プレゼントにもらったり、せっかく買ってきたりした切り花の元気がなくなり、枯れてしまうのは残念ですよね。きれいな花は、できるだけ長く生けて楽しみたい!そこで今回は、切り花の長持ちをさせる方法や、日持ちに効果的な延命剤についてまとめました。
目次
切り花とは?何日くらい日持ちするの?
切り花は、根を切り離した草花のことです。種類や室内の温度・湿度によって楽しめる期間が違い、長く楽しむためには、日持ちのする種類を選び、できるだけ涼しい環境で管理することが大切です。きちんと管理すれば、3ヶ月以上日持ちする花もありますよ。今回は、次の表のように、切り花を長持ちさせる方法をご紹介します。
季節 | 日持ちの目安期間 |
4~5月/10~11月 | 7~10日 |
6~9月 | 4~5日 |
12~3月 | 10~15日 |
切り花が長持ちしない原因とは?
切り花がすぐにしおれてしまうのは、水を吸い上げられず、水不足に陥っていることが原因です。
植物は、根から茎や葉、花に水を運ぶ導管が通っています。植物を生けている水にバクテリアなどの細菌が繁殖すると、導管から植物の中へと侵食し、水が行き渡らずに枯れてしまいます。
また、茎を切るときに空気が導管に入ってしまうと、水が吸い上げられないこともあります。生ける前に切り花に処理を施し、日頃きちんと管理させることで長持ちさせることができます。
切り花を長持ちさせるコツとは?
1. 水揚げをする
植物は切り口から水を吸い上げて鮮度を保ちます。生ける前に切り口の状態を整える「水揚げ(みずあげ)」をすることで、切り口から新鮮な水を取り込めるようになります。また、植物がしおれてきたときに水揚げをすることで、元気を取り戻すことができます。
水揚げの最も簡単な方法は「水切り(みずきり)」です。水を入れた容器に切り花の茎を沈め、カッターやハサミを使って水中で茎を斜めに切り落とします。これによって、切り口から空気が入ることを防ぎ、水を吸い上げやすくします。この他にも、深水、湯揚げ、焼き揚げ、割込みといった水切りの方法があります。
2. 水に浸かる部分の葉っぱや蕾を取り除く
切り花は、本来栄養や水分、空気を吸収する根を失った状態です。葉っぱや蕾が余分についていると、水分の蒸発する量が増え、蕾を開かせるために栄養を使ってしまい、枯れやすくなります。また、水に葉っぱや蕾が浸かっていると、バクテリアが繁殖しやすい環境を作ってしまいます。生ける前に葉っぱや蕾を適度に摘み取り、栄養が消費されないようにしましょう。ただし、葉っぱは光合成をするために必要なので、すべて摘み取ってはいけません。
3. 冷暖房の風や高温多湿の環境を避ける
エアコンの効いた部屋は、室内の水蒸気が足りず、乾燥しやすくなっています。そのため、植物の葉っぱや花も乾いて元気がなくなります。
また、暖かい部屋の水は腐りやすく、細菌が繁殖して植物を枯らしてしまいます。冷暖房の風が当たらず、室温の変化しにくい場所に切り花を生けた方が長持ちしますよ。また、意識的に霧吹きで水を吹きかけることも大切です。
4. 水と花の間に空間を作る
植物は茎葉や花で呼吸しています。株全体が水に浸かっていると酸素不足になり、枯れてしまいます。そのため、花の付け根まで水を入れず、すき間を5cmほど空けて、呼吸できるようにします。ただし、菊や枝ものは吸水量が多いので、水不足にならないよう注意してください。
5. 水を清潔に保つ
細菌の繁殖を防ぐために、毎日水を取り替えます。また、水を交換するときに、茎の表面についたぬめりを落とし、1cmほど茎を水切りしていくと長持ちしますよ。変色している部分は腐っているので、そこからさらに1cmほど上の部分でカットします。
切り花の日持ちに効果的な延命剤とは?
延命剤とは、名前の通り切り花の長く日持ちさせるための薬剤のことです。花束を買うと、つけてくれる場合があります。
主な成分は、糖分、抗菌剤、界面活性剤となっています。糖分は、花に栄養を補給し、みずみずしさを保つ効果があります。そして抗菌剤は、バクテリアや細菌が水の中で繁殖するのを抑える働きがあります。
切り花を長持ちさせる方法で、砂糖水や漂白剤につけるとよいとされているのは、この糖分と抗菌剤の作用があるためです。
切り花を長持ちさせて楽しもう!
プレゼントでもらったり、購入したりした切り花は、少し手間を加えるだけで長く楽しむことができます。特に水切りを定期的に行うと、みずみずしさを保つことができますよ。根から切り離されているので、いずれ枯れてしまうことはしかたのないことですが、できるだけ長持ちさせてお部屋を華やかに彩ってくださいね。
更新日: 2023年03月08日
初回公開日: 2015年11月11日