
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。湿気に弱いですが、乾燥にも弱いので、夏の暑い時期は土の状態をよく観察しましょう。また、日中に水やりをすると蒸れてしまうので、朝か夕方の涼しい時間に水を与えてください。秋になると生育が鈍るので、水やりの回数を減らしていきます。
肥料の与え方
植え付けるときに、ゆっくり効く緩効性の化成肥料を土に混ぜておきます。そして、花が咲き終わる9月までは10~14日に1回液体肥料を与えるか、植え付け時と同様の肥料を土にまきます。
グロリオサの手入れ!支柱の立て方や花がら摘みの時期と方法は?
支柱の立て方
6~8月に支柱を立てて、つるを伸ばしやすくします。鉢植えは、朝顔用のあんどん支柱を使うと便利ですよ。麻ひもやビニール紐でつるを支柱に軽く結べば完了です。新しいつるは柔らかく曲がりやすいので、早めに支柱を立てるのがポイントです。
花がら摘み
花が咲き終わった後にできる種は、球根の栄養を奪ってしまいます。そのため、枯れた花は花首から摘み取っていきます。
グロリオサの植え替え!球根を掘り上げる時期と方法は?
気温が5度を下回ると、球根が腐りやすくなるので球根を掘り上げます。葉が黄色くなる10~11月頃、球根を掘り上げ、10度以上が保てる日陰に置き、数日間かけて乾燥させます。
乾いた球根は、パーライトやもみ殻、おがくず、バーミキュライトに埋めて、春まで貯蔵します。そして、4~6月に植え付け時と同様の手順で鉢や地面に植え替えます。
グロリオサの増やし方!分球の時期や方法は?
2~3年育て続けると、球根が二股に分かれます。この割れ目を切って、別々に植え付けることで株を増やすことができます。掘り上げた直後に分けると、切り口から雑菌が入ってしまう可能性があるので、乾燥させ、植え替えるときに切り分けるようにしましょう。
グロリオサのかかりやすい病気や害虫は?
アブラムシ、ハダニ
5~11月の時期に発生しやすい害虫で、植物に寄生して栄養を吸い取り、弱らせてしまいます。また、アブラムシの排泄物はすす病を誘発する可能性があります。見つけたらハブラシやガムテープで株から引きはがすか、薬剤を散布して駆除します。
グロリオサは花束やアレンジメントに人気の植物
グロリオサは、ユニークな花姿と鮮やかな花色が特徴の植物です。見た目が印象的なことから、花束やスタンド花の主役になってくれます。また、「栄光」「勇敢」といった花言葉から、開店祝いや退職祝いのプレゼントにおすすめですよ。大切な人へプレゼントする花束やアレンジメントに、ぜひ1輪加えてみてください。
更新日: 2021年08月04日
初回公開日: 2015年09月25日