ローダンセは、カサカサした貝細工のような花を咲かせるロマンチックな花です。「everlasting flower(永久不変の花)」とも呼ばれ、ドライフラワーにしても美しい姿を長期間楽しめますよ。初夏になると白やピンクのかわいらしい花を咲かせるローダンセについて、今回は花言葉と育て方をご紹介します。
ローダンセ(ヒロハノハナカンザシ)の花言葉は?
『変わらぬ思い』『終わりのない友情』『光輝』『飛翔』『同情から始まる愛』
ローダンセの花言葉には、英名スワン・リバー・エバーラスティングにまつわるものが多く見られます。「光輝」は、白銀色に光り輝くつぼみを表し、「飛翔」は、細い花首をもたげた様子を今にも羽ばたきそうなスワン(白鳥)に見立てたことからつけられました。
また、ドライフラワーにして楽しまれるように、ローダンセの花は乾燥しても色があせません。時が経過しても色あせない美しさから、「変わらぬ思い」「終わりのない友情」という花言葉が付けられました。
ローダンセ(ヒロハノハナカンザシ)の学名・原産国・英語
- 学名
- Rhodanthe manglesii
- 科・属名
- キク科・ローダンセ属
- 英名
- Rhodanthe
Mangles sunray
Mangles everlasting
- 原産地
- オーストラリア
- 開花期
- 4~7月
- 花の色
- 白、ピンク
- 別名
- 広葉の華簪(ヒロハノハナカンザシ)
姫貝細工
ローダンセ(ヒロハノハナカンザシ)とは?どんな花を咲かせる?
ローダンセは、キク科・ローダンセ属に分類される多年草です。オーストラリアの乾燥した場所に自生しています。日本では寒さに耐えられないことから、一年草として扱われます。
細かく枝分かれしながら草丈30~50cmほどに生長し、葉っぱはすべすべした手触りをしています。春~夏になると、薄い花びらを何枚も付けた白やピンクの花を咲かせます。花びらに見えるのは幾重にも重なった総苞片で、乾燥剤の成分と同じケイ酸分を多く含みます。そのため、乾燥しても腐りにくく、咲きながらドライフラワーになっていく長命な花なんですよ。
名前の由来
ローダンセは、キク科ハナカンザシ属の半耐寒性一年草です。花の名前でもある学名の「Rhodanthe(ローダンセ)」は、ギリシャ語の「rhodon(バラ)」と「anthos(花)」の複合語です。
近縁種のハナカンザシより広い葉っぱをつけるとして「ヒロハノハナカンザシ」の別名があり、薄い貝殻のような感触から「姫貝細工」とも呼ばれます。
ローダンセ(ヒロハノハナカンザシ)の開花時期と見頃の季節は?
主な開花期は4〜7月頃です。七分咲きの花を根元から刈り込み、室内の風通しのよい場所で乾燥させれば、そのままドライフラワーとして楽しめます。
ローダンセ(ヒロハノハナカンザシ)の種類や品種は?
ローダンセの原産地はオーストラリア西部の乾燥地で、日本への渡来は明治末期頃といわれています。主にドライフラワーとして親しまれますが、花壇、鉢花、生け花、アレンジメントと、何かと用途の広い花でもあります。
草丈は30〜50cmほど、基本種の単色ピンクのほかに、白、黄色、色分け、混合種などがあり、これらの種子を混ぜ合わせたミックスシードも人気です。下記に、ローダンセのいくつかの種類と品種をご紹介します。
ローダンセ マングレッシ
一般に広く栽培されているのは、別名「ドワーフローズ」と呼ばれる本種とその園芸品種です。直径2.5〜4cm程度の丸い花は、中央(花本体)が黄色で苞がピンクや白、花によっては中央を縁どるように黒っぽいリング模様が入ります。
ローダンセ クロロケファラ
西オーストラリア州に分布する野生種です。葉っぱは1〜6cmの線形、直径6cmほどの大輪の花をつけ、背の高い直立性であることから切り花として重宝されます。
ローダンセ クロロケファラ‘ロゼア’
クロロケファラの変種でほぼ同じ見た目ですが、中央の黄色の部分に黒が多く混ざるのが特徴です。
ローダンセ フンボルティアナ
「黄花ローダンセ」の流通名で知られ、アレンジメントの花材に利用されます。草丈20〜60cmほどで、細長い披針形の葉っぱをもち、濃黄色の小花を密集してつけます。
ローダンセ スピカータ
一見同種と分からないほど地味な草姿で、濃黄色の小花を穂状に咲かせます。葉っぱは細長い線状、苞にあたるものが見当たらず、地面を這うように低く伸びます。
ローダンセ(ヒロハノハナカンザシ)の育て方のポイントは?
日当たりのよい場所に植え、冬に霜よけをすることがポイントです。気温が5度以下になると弱ってしまうので、秋に種をまいたらビニールテントなどで土を覆うと安心です。
また、ローダンセは日本の高温多湿が苦手で、梅雨の長雨にあたると花が著しく傷んでしまいます。秋まきして春までに苗を充実させ、梅雨入り頃まで花を楽しむのが一般的ですが、寒さにはやや弱いところがあります。育苗に2〜3度必要なので、暖地でもフレームや室内で管理した方が無難です。もともと乾燥したやせ地に自生するため、水やり、肥料とも控えめに育てましょう。
ローダンセ(ヒロハノハナカンザシ)の種まき、苗植えの時期と方法は?
種まき
発芽適温は15度前後と低めなので、9~10月が種まきの適期です。種に付いている綿毛は水をはじくので、取り除いてから植え付けるようにしてください。
1. 種を少量の砂と袋に入れてもみ、綿毛を取り除く
2. 一晩水に浸ける
3. 育苗箱に種をばらまくか、5cm間隔に2~3粒ほど点まきにする
4. 1cmほど土を被せる
5. 土が乾かないよう水やりをして管理する
6. 本葉が2~3枚に生長したら、鉢や地面に植え替える
苗植え
9~11月に鉢や地面に植え付けます。鉢植えは、6号鉢に2~3株が植え付けの目安です。地植えは、株同士の間隔を10~15cmほど空けて植えてください。育苗箱に種をばらまきし、葉が込み合ってきたら順次間引きます。秋まきは、本葉2〜3枚でポリポットに移植して越冬させ、春になって本葉5〜6枚になったら5〜6cm間隔に庭土か新しい鉢へ定植します。
ローダンセ(ヒロハノハナカンザシ)の土作り、水やり、肥料の与え方
土作り
水はけがよく、腐植質の多い中性~弱アルカリ性の土を好みます。鉢植えは、市販の草花用培養土に赤玉土2割、腐葉土2割を足したものがおすすめです。地植えは、植え付ける2週間前に土に苦土石灰を混ぜ込み、1週間前に腐葉土を混ぜ込んでおきましょう。
水やり
乾燥した環境を好みます。鉢植えは、土の表面が乾いてから水を与えます。地植えは、特に水やりの必要はありません。
肥料
肥料をたくさん与えると弱々しい株に育ってしまいます。植え付ける土にゆっくりと効く緩効性化成肥料を施せば十分です。
ローダンセ(ヒロハノハナカンザシ)の剪定や支柱立ての時期と方法は?
茎が細く倒れやすくなっています。風の当たる場所なら、草丈がある程度生長したら、細い支柱を立てて支えると安心です。
また、秋まきの鉢植えは、本葉8枚程度になったら摘芯し、脇芽を増やして花つきをよくします。春まきは生育期間が短く、草丈の低いうちに花をつけるのでほうっておいてもかまいません。ローダンセは花首が弱々しく倒れやすいので、苗の周囲をネットや支柱で囲っておくと安心です。
ローダンセ(ヒロハノハナカンザシ)の増やし方や寄せ植えの時期と方法
種まき
ローダンセは実生で増やします。花後に種を採取して、9〜10月頃に播種します。発芽適温の約15度から大きくずれると発芽しにくくなりますから、適期を逃さないように注意しましょう。
寄せ植え
どんな草花との寄せ植えにも合いますが、日当たりと水はけのよい、乾き気味の土壌を好む植物がいいでしょう。同じオーストラリア原産のレシュノルティアや、シルバーリーフのエレモフィラニベアとは、生育環境が似ているので管理しやすいですよ。
ローダンセ(ヒロハノハナカンザシ)の栽培で注意する病気や害虫は?
特にかかりやすい病気や害虫がほとんどありません。ただ、まれに灰色カビ病になることがあります。低温多湿に日照不足が重なると、葉っぱや茎が腐って灰色のカビがつくことがあります。風通しをよくして水やりを控え、症状がひどければ殺菌剤を散布します。発生条件のそろいやすい秋〜越冬中の管理には、特に注意が必要です。
ローダンセ(ヒロハノハナカンザシ)のかわいい花を楽しもう
薄紙のような花びらが特徴のローダンセ。花色があせず、切り花やドライフラワーにして楽しめる草花です。管理の面からいえば、鉢植えやプランター栽培に適していますから、マンションのベランダ栽培でも育てられますよ。
更新日: 2016年01月25日
初回公開日: 2016年01月25日