せっかく育てた植物が害虫の被害にあうと、悲しい気持ちになりますよね。ただ、地中に隠れて姿が見えない虫がいると、駆除が難しいこともあります。今回は、ネキリムシの対策や幼虫を駆除する方法、農薬の有無についてご紹介します。
ネキリムシの生態とは?成虫は年にどのくらい発生する?
ネキリムシとは、カブラヤガ、タマナヤガ、オオカブラヤガなど夜蛾(ヤガ)や、コガネムシ、キリウジ、コメツキムシの幼虫の総称です。苗の根元を食べて被害を及ぼすことから、「根切虫(ネキリムシ)」という名前がつきました。
昼間は土の中に潜み、夜に活動してあらゆる植物の苗に被害を及ぼすため、存在を知らなければ対応できないやっかいな害虫です。幼虫やサナギの状態で冬を越し、成虫は多くて年5回、少なくとも年2回発生します。成虫も夜に活動し、植物の生え際に1つずつ産卵してまわります。
ネキリムシの被害は?
ネキリムシは植物の生え際を噛みきり、植物を枯れさせます。夜蛾の幼虫は、ナスやトマトなどの野菜やキクやダリアなどの草花を対象としているので、園芸から菜園など被害の幅が広いのが特徴です。
また、ジムシとも呼ばれるコガネムシの幼虫は樹木の苗木、キリムシは稲、コメツキムシ類は麦を食害します。夜が明けて根本付近を食べられてた植物がいたら、それはネキリムシのしわざです。
ネキリムシが発生する時期や条件は?
ネキリムシは、植物の多くが生育期の5~10月によく発生します。発生する原因は、夜蛾の成虫が葉に卵を産み付けるか、購入時や植物をもらったときに幼虫がすでに寄生していたケースが考えられます。完全に防ぐことは難しいので、気づいたら早めに対処するようにしましょう。
ネキリムシを駆除する方法は?農薬は使う?
ネキリムシは、被害にあった株付近の土の中に潜んでいます。軽くて手で土を掘るだけで発見できるほど浅いところにいるので、見つけたらつまんで取り除きましょう。また、4~5月と8~10月にダイアジノン粒剤やデナポンなどの作物へ使用可能な殺虫剤をまいておくのも有効です。
野菜などに農薬を使いたくない場合は、株元を囲むように米ぬかをまくと駆除できるともいわれています。ただ、その効果の確証ははっきりしておらず、土質も悪くなる恐れがあるので、駆除できたらいいなという気持ちで使ってみてください。
ネキリムシの対策!予防する方法は?
ネキリムシは、植物の茎を何かで囲ってしまうのが一番の予防です。紙やダンボールで茎の周りを囲む筒を作るか、ストローを茎のカバーのように利用します。春から初夏にかけて卵がかえり、幼虫が活動しはじめるので、4月頃には予防策を講じておきましょう。
茎がストロー1本の空洞におさまる太さであれば、3~5cmの長さに切ったストローの1箇所を縦に切り、切った部分から茎にはめて、茎の根本がストローの中に入った状態にします。他の素材でも同じように茎の太さに合わせて、根元数cmほどの高さを囲むと予防できますよ。
ネキリムシの被害は早めに食い止めよう
ガーデニングや家庭菜園への被害を最小限に抑えるためには、どの虫が害を及ぼしているのかを早めに見極める必要があります。ネキリムシの発生する時期は、アブラムシやヨトウムシも発生しやすい時期なので、それぞれにあった予防・駆除方法で、被害を最小限に抑えましょう。
更新日: 2023年02月15日
初回公開日: 2015年08月29日