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ユリ(百合)の育て方|球根の植え方や掘り上げ時期、植え替え方は?

華やかなイメージをもつユリの花は、結婚式や贈答花としての人気が高いですよね。古くは食用、薬用に栽培されており、江戸時代以降から観賞する目的で花が栽培されるようになりました。今回は、世界中で愛されているユリの花の育て方について、球根の植え替え時期や方法などをご紹介します。

ユリ(百合)の育て方は簡単?

ユリ 百合

ユリは、その花の美しさと栽培のしやすさから海外でも人気の植物です。初夏の、花壇をセンスよく彩ってくれる華やかな花です。

開花の時期になるとユリのいい香りが庭を包みます。たくさん育てて、切り花にして楽しむのもおすすめですよ。

ユリ(百合)の球根からの育て方!鉢植えや地植えの時期と方法は?

ユリは、秋植えの球根性植物なので、10~11月が球根を植える適期です。鉢植えか地植えにして育てることができます。

鉢植え

1. 球根の3倍ほどの直径で、深さがある鉢を選ぶ
2. 鉢底石を敷いた鉢の上に土を入れる
3. 球根1個分以上の深さに植える

※植える位置が浅いと、土から養分と水分を吸収する「上根」がしっかりとはらず、生育が悪くなってしまうので注意してください。

地植え

球根を植える1~2週間前に、土壌を深さ30cm以上よく耕しておきましょう。

そして、球根を1.5~2個分の深さのあたりに植えます。球根をいくつか植えるときは、株同士の間隔を球根3個分空けてください。

ユリ(百合)の育て方!土作り、水やり、肥料の与え方は?

土作り

ユリは種類によって好みの土質が違います。鉢植えの場合は、赤玉土(中・小粒)6~7:腐葉土3~4の用土で、場合によって川砂を混ぜるようにしましょう。

地植えの場合は、種類ごとに好みの土質の場所に植えるようにしてください。

また、園芸品種の場合は、市販の草花用培養土や球根植物用の土を用いてもかまいませんが、野生種の場合は球根が腐りやすいので、鹿沼土や桐生砂などを多めに混ぜるとおすすめです。

● 粘土質を好む種類:テッポウユリ、ロンギフローラム・ハイブリッド系など
● 軽めで有機質な土を好む種類:ヤマユリ、ササユリ、オリエンタル・ハイブリッド系など
● 砂質で水はけのよい土を好む種類:スカシユリ、アジアンティック・ハイブリッド系など

水やり

地植えの場合は、植える時にたっぷりと水やりをした後は天候任せにし、日照りが続くなど土が乾いた状態が続いたときだけ与えるようにします。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりを行いましょう。ユリは球根の乾燥を嫌うので、土の乾燥には注意してください。

肥料

肥料は元肥として、球根を植える時に、ゆっくりと効く緩効性の化成肥料を少量施しておきます。

その後は、芽を広げ始めたときと花が咲き終わった後に1回ずつ粒状の化成肥料を少量株元に与えるか、芽が出始めてから2週間に1回ほど液体肥料などの即効性肥料を与えるようにしましょう。

ユリ(百合)の手入れ!球根の植え付け後はいつ掘り上げる?

ユリ 百合

ユリは花が咲き終わった後に種をつけます。この種は球根の栄養を奪ってしまうので、毎年花を咲かせるためには、咲き終わった花をすぐに摘みとってしまう必要があります。

枯れた花が落ちる前に、葉や茎を残しながら、花首から切り取るようにしましょう。そして秋になり、葉も枯れてしまったら、茎を地際から切り取り、球根を掘りあげてください。

ユリ(百合)の植え替えの時期と方法は?

ユリ 百合

ユリの球根は、花や葉が枯れてしまった11月頃に、茎を地際から切り落として掘りあげましょう。

通常の球根植物は、掘りあげた後の球根を乾燥させますが、ユリの球根は乾燥を防ぐための表皮がないので、掘りあげたらすぐに新しい土へ植え替えを行います。

地植えで、株同士の間隔に余裕があれば、植え替えの間隔は3~5年に1度でかまいませんが、鉢植えの場合は毎年植え替えするようにしてください。

植え替えをしないようであれば、株元に緩効性の化成肥料を軽く施してあげるとよいですよ。

ユリ(百合)の増やし方!分球の時期と方法は?

ユリは、鱗片繁殖・木子繁殖・分球繁殖・種子繁殖・珠芽繁殖と様々な増やし方があります。

ただ、分球繁殖以外の方法は、花が咲くまでに時間がかかったり、親と同じ花が咲かなかったりすることから、一般ではほぼ行われません。

掘りあげたときに木子やむかごができていたときだけ、分球するようにしましょう。球根が乾燥しないよう、分球している部分をすぐに手で割っていきます。

このとき、上根は切り取り、下根の枯れているものは取り除くようにしてください。

ユリ(百合)の育て方で注意する病害虫は?

ユリはウイルス病にかかりやすい性質をもち、数種類のウイルスが単体もしくは複数感染し、様々な症状を引き起こします。

中でも最もかかりやすいとされるモザイク病は、アブラムシを媒介として広がるので、アブラムシを防除していくことが大切です。

アブラムシ

若い芽やつぼみに多く発生し、養分を吸汁します。植え付け時に浸透移行性の殺虫剤を予め施しておきましょう。また、アブラムシがつきやすい植物を近くで栽培しないこともポイントです。

モザイク病、葉枯病

モザイク病は、4~10月に発生しやすいウイルス性の病気です。病気にかかると、花びらにまだら模様や濃淡があらわれてモザイク状にみえてきます。

1度発病すると治らない病気なので、被害にあった株は抜き取り、焼却処分しましょう。

ユリ(百合)の育て方のポイントは?

ユリ 百合

ユリは風通しがよく、明るい場所での生息を好みます。ただ、種類によっては、半日陰を好む場合があるので、ユリの種類を確認しておくようにしておくと安心です。

また、ユリの球根は暑い環境を嫌うので、梅雨明けや夏の気温が高い時期は直射日光が当たらない場所に植えてあげてください。

日向を好む スカシユリ、テッポウユリ、オニユリ、ヒメユリ、アジアティック・ハイブリッド、ロンギフローラム・ハイブリッドなど
明るい日陰(半日陰)を好む ヤマユリ、ササユリ、カノコユリ、オリエンタル・ハイブリッドなど

ユリ(百合)を育てて華やかなガーデニングライフを

ユリ 百合

ユリの花色や花びらの大きさ、草丈などの見た目は、種類によって異なります。そのため、たくさんの種類を育てている愛好家も多くいます。

ただ、種類によって好みの土質や環境が違うので、はじめて育てる場合には注意が必要です。ユリの好みの環境を知って、元気に育ててあげられるといよいですね。

更新日: 2021年12月08日

初回公開日: 2015年07月16日

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