ミニバラは、木立性の草丈が短いバラです。コンパクトに収まる分、長い茎が生えてくると目立ちやすく、全体の樹形をきれいに整えてあげる必要があります。せっかく育てるなら、美しくかわいい花を長く楽しみたいですよね。そこで今回は、ミニバラの剪定の時期や方法、剪定で切った枝を使った挿し木による増やし方をご紹介します。
ミニバラの剪定とは?何のために必要?
剪定は、枝を切って枝数や長さを調節し、次の花や新芽の生長を促す作業です。古い枝や枯れた枝、咲く見込みのない蕾などを切り落とすことで、根への負担を減らし、生育のよい枝や芽を育てることができます。
ミニバラは、品種改良によって生まれたため、意図的に剪定することで、美しい花の姿や樹形を何度も楽しむことができます。
ミニバラの剪定の時期や方法は?花が終わったら切る?
ミニバラは、休眠期にばっさり切る「強剪定」から、生長期の手入れ程度の「弱剪定」まで、水やりのように日常管理の延長として剪定をこまめに行うのがポイントです。
春夏の生長期と、秋冬の休眠期の剪定を間違えてはいけません。特に、春から秋の剪定は、花芽をつける5枚葉の上あたりを必ず剪定します。今回は、目安となるスケジュールに沿って剪定方法をご紹介します。
5~8月中旬頃
最初の花が一通り咲き終わったら、2番花の開花を促します。「花がら切り」「蕾摘み」ともいい、咲き終えた花を含め、5枚葉の5~10mm上の場所で茎を切り取りましょう。
実ができるまで放っておくと、花数や枝ぶりに影響するのでよくありません。株が疲労しているようなら、一度花と蕾をすべて摘み取り、体力を回復させます。
8月下旬~9月中旬頃
全体の枝を3/4~2/3程度の高さに切り揃えて、枝の長さが均一になるように剪定してください。高さをそろえることで、秋の開花がそろいやすく、観賞価値が高まります。品種によっては、この作業の適期が異なることもあるので気をつけましょう。
10~11月頃
2回目の花がら切りです。花をつけた枝の1/2ほどの長さで、5枚葉の上を切り落とします。寒くなりはじめたら、早めに花を切って休眠させてあげると、冬の強剪定に耐えられるくらいまで体力が回復します。
12月中旬~2月中旬頃
休眠期に、強剪定を行います。休眠期は生長が少ない分、剪定のダメージも少なくなるので、全体を1/2程度の高さに切り揃えましょう。ほとんどの葉や枝が残っておらず、地表から枝だけが伸びている状態にします。株を大幅に更新することで、栄養の分散を防ぎ、春に新しい枝を伸ばすための準備が整います。
ミニバラの増やし方!挿し木の時期や方法は?
挿し木は、5月中旬~9月頃に行うことができます。ただし、30度以上が続く7月下旬~8月を除いた、5月中旬~7月中旬、9月頃が最適です。
挿し木は必ず成功(発根から開花まで)するわけではないので、できるだけ多くの枝を使って行いましょう。挿し木のために枝を切り取ってもかまいませんが、剪定したときの枝を使った方が効率的ですよ。
土作り
挿し木には、肥料成分のない土を用意します。赤玉土か鹿沼土単体、もしくはこれらにバーミキュライトやパーライト、ピートモスのどれかを同じ量だけ混ぜ合わせた土がおすすめです。
容器
1つの平鉢に数本の挿し穂を挿してもかまいませんが、その後の管理を考えて、鉢底ネットを敷いた3号ポリポットに1本ずつ枝を挿した方が便利です。ポットを素焼きの浅鉢にまとめて管理すれば、強風などで倒れる心配も少なくすみます。
方法
1. ポリポットに土を入れ、水をそそいで土を湿らせておく
2. 茎の太い部分を10cmくらい斜めに切り取る
3. 活力剤を溶かした水に切り口を浸し、1時間ほど水揚げする
4. 生育のよい5枚葉を2つほど残し、上下の葉っぱを取り除く
5. 土に割り箸で深さ3~4cmの穴をやや斜めにあける
6. 挿し穂の切り口に発根促進剤をつけ、土に挿して固定する
できあがった挿し木のポットは、直射日光や雨の当たらない明るく風通しのよい場所に置きましょう。根付くまでは土を乾かさないように注意してください。
土が乾きそうなときは、霧吹きを使って1日に2回程度の葉水を与え、葉っぱの蒸散を抑えてみてください。また、浅く水を張った容器の中にポリポットを入れ、鉢底から水を吸収するようにしておくのも効果的です。うまくいけば、1ヶ月ほどで新芽が伸びはじめ、2ヶ月もすれば鉢に植え替えできるまでに生長しますよ。
ミニバラの剪定した枝で挿し木にチャレンジしてみよう
ミニバラは、他のバラよりも草丈が低い分、剪定も手軽に行えます。感覚さえつかめれば、だれでも楽しく栽培ができますよ。挿し木は少しむずかしいかもしれませんが、剪定によって不要な枝が出たら、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
更新日: 2023年04月23日
初回公開日: 2015年11月29日