魚介類と相性がよく、魚料理やピクルスの香り付けに使われるウイキョウ(茴香)。英語名で「フェンネル」とも呼ばれ、昔から健胃、去痰、整腸などに効くハーブや漢方薬としても利用されてきました。市販薬にも配合されているんですよ。今回は、そんなウイキョウ(茴香)のハーブや漢方薬の効果・効能や花言葉、種類についてご紹介します。
ウイキョウ (茴香/フェンネル)の花言葉と由来は?
「称賛」「力量」「よい香り」「精神の強さ」「背伸びした恋」「強い意志」
ウイキョウは、株全体から甘くスパイシーな香りを漂わせます。この様子から、「よい香り」という花言葉が付けられました。「背伸びした恋」とは、葉っぱの間から背の高い茎を伸ばし、花を咲かせる姿に由来します。
ウイキョウ (茴香/フェンネル)の花の色や別名は?
- 学名
- Foeniculum vulgare
- 科・属名
- セリ科・ウイキョウ属
- 英名
- Fennel
- 原産地
- 地中海沿岸
- 開花期
- 6~8月
- 花の色
- 黄
- 別名
- フヌイユ
フェンネル
小茴香(ショウウイキョウ)
呉の母(クレノオモ)
ウイキョウ (茴香/フェンネル)とは?どんなハーブ
ウイキョウは、地中海沿岸を原産とする、ウイキョウ属の多年草です。葉っぱや種に特徴的な甘い香りがあり、魚料理や肉料理の臭み消しに利用されます。歴史は古く、古代エジプトや古代ローマから栽培の記録が残っており、日本にも平安時代に中国から伝わってきました。
草丈は80~200cmと高く、株元に糸のような細い葉っぱを茂らせます。そして、初夏から初秋にかけて、葉っぱの間から細い茎を伸ばし、オミナエシに似た細かい花を傘のようにいくつも咲かせます。
フェンネルの名前の由来
属名の「Foeniculum(フォエニクルム)」は、ラテン語で乾燥を意味する「foenum」が語源となっており、種や葉っぱを乾燥させ、香辛料として利用していたことにちなんで付けられました。
ウイキョウ (茴香/フェンネル)の効果・効能とは?
茴香(ウイキョウ)とは、本来はフェンネルの種のことを指します。この種には、胃腸を健康に保つ、痰を取り除く、消化促進、消臭の効能があるとされ、平安時代に日本に渡来したときから生薬として利用されてきました。
種は乾燥させるとさわやかな甘みがあることから、「フェンネルシード」というスパイス名で出回り、スープや煮込みなど魚料理によく利用されています。砕いて粉にしたものは、パンやお菓子にも加えて楽しまれていますよ。
古代ギリシャでは「フェンネルを見て摘まないものは馬鹿だ」と言われるほど、欧米でも古くから咳止めや利尿に利用されているハーブとなっています。フェンネルの葉っぱをいぶすと妖精が集まり、種は魔除けやお守りに魔法使いが使っていたという言い伝えもあります。今でも、葉っぱはオイルやお酒の香り付けに、種はスパイスに利用されていますよ。
ウイキョウ (茴香/フェンネル)の食べ方は?
葉っぱをサラダにトッピングすると、香りがよく味わい深くなります。また、株元をセロリのような感覚で、炒め物にしたり、生のままサラダやマリネに使ったりと、幅広い料理に活用できます。
魚介類との相性が抜群によいので、サーモンやスズキなどの白身魚は、ウイキョウを使って香草焼きにすると、生臭さを消してくれますよ。
ウイキョウ (茴香/フェンネル)の種類や品種は?
スイート・フェンネル
一般に広く出回るフェンネルの基本品種です。株全体から種がハーブやスパイスに利用されるほか、精油を抽出してアロマオイルにもなります。
ブロンズ・フェンネル
葉っぱが同色になる品種で、主に観賞用として栽培されます。
フローレンス・フェンネル
株元が丸く大きく生長する品種で、葉っぱを食べて楽しみます。「イタリアウイキョウ」「イタリアフェニッキオ」とも呼ばれ、サラダに利用されることが多いです。
ウイキョウ (茴香/フェンネル)は全草利用できるハーブ
ウイキョウは、欧米や日本で古代から人々とか変わってきたハーブです。種は生薬やスパイスとして、葉っぱは香り付けに、実はオイルにと、どの部分も余すところなく使えることが魅力です。
特に種は、中国のミックススパイス「五香粉」や、インドのカレー粉の原料にもなっていますよ。世界中の人々が愛するハーブの味を自分で育てたウイキョウ(茴香)で感じられたらすてきですね。
更新日: 2020年04月22日
初回公開日: 2015年12月19日