ベルフラワーは、春~夏にかけて紫色や白色のかわいらしい花を咲かせる多年草です。和名のオトメギキョウの方が有名かもしれませんね。丈夫で育てやすいことから、花壇に植える草花として人気がありますよ。今回は、そんなベルフラワーの花言葉や種類と、株分けの方法など育て方をご紹介します。
ベルフラワー(オトメギキョウ)の花言葉は?
『感謝』『誠実』『不変』
花の形が、「感謝」の教えを説いている教会の鐘のようにみえることにちなんでいます。
ベルフラワー(オトメギキョウ)とは?どんな花を咲かせる?
ベルフラワーは、草丈10~20cmほどと小さく、耐寒性の強い多年草です。青紫色でベル型のかわいい花が株を覆うように咲くので、ハンギングやコンテナ栽培によく利用されます。学名のカンパニュラ(Campanula)は、ラテン語で「釣鐘」を意味し、花姿に由来します。
ベルフラワー(オトメギキョウ)の学名・原産国・英語名は?
- 学名
- Campanula portenschlagiana Schult
- 科・属名
- キキョウ科・ホタルブクロ属(カンパニュラ属)
- 英名
- Dalmatian bellflower
- 原産地
- ユーゴスラビア
- 開花期
- 4~7月
- 花の色
- 紫、青紫、白
- 別名
- 乙女桔梗(オトメギキョウ)
ダルメシアン
カンパニュラ・ポルテンシュラギアナ
ベルフラワー(オトメギキョウ)の開花時期や見頃の季節は?
4~7月にかけて、小さく可憐な花をたくさんつけます。草丈が低く。横に広がって育つため、背の高い花と寄せ植えにすると、見栄えがよくてすてきですよ。花は青紫色のものがよく出回っていますが、白い品種もあります。
ベルフラワー(オトメギキョウ)の種類や品種は?
ベルフラワーが分類されるホタルブクロ属は、原種が300種以上あります。今回は、ホタルブクロ属の中でも、ベルフラワーに似た花姿のものをいくつかご紹介します。
カンパニュラ・ガルガニカ
6~8月頃、1~2cmの星形で、淡紫色の花を総状につけます。花壇やロックガーデンなどで利用されます。
カンパニュラ・ゲットミー
星型の花が、株いっぱいに長期間咲きます。寒さには強いのですが、暑さと多湿には弱い性質です。夏場は株が蒸れないように、涼しい場所で管理し、朝夕に水やりをしてください。
カンパニュラ・イソフィラ
青紫や白い星形の花を、上向きに咲かせます。ヨーロッパでは広く流通しており、日本でも栽培されています。
ベルフラワー(オトメギキョウ)の種まきと苗植えの時期と方法は?
種まき
1. 2~3月に、ピートバンか平鉢に種をばらまく
2. 種をまいた容器全体に新聞紙を被せる
3. 土が乾燥しないよう、霧吹きで水やりをして管理する
3. 発芽し、十分に発根したら1回り大きな鉢か庭に植え替える
苗植え
3~4月か、9~10月頃が植え付けの適期です。鉢植えは、苗よりも1回り大きな鉢に植え付けて、明るい日陰で管理します。地植えは、土作りをしてから2週間後に植え付けましょう。植え付け後に、株元の表面に砂利を軽く被せておくと、水はけがよくなりますよ。
ベルフラワー(オトメギキョウ)の育て方!土作り、水やり、肥料の時期と方法は?
土作り
中性~弱アルカリ性の土で、水はけと水もちのバランスがよい土を好みます。鉢植えは、赤玉土や鹿沼土(小粒)4~6:軽石や桐生砂4~6か、赤玉土(小粒)5:腐葉土4:パーライト1の割合で混ぜた土がおすすめです。混ぜる前に、粒の細かい土はふるいにかけて取り除いておいてください。市販の山野草用培養土を使ってもかまいません。
地植えは、植え付ける2週間前に苦土石灰を混ぜておきます。そして1週間前に腐葉土を混ぜて寝かせておきます。
水やり
乾燥や多湿を苦手とするので、土が十分に乾いてからたっぷりと水を与えましょう。また、日中に水やりをすると、水が蒸発して株が蒸れてしまいます。特に夏は、涼しい朝か夕方に水やりをしてください。花の咲かない冬は、水やりを控え、乾燥気味に育てます。
肥料
植え付けや植え替えのときに、土にゆっくりと効く緩効性化成肥料を混ぜておきます。そして、生育期の3~9月は、1,000~2,000倍に薄めた液肥を月に2~3回与えます。ただ、7~8月は、液肥を3,000倍ほどとさらに薄めるか、与えなくても大丈夫です。
ベルフラワー(オトメギキョウ)の育て方!剪定の時期と方法は?
花が8割ほど咲き終わった頃に草丈が1/2ほどになるよう茎を切り戻すと、新しい茎が伸びて再び花を咲かせます。また、咲き終わった花はすべて根元から切り落とし、散った花びらも株に残らないようにします。そのままにしておくと、種が実のり、株が弱ってしまいます。
ベルフラワーの育て方!植え替えの時期と方法は?
鉢植えは、2~3月頃に毎年植え替えます。1回り大きな鉢に、植え付け時と同じ土を用意しておきます。苗を取り出すとき、根を傷つけないように十分に注意してください。緩効性肥料を混ぜ込むのを忘れなければ、翌年の春にも花が咲きますよ。
ベルフラワー(オトメギキョウ)の増やし方!種まきと株分けの時期と方法は?
ベルフラワーは、種まきと株分けで数を増やすことができます。種まきは、咲き終わった花から種を採取して袋に入れ、翌年の2~3月まで冷蔵庫で保管したものを植えていきましょう。手順は、植え付けと同じです。
株分け
9~10月頃に鉢から株を抜き、古い土を落とし、傷んだ根を取り除きます。そして、4号鉢に4~5本ずつ植え付けるように、株を分けます。
ベルフラワー(オトメギキョウ)との寄せ植えにおすすめの花は?
ベルフラワーは、ミニバラなど背の高い花との寄せ植えがおすすめです。ミニバラの株元をカバーするようにベルフラワーを植えると、センスのよい寄せ植えが作れますよ。他にも、アイビーやゼラニウム、マーガレット、デージーなどと寄せ植えをしても、ベルフラワーの青紫色が引き立ちます。
ベルフラワー(オトメギキョウ)の育て方で注意する病気や害虫は?
軟腐病、うどんこ病
軟腐病は6月頃から夏にかけ、湿度が高い時期に発生しやすい病気です。感染すると茎の根元が腐って枯れてしまいます。
うどんこ病にかかると、5~8月頃に葉の表面にうどん粉をまぶしたようなカビが生えます。水はけと風通しのよい環境作りを心がけ、スプレー式の薬剤などで防止すると安心です。
ハダニ
夏に発生しやすい害虫です。乾燥すると発生するので、葉水をかけることで予防になります。また、水に流れやすいので、発生したときは株に水をかけて流すか、濡れ雑巾で拭きとると効果的です。
アブラムシ
春に発生する害虫です。牛乳を水で割った液体をスプレーは、駆除に効果的ですよ。また、アブラムシのいる葉にクラフトテープなどをペタペタと貼り付け、取り除く方法もあります。
ベルフラワー(オトメギキョウ)の育て方のポイントは?
ベルフラワーは、日当たりがよく、湿気のすくない場所で育てることがポイントです。基本的には屋外で育てますが、強い日差しに長時間当たると葉っぱが焼けてしまいます。
また、暑さと蒸れには弱いので、夏は茂った葉を間引いて風通しをよくし、半日陰や明るい日陰の涼しい場所に置きましょう。耐寒性はありますが、根が霜に当たると傷むので、冬は屋内に取り込んだ方が安心です。
いろいろなアレンジが楽しめるベルフラワー
ベルのような小さな花が群がるように咲き、春から初夏の庭を賑やかにしてくれるベルフラワー。小型の花なので、お部屋にちょこんと飾ると、かわいらしい雰囲気を演出できます。
また、いろいろな花と一緒に寄せ植えにしても、存在感がありますよ。自分好みのアレンジで、ベルフラワーを育ててみてください。
更新日: 2022年06月22日
初回公開日: 2015年11月12日