花束は、渡す側と渡される側、お祝い事やお別れのタイミングなど、手にする機会が意外とたくさんありますよね。でも、花束をもらっても管理や保存方法が分からず、枯らしてしまう、なんてことも。また、事前に購入しておいたら枯らしてしまったなんてエピソードも珍しくありません。そこで今回は、花束の保存方法や長持ちさせるコツ、渡す前日の管理方法をまとめてご紹介します。
花束の保存方法・長持ちさせるコツはある?
花束は花の種類や室温によって多少前後しますが、早い花だと1~2日程度で元気がなくなり、しおれ始めてしまいます。ただ、もらったお花はできる限り長く咲かせてあげたいですよね。
保存方法を工夫すれば、10日ほど日持ちして、長持ちさせることができます。そのために気をつけるのは、温度と水やりの方法です。花束を保存・長持ちさせるコツを8つご紹介します。
花束の保存方法・長持ちさせる8つのコツ
1. 花の最適温度を知る
花が過ごすのに最適な温度は5~10℃程度です。夏場は難しいかもしれませんが、秋~冬にかけては涼しい窓辺に置いて飾ってあげましょう。また、冷房の風は乾燥しており、花にダメージを与えてしまうので、直接当たらないようにしてください。
2. ラッピングはすぐに外す
プレゼントにもらう花束には、きれいなラッピングが施されていますよね。取るのがもったいないと感じてしまうかもしれませんが、花は新鮮な空気を好むので、すぐにラッピングは外しましょう。
3. 花の種類に合った水揚げ方法を行う
花がしおれてしまう原因のほとんどが水不足です。特に切り口の状態がよくないと、花は思うように吸水することができません。そのため、新鮮できれいな切り口をつくる「水揚げ」を行います。
最もよく行われる方法が水中で茎を斜めに切る「水切り」です。水切りをすることで、切り口から空気が入って吸水が阻害されることと、切り口自体が乾燥することを防ぐことができます。ほかにも深水や焼き揚げ、湯上げ、割込みといったプロが行う水揚げ方法もあります。
深水
花首がくたっとしおれてしまった花を元気にする、即効性のある水揚げ方法。まず、新聞紙で花の部分を含めて切り花全体をぎゅっときつめに包みます。茎の1/2程度が水に浸かるようにし、1晩置くと花が復活します。
湯揚げ
マーガレットなどしおれがちな野の花や、水を吸い上げる力が弱い花に効く水揚げ方法で、お湯に浸けることで茎に入ってしまった空気を抜き、吸水をよくします。茎の下部分を20cm程残し、新聞紙でしっかり包みます。茎の先を斜めに切った後、少し冷ました80度くらいのお湯に30秒~1分ほど入れます。その後冷水に浸けておくと、2時間程で花が元気になります。
焼き揚げ
湯揚げでも水が揚がりにくい場合やバラ・アジサイといった茎の太い花には焼き揚げが有効です。花全体を新聞紙で包み、茎を切った後にその切り口の先端5㎝程度を赤く炭状になるまで焼きます。焼いた後は湯揚げ同様冷水に浸けておくと、3時間ほどで花に元気が戻ってきます。
割込み
枝ものや木質化したものに有効な水揚げ方法です。切り口を斜めに切るだけでなく、縦に切込みを入れ、そのままハサミや手で左右に広げて切込みを広げます。割りづらい場合は金槌などで砕いても大丈夫です。枝が太い場合は十字に割るといいですよ。
4. 水を頻繁に取り替える
花を長持ちさせるために最も大切なことは、水を清潔に保つことです。水は1~2日に1回、必ず取り替えてあげましょう。取り替えるときに、花器や花の茎も一緒に洗い、ぬめりを取り除くようにしてください。また、バクテリアの繁殖を防ぐために1滴の漂白剤や延命剤を入れるといいですよ。
5. 花瓶の水は1/3程度に
花瓶の水は1/3程度にしておきましょう。たっぷり与えた方がいいと思ってしまいますが、水が多いと花が呼吸できなくなり、茎が腐る原因となります。ただし、枝ものや菊の仲間に限っては、たっぷりと水を与えるようにしてください。
6. 水に砂糖を加える
花瓶の水に砂糖を少量加えると、切り花が長持ちします。これは、糖分が光合成を助ける成分で、水に溶いて与えることで花の栄養補給になるためです。ただし、入れすぎると細菌も繁殖しやすくなってしまうので注意してください。
7. 10円玉を水に入れる
銅イオンの殺菌効果を利用して花瓶の水をきれいに保つことができます。花器のサイズによっては2~3枚は必要な場合もあるので、様子を見ながら枚数を調節してください。
8. 枯れる前にドライフラワーや押し花にする
花のお世話が苦手、枯れてしまうのが悲しいという方は、もらってすぐにドライフラワーにするもの一つの方法です。しおれていない切り花を選び、茎部分を輪ゴムなどでまとめて日陰につるしておけば、簡単にドライフラワーをつくることができますよ。
花束を渡す前日に買いたい!長持ちさせる管理方法は?
花束を贈るときに、当日買いに行く時間がなかったり、受け取れなかったりすることがありますよね。そんなときは前日に購入しておくのがおすすめです。ただし、保存方法を間違えるとしおれてしまうので、注意してください。
まず、花束は横に寝かさず、立てて保管しておきます。できれば、バケツなどに水を張り、浸けておくといいですよ。そしてエアコンの風が直接当たらない涼しい場所で保管しましょう。また、注文の際に花屋さんへ渡す日時を伝え、保水ゼリーで茎の部分を保護してもらい、できるだけ花が開いていないものを選んでもらうのもポイントです。もし花束では不安という場合は、フラワーアレンジメントを準備しておくと安心です。
花束の保存方法と長持ちのコツは環境と水
花束は渡すのももらうのもうれしいものですが、花が生き物だということもあり、保存方法を間違えてしまうと、しおれて悲しい気持ちになってしまいます。
しかし、きれいな水に入れ、涼しいところで管理するといった基本をきちんと行うだけで花を長持ちさせることができます。もらった花束だからこそ、長く楽しめるといいですね。
更新日: 2021年10月13日
初回公開日: 2015年06月19日