ぽっこりとした幹がユニークなガジュマル。植える鉢によって印象がガラリとかわるので、置き場所を選ばない観葉植物です。白い陶器の鉢に植えればすっきりとしたイメージに、和風の鉢なら盆栽のような雰囲気に仕上がりますよ。今回は、冬を室内で過ごすコツや、葉が落ちる原因などと合わせて、そんなガジュマルの育て方をご紹介します。
ガジュマルはどんな観葉植物?大きくなるの?
ガジュマルとは、日本やインド、オーストラリアに生息する常緑樹です。「気根(きこん)」と呼ばれる地上に出てきた根を他の植物にからみつけながら体を支え、自然界に生えているものは20mほどとかなり大きいものもあります。
一般には、高さ10〜20cmほどの卓上サイズから、最大100cmほどの置き型タイプが鉢に植えられて販売されています。中には1年で1m以上伸びるものもあるほど育ちが早く丈夫なことから、飾りたい場所にあったものを選ぶ楽しみがありますよ。
ガジュマルの木は太陽の光を浴びて育つ!
ガジュマルはたくさんの日光を浴びて育つ観葉植物です。日が差すベランダや明るい窓辺に飾ると、ガッシリとした丈夫な木に育ちます。
ただ、室内などから外に出されて急に直射日光にさらされると、環境に適応できずに葉焼けする事があります。基本的には直射日光クラスの強光線が大好きな植物です。なるべく陽の入る窓の近くや大きな窓のそばに置くようにしましょう。
丈夫な樹木なので日陰に置いても育ちはしますが、日照が急激に不足したりすると緑色のまま葉が落ち、丸坊主のような姿になってしまうこともあります。
原産地では背丈ばかりか横幅も数メートルになるくらいに大きくなるほど陽の光を独り占めしようとするくらいに日光が大好きな植物です。
ガジュマルの木の育て方!水やりや肥料の与え方は?
小さな苗で販売されているものもありますが、はじめての栽培ならすでにちょうどよい鉢に植えられたガジュマルの木を買うのがおすすめです。
頻繁に水やりや肥料を与えなくても、日光が当たる場所であれば元気に育ってくれますよ。ここでは、ガジュマルの水やりや肥料の与え方をご紹介します。
水の与え方
水やりの基本は「土が乾いたらたっぷりと与える」です。ただし、生育サイクルに合わせて水やりの頻度を変えましょう。
ガジュマルは春〜秋にかけてよく育ち、冬になると生長がほぼとまります。春〜夏は1日に1〜2回を目安に水やりをし、気温が下がってきたら徐々に水やりのペースを落として、冬は土が完全に乾いてから数日後に水やりをするといいでしょう。
水が足りなくても枯れますが、いつも土が湿っていても根が腐って枯れるので、季節に応じた水やりを心がけてくださいね。
肥料の与え方
ガジュマルが一年中葉っぱを茂らせるために、肥料で栄養を補給してあげます。春〜秋のよく生長する時期は、水だけでは栄養が足りなくなるので、10〜15日に1回液体肥料を与えてください。
固形の肥料なら、1〜2ヶ月に1回、幹の生え際から少し離した土の上に置いて下さい。水やりのときに肥料成分が土へと溶け出しますよ。
冬は根が水を吸う力が弱まるのと同時に、肥料を吸収する力も弱くなりますので。冬季は肥料を与えなくても大丈夫です。この時期に肥料を与えると、根が腐って枯れる原因になるので注意して下さいね。冬に心配な場合は肥料でなく活力剤アンプルなどを使用してあげるといいでしょう。
ガジュマルの木の育て方!室内で冬を過ごすコツは?
冬になったら、ガジュマルの木は室内のあたたかい場所へうつして育てます。暖かい地域に育つ樹木なので気温が5度以下の場所では葉っぱが黄ばんで枯れ落ちます。冷たい風や霜に当てても弱るので夜は窓辺に置かないよう注意しましょう。
日当たりが心配なときは、日中のあたたかい時間だけベランダに出すなど工夫するのが、冬を過ごすコツです。
ガジュマルの葉っぱが落ちるのは病気や害虫が原因?
日当たりのよいあたたかい場所で育てているのにガジュマルの葉が落ちるなら、「害虫の被害にあっている」か「根腐れ」可能性があります。
害虫は分厚い殻で覆われている固いタイプの「ロウカイガラムシ」か、白い粉をまとった「粉カイガラムシ」か小さな「ハダニ」です。外に出して勢いのある水流で洗い落としましょう。幹部を剪定してしまうのも有効です。どちらも大量発生の場合は専用の薬剤で薬殺します。
いずれも葉っぱや茎に発生してガジュマルの栄養を吸い取る害虫で、特徴的な見た目からすぐに見分けてられます。
カイガラムシは硬いタイプと粉タイプともにべたべたした排泄物を周りにまき散らします。その近くには必ずカイガラムシがいるので、数が少ない場合はブラシでこすり落とすなどで駆除します。数が多い場合はアクテリック乳剤など専用の農薬で薬殺しないと根絶やしは難しいでしょう。
コナカイガラムシ、ハダニともに水が嫌いな虫ですので発生初期はこまめに葉水をかけて洗い落とすと徐々に数が減ってきます。
「根腐れ」は、根が腐る病気で、過剰な水やりでいつも土が湿っているとかかります。生え際の根がブヨブヨしていたら、根腐れかもしれません。
しばらく水やりを控え様子を見ましょう。薬では対処できないので、葉っぱが落ち続けるときは残念ながら処分するほかありません。
ガジュマルの木が伸びてきたらどうする?方法は?
よく枝を伸ばすガジュマルの木は、数年放っておくと手に負えないほど大きく育ちます。スペースの限られたおうちで長く飾って楽しむなら、毎年5〜6月に「剪定(せんてい)」と呼ばれる枝を切る作業が必要です。
剪定のコツは、イメージしているよりも一回り小さく枝を切り揃えること。早い段階で剪定をするほど夏によく生長してくれるので、「切りすぎかな?」と思うくらい全ての枝を短く切ってかまいません。
大きく育ったガジュマルの木の剪定方法は、関連記事で詳しく解説しているので、合わせて参考にしてみてください。
ガジュマルの木が大きくなったらどうする?
枝が伸びるのに合わせて、ガジュマルの木を支える根っこも生長しています。同じ鉢で育て続けていると、鉢の土の中で根を伸ばす場所がなくなり枯れるので、2年に1回を目安に、5〜6月のうちに一回り大きな鉢へ植え替えます。
根を傷つけないように作業するのがポイント。苗も同じ方法で植えられるで、知っておくと育て方のバリエーションも広がりますよ。準備するものや詳しい手順は、関連記事で詳しくご紹介しています。
ガジュマルの木は増やせる?
2つとして同じ形に育つ木はないと言われるガジュマルは、複数の鉢を育てるのも楽しみになります。でも苗を買うのはお金もかかる…。
そんな方におすすめなのが、「挿し木(さしき)」という繁殖方法です。切った枝を土に挿しておくだけなので簡単に行えます。新しい苗がほしいときは、ぜひチャレンジしてみてください。
ただ、挿し木して得られる苗は根元が膨らみませんので、株本ぽっこりの可愛らしいガジュマルが欲しいのであれば市販のものを買われた方がよろしいでしょう。
ガジュマルの木はハイドロカルチャーでも育てられるの?
土に植物を植えていると、あたりに飛び散ったり、虫がわいたりといったトラブルによくあいますよね。そんなときは、植え替えのタイミングでハイドロカルチャーに切り替えるのも1つの方法。
ハイドロカルチャーとは、ハイドロボールという人工的に作られた栄養分のない土を使った植物の育て方です。ガラスの容器に入れれば清潔な印象が加わり、周りを汚しにくいメリットがあります。
ハイドロカルチャーの手順
- 根っこに付いている土を水で洗って完全に落とす
- 根腐れ防止剤→ハイドロボールの順に容器へ入れ、1/5~1/3程まで埋める
- きれいになった根を広げながら、ガジュマルの木を容器の中心に置く
- ハイドロボールを隙間に入れてガジュマルの木を安定させる
- 割り箸を使って隙間なくハイドロボールを入れる
- 水を容器の1/5ほどまで入れる
- 水がなくなったら容器の1/5ほどまで水を入れる
- 月に2回、薄めた液体肥料を水に溶かして与える
- 毎年5〜6月を目安に、ハイドロボールと根腐れ防止剤を入れ替える
青々とした葉っぱを生やすガジュマルの木を飾ってみよう
ユニークな形をしたガジュマルは、どこに飾っても存在感がある観葉植物です。たっぷりとおひさまの光に当たる場所なら、青々とした葉っぱを1年中茂らせて空間を彩ってくれます。大きくなるスピードが速いので、日々変化が楽しめるところも魅力。自分の好きな器に植えれば、さらに愛着がわいてくるかもしれませんよ。
更新日: 2021年06月16日
初回公開日: 2015年06月28日