カボスには、美容と健康によいビタミンCや、疲労回復に効果があるクエン酸が豊富に含まれています。絞った果汁をサンマなど焼き魚にかけて食べると、さわやかな酸味が広がります。また、1年中緑の葉っぱを茂らせる、高さも2mほどであることから、庭木として栽培するのもおすすめです。今回は、そんなカボスの育て方を中心に、剪定、苗植えの方法、旬の時期や保存方法などをご紹介していきます。
カボスの育て方!苗木の植え付け時期と方法は?
カボスの苗機は、3月下旬~4月上旬に鉢や地面に植えて育てていきます。6月くらいまでなら植え付けは可能です。寒さに少し弱いので、地植えは東北地方より南の地域で楽しみます。
鉢植えの場合
7~8号(直径20cm以上)の鉢と、市販の果樹用培養土を準備します。自分で土を作るときは、水はけと水もちのよい赤玉土(小粒)7:腐葉土3の配合がおすすめですが、プラス肥料も加えて混ぜ合わせて使います。
- 鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れる
- 鉢の底から1/3~1/2くらい土を入れる
- 根についた土は崩さず鉢の中心に苗を置き、周りに土を入れて安定させる
- 上から土を軽く抑える
- たっぷりと水やりをする
- 幹を鉢の3杯くらいの高さで切り戻す
地植えの場合
日当たりと風通しのよい場所を選んで、まず土作りをはじめていきます。50×50cmの穴を掘り、土に堆肥や腐葉土と肥料を混ぜあわせておきます。その後、土を穴に戻して高さを調節しながら、苗を植えていきます。
苗の根は下の方を少し崩して広げるように植えましょう。風対策に苗の横に支柱を立てて支えます。また、1〜2年生の棒苗の場合には、植え終わったら幹を50~70cmの高さに切り戻します。
カボスの育て方!水やり、肥料の与え方は?
水やり
乾燥に弱いので、土の乾燥に気をつけましょう。鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりとしたから水が流れるまで水やりをしてください。地植えは、雨水だけで十分育ちますが、乾燥しやすい夏は水やりをしていきます。また、株元をワラやポリマルチで覆うと乾燥を防げます。
肥料
苗植えのタイミングで土に肥料を混ぜておいたあとは、2月、6~7月、9月、11月の年4回追加の肥料を施します。木は栄養を根っこの先端から吸収するので、施す時に根元を避けて株の周りにドーナッツ上に肥料をまいてください。
カボスの育て方!植え替えの時期と方法は?
カボスを鉢植えで栽培している場合は、2年に1回をめどに一回り大きな鉢に植え替えていきます。細い根をたくさん生やすので、鉢から木を抜くとき、土を崩さないよう注意してください。植え替え適期は3月下旬~4月上旬で、手順は苗植えのときと同じです。
カボスの剪定や摘果の時期と方法は?
剪定
カボスは、不要な枝を間引いて幹に日が当たるように剪定をしていきます。剪定時期の適期は2月下旬〜3月です。伸びすぎた枝や細い枝、内向きに生える枝を付け根から切り落としていきましょう。
摘果
カボスは収穫する前の6~7月に摘果をしておくと、実がおいしくなります。小さな実や傷ついた実、偏った形の実を間引いたり、葉っぱ20〜30枚に1個を目安に、小さい実や傷んでいる実をもぎとっておきましょう。
カボスの収穫の時期と方法は?
カボスは、テニスボールくらい大きくなった緑色の実を摘みとっていきます。収穫時期の目安は9月中旬頃からです。枝や幹にトゲが生えているので、長袖や軍手をつけて作業をするとよいですよ。
カボスの保存方法は?
収穫した実が黄色く熟してしまうと、香りや味が落ちてしまうので、ぜひ緑色の実を楽しんでください。収穫した実は、ポリ袋に入れて野菜室で保管しておくと、長い間よい状態を保てます。
カボスの育て方で注意する病気や害虫は?
丈夫な樹木なので、大きな病気にかかる心配はありません。ただ、カイガラムシ、ハダニ、アブラムシなど発生することがあります。スミチオン乳剤、カルホス乳剤など柑橘類の適用のある農薬を薄めて、毎月1回定期的に散布すると予防できます。
害虫を見つけたときは、ついている枝や葉っぱを切って取り除くか、薬剤を散布して駆除していきます。
カボスの育て方のポイント
強風が当たらず、暖かい日当たりの良い場所に植えることが、カボスを育てるポイントです。カボスは、枝の先端に花をつけ実がなるので、全ての枝の先端を切り詰めず、25cm以上の長い枝だけを切り詰めるようにしましょう。
そもそもカボスとは?どんな果樹?
カボスとはミカン科・ミカン属に分類される常緑樹で、実は大分県特産の柑橘類となっています。木の高さは2~2.5mほどで、幹や枝に鋭いトゲを持つことが特徴。カボスの実の皮は濃い緑色のうちに収穫して楽しみます。
クリーム色の果実は酸味が強く、独特の香りがあり、ミネラルを含んでいるので若干塩っぽい感じがあります。そのためポン酢や焼き魚の風味づけなどに利用されます。ゆずの変種とされているので、実は熟すと黄色くなるんですよ。
カボスの基本図鑑!学名・原産国・英語
- 学名
- Citrus sphaerocarpa
- 科・属名
- ミカン科・ミカン属
- 英名
- Cabos
Kabosu
- 原産地
- 日本
- 開花期
- 5月
- 収穫期
- 9~10月
- 別名
- ー
カボスとすだちの違いは?
カボスとよく似た柑橘に、すだちがあります。いずれも、ミカン科・ミカン属に分類される果樹で、果実の見た目がそっくりなので、よく間違われます。以下に、それぞれの違いをまとめました。
名前 | カボス | すだち |
果実 | 100~150g(テニスボールくらい) | 40~50g(ゴルフボールくらい) |
特徴 | ヘタが盛り上がる | ヘタが凹んでいる |
特産地方 | 大分県 | 徳島県 |
カボスの旬の時期は?
カボスは、8月~11月と、柑橘類の中では早いうちに収穫できます。8~10月に旬の時期を迎え、さわやかな香りや酸味は、焼き魚の香りづけにぴったりです。
独特な豊かな酸味で料理の味を引き立てるカボスポン酢にして鍋物に使ったり、爽やかな香りが魚独特の臭みを消すためお刺身に使ったりも良いでしょう。
疲労回復効果の高い果物、カボスの栽培を楽しもう
カボスは、9月下旬から旬を迎える酸味の強い果実です。また、果汁に含まれるクエン酸は、疲労回復効果があることでもしられています。夏が終わって疲れが出てくる頃に、料理に加えると体にもよい効能をもたらしてくれるかもしれません。
育てた木から収穫できる実を、おいしく味わってみてくださいね。
更新日: 2023年07月05日
初回公開日: 2016年08月01日