タイムは、古代ギリシア・ローマ時代から利用されてきた、歴史の長いハーブです。そのさわやかな香りから、勇気や気品の象徴とされ、男性はお風呂の後にタイムの葉を胸にこすりつけていたんだとか。今は、その防腐効果から、煮込み料理などに使われ、自宅で栽培している方も多くいます。今回は、タイムの花言葉や花や葉の種類、ハーブとしての効能などについてご紹介します。
タイムの花言葉は?
『勇気』『活気』『清潔感』『あなたの姿に感動する』
冬の寒さによって枯れてしまうものの、根をはり続けて春には新しい芽を出す強い性質から、「活発」「行動力」「あなたの姿に感動する」という花言葉がつきました。
また、「勇気」という花言葉は、古代ギリシアで勇気や気品の象徴とされていたことにちなみにます。
古代エジプトでは、ミイラの防腐剤として利用されていたことが、「清潔感」の由来となったといわれます。
タイムの花の色や咲く時期は?
- 学名
- Thymus
- 科・属名
- シソ科・イブキジャコウソウ属
- 英名
- Thyme
- 原産地
- ヨーロッパ、北アフリカ、アジア
- 開花期
- 4~6月
- 花の色
- 白、ピンク、紫
- 別名
- ー
タイムはどんな花?葉がハーブになるの?
タイムは、草丈15~30cmほどの常緑性の低木で、ヨーロッパや北アフリカ、アジアなど北半球の広い地域に自生しています。細い幹の先につく4~20mmの葉は、ハーブとしてよく利用されています。また、春から夏にかかえて、枝先に白やピンク小さな花を咲かせ、ハーブの中では花姿も楽しめるお得な植物です。
名前の由来
名前の由来には諸説あります。1つは、ギリシア語で消毒を意味する「Thuo」が語源で、その効能にちなんでいるという説。もう1つが、古代ギリシア・ローマ時代に勇気や気品の象徴とされていたことから、ギリシア語で勇気を意味する「thumus」が語源となったという説です。
いずれにせよ、その効能や香りが、古くから人々に利用されてきたことを表していますね。中世ヨーロッパでは、戦いに出る戦士へタイムの小枝を縫い付けたスカーフが女性から贈られていたというエピソードもあります。
タイムの葉のハーブとしての効果・効能は?
タイムに含まれる「チモール」と「オイゲノール」という成分は殺菌作用があるとされています。そのため、消毒薬や歯磨き粉、うがい薬など様々な生活用品にタイムの精油が使われています。
この殺菌作用は古くから知られ、古代エジプトではミイラの防腐剤として棺に収められていました。
この他にも、すがすがしい香りや味わいから、リラックスや消化促進、魚肉類の臭み消しといった効果も期待できます。
タイムの花や葉の種類は?
北半球を中心に、300~400種が自生しているとされています。主に地面をはって育つ「ほふく性」のものと、茎が立ち上がって育つ「木立性」の2種に分けられ、一般には木立性のコモンタイムという種類がハーブとして栽培されています。
コモンタイム
南ヨーロッパ原産で、別名「タチジャコウソウ(立麝香草)」とも呼ばれる木立性の品種です。料理用のハーブとしてよく利用され、もっとも一般的に栽培されています。
レモンタイム
コモンタイムとラージタイムをかけあわせて作られた品種です。葉をもむとレモンのような香りが楽しめ、「シトラスタイム」という別名でも知られています。
クリーピングタイム
北ヨーロッパ原産の、地面をはって育つほふく性の品種です。その特性から、鉢物やグランドカバーとしてよく用いられます。花の満開時には、地面がピンク色のカーペットのように見えますよ。「ヨウシュイブキジャコウソウ」という別名を持っています。
シルバータイム
葉に白い縁取りの斑が入る、木立性の品種です。冬から秋にかけて、紫色に紅葉し、四季ごとに様々な姿を楽しむことができます。
ウーリータイム
ほふく性の品種で、クリーピングタイム同様グランドカバーによく利用されます。葉はやわらかな毛で覆われ、手触りがよいことが特徴です。
マスチックタイム
イベリア半島の中部~南部を原産とした品種で、原産地ではスパニッシュマジョラムとも呼ばれます。香りが強くポプリや入浴剤に向いており、香水の原料としても使われます。葉はうっすらと毛で覆われており、夏に白い花を球状に咲かせます。
タイムの葉はハーブにおすすめ
タイムにも香りを楽しむものだけでなく、花や葉を鑑賞して楽しむものまで様々な種類・品種があります。日陰でもよく育ち、強い性質であることから、庭のグランドカバーにも人気のハーブです。
常緑性で、株がどんどんこんもりしていく様子は、育て続けていくうちに愛着がわきますよ。是非、ガーデニングの仲間にタイムを加えてみてくださいね。
更新日: 2022年04月13日
初回公開日: 2015年10月07日