観葉植物は土や肥料、鉢など様々なものを準備する必要があって、育てるのに手間がかかるイメージがつきまといますよね。アイビーを水耕栽培で育てれば、もっと手軽に楽しむことができます。また、日常管理が簡単で、広いスペースがなくてもかまわないため一人暮らしの方でも安心です。今回は、アイビーの水耕栽培やハイドロカルチャーの方法をご紹介します。
水耕栽培とは?
水耕栽培とは、農業ではよく行われる植物の栽培方法で、土を使わず、水や空気、栄養剤を用いて植物を育てます。別名、水栽培とも呼ばれます。省スペースで効率的に植物を育てられることから、最近は園芸の分野でもよく行われるようになりました。
アイビーの水耕栽培!水挿し、ハイドロカルチャーとは?
アイビーの水耕栽培は、4月中旬~9月中旬頃にはじめます。この時期はアイビーの生長期にあたるので、生育を妨げることなく栽培ができますよ。
水耕栽培の方法は、ハイドロカルチャーと水挿しの2つがあります。水挿しはコップなど水の入った容器に茎を挿して発根させる方法です。省スペースで手軽に行える分、植物がある程度育ってしまうと植え替えをしてあげる必要が出てきます。
ハイドロカルチャーは、ハイドロボールと呼ばれる人工培土を土の代わりに用いて植物を育てる方法です。清潔で無菌な人工培土を使用するため、植物の根にとって理想的な環境をつくることができます。また、ハイドロボールで植物の姿勢を安定させることができ、生長を阻害する心配がありません。
発根していないアイビーは、まずは水挿しで発根させ、ある程度苗が育ったら、ハイドロカルチャーや鉢植えに移行するのがおすすめです。根腐れや水枯れで失敗する確率が減りますよ。
アイビーの水挿しの方法は?
アイビーは、つるを水に挿しておくと根が出てきます。まずは、10~15cmほどつるを切り取ります。そして、水に浸かる部分の葉は取り除き、花瓶やペットボトルに挿していきましょう。
その後、葉から水分が蒸散しないように半日陰で管理していると、2~4週間ほどで根が生えてきます。しっかり根が伸びて芽が出てきたら、ハイドロカルチャーや鉢植え、地植えに植え替えてください。水挿しやハイドロカルチャーは芽の生長が遅く、土に植えた方が早く育ちます。
水挿しで気をつけることは、水の入れ替えです。暑い時期は水質が劣化して腐りやすくなっているので、気温が高い時期は、毎日水を入れ替えてください。少しでも水が濁っていたら、交換して新鮮な状態を保ってくださいね。
アイビーのハイドロカルチャーの方法は?
ハイドロボールに日光をあてると劣化しやすくなることから、アイビーをハイドロカルチャーで育てる場合は、直射日光の当たらない明るい日陰で管理します。また、10~25度が理想的な気温です。10度以下になると株が休眠してしまい、根の吸水量が落ちて根腐れを起こしやすくなるので注意してください。
植え付けの手順
- 10~15cm程度の長さの挿し穂を準備する
- 水に浸かる部分の葉は全て切り落とす
- 容器にミリオンAなどの根腐れ防止剤を入れる
- 事前に水洗いしたハイドロボールを容器に1/3程度入れる
- 苗を植え付け、ハイドロボールを追加して固定する
- 容器の1/5ほどまで水を入れる
容器を銀紙などで包んで暗くしておくと発根が早くなります。
水やり
水がなくなったら、器に入っている人工培土の高さに対して1/4~1/5ほどまで水を入れます。そして、水がなくなってから2~3日そのまま放置し、また同量の水やりをするというサイクルを繰り返します。水のあげ過ぎは、根腐れの原因になってしまいます。
植え替え
基本は必要ありませんが、イオン交換樹脂やミリオンAの効果が1年ほどで薄れてきます。そのため5~6月頃を目安に1年に1回植え替えてあげると清潔さや薬の効果もリセットできますよ。ハイドロボールは、洗って乾燥させれば再利用が可能です。
アイビーの水耕栽培で気をつける病気は?
アイビーの水耕栽培では、害虫の心配はありません。ただし、根腐れを起こすことがあります。水耕栽培の根腐れの原因は、水の劣化や水のやりすぎによる多湿や蒸れと、根自身が排出する有害な老廃物です。
イオン交換樹脂やミリオンAに根から出る有害物を吸収する働きがあるので、上手に利用してくださいね。
アイビーを水耕栽培で育てて部屋を飾ろう
水耕栽培は、アイビーを気軽に楽しむことができる方法です。土を使わないので衛生面も安心で、台所やお風呂場、机の上など場所を選ばず好みの器で飾ることができますよ。
ハイドロカルチャーにすれば、インテリアとしても飾りやすく、自分好みに植物をアレンジして楽しめます。アイビーを育てるなら、一度は水耕栽培にチャレンジしてみてくださいね。
更新日: 2022年12月21日
初回公開日: 2015年08月13日