甘酸っぱい味わいが魅力のプラム。夏の果物として、日本でも古くから栽培されてきました。いろいろな種類があり、和名や別名もたくさんあることから、どんな植物なのかはわかりづらい部分がいっぱい。そこで今回は、プラムとはどんな植物なのか、育て方や栄養などについてご紹介します。
プラム(スモモ)とは?
プラムは、アンズや梅、スモモ、プルーンなどを含むスモモ属の総称です。その中でも、スモモ(Prunus salicina)、プルーン(Prunus domestica)の2種のことを指す場合が多いです。
スモモは、日本では平安時代の頃から栽培され、夏に付く実が生食や果実酒などに利用されてきました。プルーンは、食物繊維や鉄分が豊富なことで知られ、ドライフルーツやペーストをよく見かけます。
いずれも3~4月に、桜によく似た白い5枚の花びらをもつ花を咲かせます。葉っぱが生えるより先に花を咲かせるのが特徴で、長い雄しべが中心から何本も突き出ています。
その後、6~9月にかけて結実し、甘酸っぱい実を付けます。この実が、桃などよく似た果樹に比べて酸っぱいことから、酢桃(スモモ)という和名が付けられた層です。
- 学名
- Prunus salicina
Prunus domestica
- 科・属名
- バラ科・スモモ属(サクラ属)
- 英名
- Plum
Prune
- 原産地
- Prunus salicina:中国
Prunus domestica:南ヨーロッパや西アジア
- 開花期
- 3~4月
- 収穫時期
- 6月中旬~8月(品種により異なる)
- 花の色
- 白
- 別名
- プルーン
スモモ
プラム(スモモ)の花言葉!意味や由来は?
『甘い生活』『忠実』『貞節』『独立』『疑惑』『誤解』『幸福な日々』
花言葉の「誤解」は、中国の故事「李下に冠を正さず」「李下の冠」が由来になっています。プラムの木の下で、手を上げて冠を整えている素振りなどをしていると、プラムを盗むと疑われることから、「人に疑われるような行動はするべきではない。」という意味があります。
プラム(スモモ)の種類や品種は?
プラムは、「スモモ(ニホンスモモ)」「プルーン(セイヨウスモモ)」の2種に分かれます。スモモの方が、日本で古くから栽培されていたこともあり、育てやすいとされています。以下に、よく栽培される種類や品種をご紹介します。
大石早生
スモモの代表品種で、最も多くの株が栽培されています。皮が鮮やかな紅色をしており、黄色い実が甘酸っぱく濃厚な味わい。福島県で作出され、寒さにも強くて育てやすいのですが、1株だけでは結実しないので、違う品種を近くに植え付ける必要があります。
サンタローザ
大石早生とともに日本でよく栽培されている品種です。アメリカの育種家が、日本と西洋の品種を掛けあわせて作られ、1本でも結実しやすいことから、今では世界中で栽培されます。
ソルダム
大石早生を元にアメリカで作られたプラムの品種です。実が緑色の多い紫色で、果肉は赤くなっています。
プルーン
セイヨウスモモの総称です。アメリカのカリフォルニア州が世界的に知られる産地で、ドライフルーツやペーストなどに加工されます。雨によって実が裂けてしまうことから、長野県や青森県、北海道など日本では雨の少ない地域で栽培されています。
プラム(スモモ)の育て方!苗植えの時期と方法は?
11~3月が植え付けの適期です。鉢植え、地植えともに、樹高50~60cmくらいの高さに切り戻してから植え付けると生育がよくなりますよ。
鉢植えは、10号以上の大きな鉢に、赤玉土(小粒)6:腐葉土2:堆肥2や、腐葉土3:川砂2:赤玉土(中粒)2:堆肥2の割合で混ぜた土を準備し、浅く植え付けていきます。植えたらたっぷりと水を与え、株のすぐ横に支柱を立てて支えます。
地植えは、苗よりも1回り大きな植え穴を掘ります。掘りあげた土には油かす1握りと、腐葉土や堆肥をたっぷり加えて混ぜあわせ、苗を穴に入れた後、植え戻していきます。
湿度の高い環境が苦手なので、鉢植え同様浅く植え付け、大きくなるまで支柱をたたえて支えます。複数植えるときは、木同士の間隔を2mほど空けるようにするとよいですよ。
プラム(スモモ)の育て方!水やり、肥料の与え方は?
水やり
過湿を嫌いますが、乾燥した状態が続くと、実の味がおちてしまいます。は杖は、土の表面が乾いたら水やりをしていきましょう。
真夏は朝夕の1日2回、春と秋は1週間に1~2回くらい、冬は1ヶ月に1~2回と、土の乾き具合を見ながら、季節ごとに調節してください。地植えは特に水やりの必要はありません。
肥料の与え方は?
植え付けるタイミングで肥料は必要なく、開花前の1~2月と9月に化成肥料を与えます。そして、11~12月に有機質肥料を与えておくとよいですよ。
プラム(スモモ)の剪定の時期と方法は?
プラムは、長さ5~10cmほどの短果枝にたくさんの実を付ける性質があります。そのため、実を付ける前の12~2月に、全体の伸びすぎた枝を20~30cmほどに切り詰めます。そして、6~7月に全体の伸びすぎた枝を間引いていけば、株が大きくなりすぎず、安心です。
また、全ての花芽を結実させていくと、株の栄養が足りず、小さな実ばかりが取れてしまいます。長い枝で3~4果、短い枝で1果ほど残るよう、花芽をつみ取っていきましょう。
プラム(スモモ)の植え替えの時期と方法は?
地植えの場合、植え替えは特に必要ありません。一方、鉢植えは根詰まりをおこす可能性があるので、2~3年に1回、12~3月に植え替えをしていきます。植え替えに必要なものや、手順は、植え付け時と同じです。
プラム(スモモ)の育て方のポイントは?
1本植え付けただけでも育つ品種を選び、日当たりのよい場所で育てていくことがポイントです。本来、プラムは1本だけで結実する品種は少なく、2つ以上の品種を近くに植える必要があります。
自宅で栽培するなら、「サンタローザ」「ビューティー」「メスレー」など1本だけで実をなす品種がおすすめです。
プラム(スモモ)を栽培してその実を味わい、花を楽しもう
スモモは、日本で古くから栽培されている果樹です。果樹というと管理が大変そうですが、プラムは意外と育てやすく、家庭でも比較的楽しめますよ。実を育てて食べるだけでなく、春には梅や桜の花に似た可憐な花を楽しめるのもポイント。剪定次第であまり大きくならず、気軽に楽しめますよ。
更新日: 2022年04月27日
初回公開日: 2016年04月26日