ジャスミンとは、南国が原産の植物で、暑さに強く寒さに弱い植物です。ハーブティやアロマオイルにも利用される、身近なハーブですよね。今回はジャスミンの育て方について、苗の植え方や時期、水やり・肥料・土のポイント、剪定方法や挿し木の増やし方などをご紹介します。
ジャスミンとは?どんなハーブ?
ジャスミンは、モクセイ科ソケイ属の総称です。名前はペルシャ語の「Yasmin(神からの贈り物)」に由来し、原産地が暑い地域であることから、生育温度は高く、寒さに弱い性質を持ちます。
ジャスミンは鑑賞用以外だと、主に香水やお茶に用いられます。特に、ジャスミンティーは精神安定効果以外にも、美肌効果や女性ホルモンのバランスを整える効果などもあり、女性に人気の高い飲み物です。
ジャスミンは種まき?苗木の植え付け?
ジャスミンは実をつけるかどうか、それを種にして増やせるかどうか、詳しくわかっていません。実をつけること自体が珍しい植物なので、基本的に挿し木で増やすのが一般的です。
挿し木して根付いたものを苗木にして販売されているので、まずは苗木を購入するところからスタートしましょう。
ジャスミンは品種が多く、寒さに強い弱い、背丈がどこまで大きくなるかなど様々です。住んでいる地域や鉢を置く場所、庭の広さを考慮して品種を選ぶことが大切です。
ジャスミンの苗の植え方や植え付け時期は?
ジャスミンの植え付けに適した時期は3月下旬~4月下旬頃で、朝に霜が降りないくらい十分暖かくなってから行うようにします。
秋に行う場合は9月下旬~10月下旬頃です。他のハーブと同様、中性~弱アルカリ性で水はけのよい土を好みます。
ホームセンターなどで販売されているハーブ用の土を使うのが一般的ですが、自分で作る場合、赤玉土6に対して腐葉土4の配合で用土を作ります。もみ殻くん炭を混ぜるのも一つの方法です。
庭にある土や使用済みの土は使わないようにしましょう。日当たりと風通しの良い場所を選びましょう。
●鉢植え
まず鉢の底に小石や軽石を敷いて土が出ていかないようにします。
その後、用土を鉢の8分目まで入れて、真ん中に穴をあけてから、根に土がついた状態のままのジャスミンを植えていきます。穴に埋めた後、根元まで土がかかるように覆ってください。
●地植え
地植えの場合は水はけに注意が必要です。水はけの良い土にするだけでなく、他のハーブ同様、傾斜のついた場所に植え付ける、周りに溝をつくるなどの工夫をするのがおすすめです。
また、夏場は直射日光で葉焼けしてしまうので、半日陰ができるような場所に植え付けるようにしましょう。
ジャスミンの育て方のコツや注意点は?
ジャスミンは日当たりの良い場所を好むため太陽の光がよく当たる場所に置くようにします。
春と秋は一日中光が当たる場所で管理します。夏は日差しが強いため、葉焼けしてしまうことがあるので、鉢植えの場合、昼間は半日陰の場所に移動させてあげましょう。
注意が必要なのは6月~7月の梅雨の季節です。水が多いと生育が悪くなり、枯れてしまうこともあります。
鉢植えの場合は雨除けをし、庭に植えている場合はマルチを張ったりわらを敷いたり、もみ殻くん炭を混ぜたりして水はけをよくしましょう。
冬はなるべく室内に入れます。暖地で育てる場合は屋外でも枯れませんが、雪が降る地域では屋内で育ててください。
耐寒温度は2~5℃程度です。屋内だと日光が入りにくいため葉っぱが黄色くなりがちです。窓に近い場所においてなるべく日光に当てるようにすると健康に育ちますよ。
ジャスミンの水やり、肥料のポイントは?
鉢植えの場合、表土が乾いたら水やりを行いましょう。夏は毎日水やりをするようにします。葉に当てると光合成ができないため、根元に水をやるようにします。
地植えの場合は基本的に水やりの必要はありません。ただし、夏場に極度の乾燥で土がからからになるほど水分がない場合、朝か夕方に水やりをしてあげましょう。
肥料は2月~3月頃に寒肥として、窒素、リン酸、カリを含んだハーブ用の肥料や油かすなどの有機化成肥料を与えます。
開花後の5月~6月頃にも同様の肥料を与えると、その後も順調に生長していきます。固形の肥料の場合、根元に近い場所だと肥料焼けをしてしまうため、できるだけ離れた場所に置きましょう。
液体の肥料は水に薄めてあげるようにします。肥料が足りていなかった場合、開花時期につぼみをつけても茶色に変わって花が咲かないこともあります。その場合、速効性のある液肥をあげると効果的です。
ジャスミンの挿し木での増やし方は?
開花後の時期(ハゴロモジャスミンの場合は8月~9月頃)に、充分に生長した固い枝を選び、枝の先から3~5節に切ります。
時間ほど水に浸し、新しい用土に挿して土を盛り、たっぷり水やりをしましょう。根を張るまでは明るい日陰に置き、乾かさないように、適度に水やりをして管理します。
ジャスミンの剪定の方法や時期は?
ジャスミンは繁殖力が強いため、上手に管理していくためには毎年の剪定が必要不可欠です。
花後なるべく早い時期(ハゴロモジャスミンの場合は6月頃)に、脇から出たつるを1/3から2/3程度切り戻しましょう。
大きさを維持したいと思って主要なつるまで強剪定すると、翌年に花が咲かない場合もあるのでご注意ください。
ジャスミンを植え替えるときのコツは?
植え付けや植え替えをするときは、あまり土を落とさないことがポイントです。ジャスミンは根が傷つきやすいので、土を落とすだけで根が切れてしまい、その後の生育が悪くなってしまいます。
軽く根鉢を手で崩す程度にしましょう。植え替えたあとは1週間ほど日陰に置いて養生し、根が伸びてくるのを待ちます。
鉢植えの場合、背が大きくなってきたら植え替えを行い、背が高い支柱に交換して、つるを巻き直してあげるのもポイントです。
ジャスミンは品種によって育て方が異なる
ジャスミンは多くの品種があるため、開花時期は変わってきます。それに伴い肥料をあげる時期が変わってくるため、品種によって施肥の時期を決めてくださいね。
更新日: 2022年02月22日
初回公開日: 2015年05月11日