小学校の教材として育てたことがある方も多いホウセンカ。鳳凰が羽ばたいているような花姿をしていることが名前の由来といわれています。今回はそんな夏に明るい色の花を咲かせて花壇を彩ってくれるホウセンカについて、種まきや苗植えの時期と方法などの育て方をご紹介します。
ホウセンカとは?どんな花?
ホウセンカとは、ツリフネソウ科インパチェンス属に分類される植物の総称です。最近ではインパチェンスの別名として知られることもありますが、実際はいくつかわかれる園芸品種全般を指します。5〜9月頃に赤色や赤紫色の花を咲かせるのが特徴です。
ホウセンカの種まきの時期と方法は?いつ発芽する?
ホウセンカの発芽適温は約20度。時期でいうと、4月中旬~5月中旬が適期です。根がまっすぐ下に伸びる直根性なので、鉢や地面に植え替えるときは根を傷つけないよう注意してくださいね。
1. 育苗箱など底の浅い容器に土を入れておく。
2. 種をすじまきかばらまきにする。
3. 土を薄く被せて種が流れないようにそっと水やりをする。
4. 土が乾かないように水やりをして、5~10日で発芽したら弱そうな芽を間引く。
5. 本葉が2~3枚になったら鉢や地面に植え替える。
ホウセンカの苗からの育て方は?
鉢植えは、草丈の低い品種であれば、5〜6号鉢で楽しめます。根についた土は崩さず、土を入れた鉢に苗を植えていきましょう。
次に水をたっぷり与えて苗を固定したら完成です。
ホウセンカのお手入れ!水やりの仕方や肥料の与え方は?
水やりの仕方
乾燥に弱いので、土を乾かしすぎないことがコツです。土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。特に乾燥しやすい真夏は、朝と夕方の2回水やりをするとちょうどよいですよ。
肥料の与え方
植え付けるときにゆっくりと効く緩効性の化成肥料を土に混ぜておきます。その後は、生育が悪いようなら薄めた液体肥料を与える程度で十分です。
ホウセンカの増やし方!挿し木の時期と方法は?
ホウセンカは種まきと挿し木によって増やすことができます。栽培になれてきたタイミングでぜひチャレンジしてみてください。種まきは上記と同じ方法です。
挿し木の方法
1. 6~7月に先端から5~15cm枝を切り取る。
2. 切り口付近の葉を切り取る。
3. 切り口を20~30分水に浸ける。
4. 育苗ポットにバーミキュライトを入れ、枝を挿す。
5. 日向で土が乾かないように管理すると30~45日ほどで発根する。
6. 根が十分に育ったら鉢や地面に植え替える。
ホウセンカの育て方で気をつける病害虫は?
うどんこ病
6~7月の雨の多い時期にかかりやすい病気で、葉が粉をふりかけたように白くなります。発生したら症状の出ているところを切り取って被害を食い止めましょう。
株全体に広がっている場合は、治療できないので処分します。殺菌剤をまいて予防してください。
ネコブセンチュウ
根に寄生する害虫で、根がコブのように大きくなり、生育が衰えて枯れてしまいます。マリーゴールドなどを周囲に植えればネコブセンチュウが寄ってこなくなりますよ。
葉が茂っているのに花が咲かないときは、寄生されている可能性があるので殺虫剤で駆除し、土を入れ替えます。
ホウセンカの育て方のポイントは?
ホウセンカを上手に咲かせるには、日当たりと土の質にこだわるのがポイントです。日当たりが悪かったり乾燥しすぎたりすると、花数が少なくなって弱々しく育ってしまいます。日当たりがよく適度に湿気のある場所を選びましょう。
また、以前にホウセンカを育てた場所で繰り返し育てると、生育不良や病気にかかる「連作障害」が起こりやすくなるので、同じ土は使わないようにして、草花用の培養土を使うのがおすすめです。
ホウセンカを種まきから栽培してみよう
ホウセンカの花は、夏の真っ青な空によく生える、赤やピンクの花を咲かせます。また、秋につける実に触れると、種がはじけ飛ぶという面白い性質をもっています。このような生態を生で見るのも、自分で植物を栽培するときの醍醐味の1つですね。
更新日: 2020年10月21日
初回公開日: 2015年09月29日